2014年、第67回カンヌ国際映画祭オープニング作品として世界を沸かせたニコール・キッドマン主演『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』が10/18(土)より全国公開を迎えます。

いよいよ来月に迫った日本公開のためにオリヴィエ・ダアン監督が緊急来日、スペシャルゲストに中村玉緒さんをお呼びしてジャパンプレミアが行われました。中村さんは、グレースになりきったロイヤルファッションで登場するや「監督もみなさまも、大変びっくりなさったと思うんですが、私実はグレース・ケリーさんの大ファンで、本日はどうしてもこの格好をしたかったんです!!」と映画に合わせて作ってもらったという鮮やかなブルーの衣装と花束で猛アピール。それに対し、オリヴィエ監督は「本当に綺麗だと思います。僕のほうが花束を贈呈すべきでしたね」とにこやかに語り、「中村玉緒さん主演の映画をぜひ撮りたい!日本のプロデューサーさん、お話お待ちしております」とコメント。二人の絶妙なやりとりに会場は終始笑いと拍手に包まれ、和やかなムードのままジャパンプレミアは終了となりました。

■日程:9月25日(木)
■場所:イイノホール 
■登壇者:オリヴィエ・ダアン監督、中村玉緒

オリヴィエ・ダアン監督のコメント:

Q.グレース・ケリーは、日本にも来日された事もあり、今でも日本人にとても愛されている方ですが、監督にとってのグレース・ケリーとはどのようなイメージの方でしょうか?

A.私は映画監督ですから、女優としてのグレース・ケリーにも大変興味がありますが、個人的には彼女が映画をあきらめてプリンスになったのは少しさみしく、残念に思います。

Q.監督は何度も来日されていらっしゃいますね、5回目でしょうか?日本の文化で好きなことってありますか?

A.本当に何度も来ているよ。実は過去に日本のミュージシャンとのコラボする幸運にも恵まれましたし、映画が公開されるたびにプロモーションでも来ていますね。とにかく日本のアーティストの方々と一緒にコラボできるのは本当に光栄です。日本にくることがとっても好きですし、文化に触れることも大変嬉しく思います。

Q.今作は私たちが知らなかった彼女の葛藤や内面が深く描かれていますが、監督が意図した事とはどのような事だったのでしょうか?

A.まず、今回は伝記映画を撮りたくなかった。今回はグレース・ケリーのポートレートであり、まるで彼女がヒッチコックの作品にまた出演しているかのような雰囲気を描きたかったんです。彼女の人生というのは、華やかな、周囲の人が聞いたらワクワクするようなおとぎ話のようなものだったけど、本当の彼女は悩み、苦しみ、女優に戻りたい強い気持ちがあった。当時は女優に戻るチャンスもあったにもかかわらず、結局はそうできなかった。彼女の人生において、映画に戻れないというのは断腸の思いだったに違いないと思います。女優としての頂点から降りるかどうかの決断に秘められた彼女の内面の苦悩を、今回はどうしても描きたかったんです。

Q.ニコール・キッドマン演じる、グレース・ケリーはとても気品があり素晴らしかったです。初めからニコールに演じて欲しいと思っていたのですか?また、撮影中の二コールは如何でしたか?

A.最初は普通のオーディションをしたんです。実はニコールに演じてもらう気も最初は全くなかったよ。ただ、色んな女優と会ってもひとりもピンと来る人がいなくて、一旦パリに帰ったんです。その後、ニコールのマネージャーから逆オファーがあって、ニコールとスカイプで2時間ほど話した。会話が終わる頃には、彼女でやることへの想いが自然と固まっていたよ。

撮影中の彼女についてだけど、もともと私は彼女のファンであったし、彼女が大女優であることはもちろん知っていました。だけど、彼女と毎日現場で顔を合わせると、彼女が如何に“エクストラオーディナリー“な女優であることを感じさせてくれた。仕事への理解力も非常にあるし、知性が高く、何より直観力がすばらしい。だから彼女と毎日仕事ができるのは非常に心地よい時間だったよ。加えて、僕を監督として非常に信頼してくれたし、スタッフや技術者への配慮も素晴らしかった。スクリーンに映れば大女優としての貫録が現れるにも関わらず、現場ではそんなところをちっとも感じさせないんだ。

中村玉緒さんのコメント:

Q.本作をご覧頂いたとの事ですが、ご感想をお伺いさせて下さい。ニコール・キッドマンの演技は如何でしたか?

A.私も女優をしていて、毎回映画への出演のお話しをいただいた時、本当に悩むんです。モナコ王妃になることへの決断、女優を捨てることの決断、色々な決断を経て、グレース・ケリーの表情がどんどん変わってくるところが印象深かったですし、またそれを見事に演じたニコール・キッドマンさんは本当に素晴らしかったです!だいたい女優は顔を似せることだけだったらよくありますが、内面からグレースを演じ切っていたニコールに、女優として尊敬します。

Q中村さん自身女優としての葛藤はグレース・ケリーに通じるところもあったのでしょうか?

A. 葛藤はものすごくありましたよ。私は結婚してすぐ子供ができたのですが、女優をやめようと決意していたところに、監督が自分に会いに来たりオファーがあるとムラムラっとして決意が緩んで・・そんな時、主人(勝新太郎)から「(作品に)出てももいいよ」と言われたのは映画のグレース・ケリーと同じでした。彼女にとっても、私にとってもその一言は本当に大きかったと思います。

【最後にお二人へ】
Q.『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』でのマリオン・コティヤール、本作でのニコール・キッドマンと続き、次回中村玉緒さん主演の映画を撮る気はないですか?

監督「もちろんです撮りたいです!日本のプロデューサーの人、お話待ってます。」
玉緒さん「おばあさんの役でも何でもどうぞよろしくお願いいたします!」