本作は、アジアの名匠エドワード・ヤンの後継者とも目される台湾出身の女性監督・姜秀瓊(チアン・ショウチョン)、撮影はロンドンを拠点に活躍する真間段九朗と、海外の才能溢れる若手映画人たちが集結。石川県珠洲市を中心としたロケーションで捉えられた美しい映像の中、本物の家族以上に深くつながり合う隣人たちの姿をやさしく穏やかな眼差しで切り取り、誰の心にも寄り添う普遍の物語をつくり上げた。

主演は、映画『八日目の蝉』で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞した演技派・永作博美。凛々しい佇まいの中に哀しみをにじませ、最果ての地に帰った岬を色鮮やかに表現する。初のシングルマザー役に挑戦したのは佐々木希。強さと弱さが同居する絵里子の複雑な想いを体現し、女優として新たな魅力を花開かせている。

会場は満席の中、笑い声も聞こえ、上映後は大きな拍手でエンドロールが流れた。
監督が登壇し、名匠ホウ・シャオシェンの弟子と紹介され、驚きの声も聞こえ、温かいQ&Aが行われた。

日本の公開は、2015年2月予定。

(Report:Yasuhiro Togawa)