9月27日(土)より新宿ピカデリー他にて全国公開する『ファーナス/訣別の朝』メガホンをとったのは『クレイジー・ハート』(09)でアカデミー賞®をはじめ数々の賞に輝いた期待の新鋭スコット・クーパー。製作にはレオナルド・ディカプリオ、リドリー・スコットとビッグネームが名を連ねます。主人公ラッセルを演じるのは『ダークナイト』のバットマンで一躍世界に名をとどろかし、『ザ・ファイター』(10)ではアカデミー賞®とゴールデン・グローブ賞®の助演男優賞を受賞したクリスチャン・ベイル。他主要キャストも名優ばかり。家族、恋人を失い絶望の淵に追い込まれる男の孤独な戦いを描いた極上のアメリカン・クライムドラマが遂に日本に上陸致しました。

この度、本作では主人公ラッセルとロドニー兄弟の絆が見どころの一つとなっていることから、共に俳優で実のご兄弟である、杉浦太陽さん、杉浦タカオさん兄弟に登壇頂き、トークイベントを実施致しました。

日時: 9月25日(木) 11:00〜
場所: ポニーキャニオン 1Fイベントスペース(港区虎ノ門2-5-10)
登壇者: 杉浦太陽、杉浦タカオ (共に俳優で実のご兄弟)

【イベント実施レポート】
今回が映画イベントでの共演が初となる二人は
太陽「兄弟でこういう場に立つのはなかなかないので。プライベートではよく会うんですけど。素がどんどん出そうで怖いですね。家の延長みたいな感じです。」
タカオ「プライベートを見られてる感じが恥ずかしいですね。」と少し気恥ずかしい様子で登場した。

公開を前にいちはやく鑑賞した映画については、
太陽「芝居がよかったですね。セリフはそんなに多くはないんですけど、空気感や行動に、すごい思いがにじみ出ていたので、見応えありましたね。」
タカオ「(クリスチャ・ベイルは)バットマンもやってましたけど、アメコミのヒーローではなくて地に足のついた真のアメリカンヒーローという演技にぐっときましたね。」
太陽「バットマンの芝居をウルトラマンだった僕が見るという」(笑)
タカオ「アメリカ映画というと、CGを使ってドッカンドッカンというイメージがありましたけど、これはもう映画の原点というか。映画の中の空気感にしびれましたね。」と演技派俳優たちの演技がつくりだす空気感に圧倒されたことを語った。

『ダークナイトライジング』を撮影中のため一度は出演を断ったものの、撮影が終わるまで待っていたスコット・クーパー監督の情熱と誠実さに感動しオファーを受けたという主演クリスチャン・ベイルや、そのベイルの熱烈なラブコールで今回物語の軸となる役柄ラッセルの弟ロドニーに抜擢されたケイシー・アフレック。豪華出演者による兄弟の演技については
太陽「兄弟だからこそわかることってあるよね。お兄ちゃんがピンチになったら心の支えを弟が…。逆に弟がピンチになったらお兄ちゃんがみたいな。」
タカオ「そうそう。俺だけは…。みたいなね。」
太陽「心配でしょうがないんですよ。兄っていうのは。うちも(映画と)似ているところがあるんですけど、弟の方がやんちゃというか。兄の立場として見ちゃいましたね。(兄ラッセルが)代わりに借金返しに行くところとか隠れてフォローいれるところが、わかるわーみたいな。」
タカオ「やっぱり、(弟の)ロドニーに目がいきましたね。やんちゃなことして兄貴に怒られるのがちょっとうっとしいけど、もし何かあったら支えたりとか。この距離感っていうのが共感できましたね。」と兄弟という目線から共感したポイントを語った。

男兄弟で良かったと思うことについて聞かれると、
太陽「女だったらまた違うもんなぁ。もっと心配してそうだし。男だったからこそというのはありますね。」
タカオ「僕も兄貴だったからこそ、東京きてから一緒に住むのが成り立ったかなと。」
太陽「一緒に暮らしてるのに、彼氏とか連れてきたら嫌やもんな。」
太陽「お姉ちゃんはいたんですけど、僕が生まれる前に亡くなって。その分、親の僕らへの思いも強くて、小さい頃からずっと一緒にいますね。」
タカオ「中学とか高校の頃も、兄が僕の友達とも仲良くなってましたからね。」と、幼い頃から一緒に過ごしてきた二人は仲のいい掛け合いをみせた。

兄弟で同じ俳優という立場にあることについては
太陽「デビューが僕の方が先だったので、後から出てくる弟のことが心配でしたね。」
タカオ「全然わからない世界だったので、先に兄がいてくれたことに助けられました。」
太陽「厳しい世界だけどいつか共演したいなと思ってました。兄弟が同じ世界にいるっていうは、心配な反面嬉しいし、お互い相乗効果で頑張れたらいいなと思います。」
タカオ「相談させてもらったりもしてるので助かってますよ。」
太陽「(妻の)希美のやっているブランドのモデルもやってもらったしね。」
タカオ「何回か出させてもらって、のんちゃんと呼べるようになりましたね。ある日気を遣ってくれたのか、商品券くれたりして(笑)」と現在も家族ぐるみで付き合いがあり、仕事もプライベートも互いに支えあっていることを語った。

現在太陽さんにはお子さんが3人、長女、長男、次男と下2人がやはり男兄弟ということについては
太陽「息子たちには、僕らみたいな関係性になって欲しいなと。僕らはケンカもほとんどしたことないんで。人生で2回くらいですかね。」
タカオ「大人になってから一度ケンカしたことがあるんですけど、お互い俳優という職業もあるし殴れなくて、胸倉を掴んだままぐるぐる回るだけっていう…。(笑)」
太陽「取っ組み合いの後は、玄関で座り込んで。男同士のケンカは終わった後に友情が深まるって言いますけど、それの兄弟バージョンができたかなと。」
とケンカをしても仲の良い二人は、お互いに向けて
太陽「31年間ずっと一緒で、自分の分身みたいな感覚。親には相談できないことを話せたり。弟でありながら、一番の親友であるような。自分の人生の中で弟がいなかったら今の自分はないので、生まれてきてくれてありがとう。」
タカオ「ものすごい気恥かしいですね。東京来てからは、最初の頃友達ができなくて兄貴がいてくれたことで成り立ってたし、役者を始めるときも後押ししてくれたので。今でも舞台とかよく観にきてくれて、良かった悪かったを結構厳しく言ってくれるので、本当に感謝やなと。」と改めて感謝の気持ちを語った。

おすすめのシーンについては、
太陽「やっぱり、家の中での兄弟のやりとりですかね。兄弟じゃないのに、兄弟にしか出せないあの空気感を作りだしてたので。自然な空気を出せるのはやっぱり凄いですね。引き込まれていきます。」
タカオ「弟ロドニーが危険なストリートファイトに手を出しているけれど兄に言えないっていう、あの気持ちや空気感がすごいわかるなーと思いました。」
太陽「そういうのはすぐわかりますね。いつもとちがうなー。」
タカオ「兄弟怖いんですよ。すぐわかるんです。(笑)」と語った。

最後に本作をこれからご覧になる皆さんへのメッセージ
太陽「本当にキャストの芝居がすごいです!重厚感あるヒューマンドラマをしっかり受け取ってもらえたらなと思います。」
タカオ「久しぶりにしびれる映画と出会えました!最先端ではなくあえて田舎町のアウトローな空気感を出せる映画というのはなかなかないと思うので。いろんな要素がたくさん入ってるので見応え抜群です。」