『機動戦士ガンダム00』の水島精二監督と『魔法少女まどか☆マギカ』虚淵玄がタッグを組んだ初のオリジナル劇場作品『楽園追放 – Expelled from Paradise -』が11月15日(土)より新宿バルト9他にて上映。一般の観客には初のお披露目となる完成前のゼロ号試写会を開催。水島監督、虚淵さん他、主要キャストの声を務める釘宮理恵さん、三木眞一郎さん、神谷浩史さんと主題歌を歌うELISAさんが登壇した。

■日時:9月11日(木) 20:45〜21:25
■場所:新宿バルト9 シアター9
■登壇者:釘宮理恵、三木眞一郎、神谷浩史、ELISA、虚淵玄、水島精二

初めて一般の観客にお披露目となった本日のゼロ号試写会。水島監督が観客に「楽しんで頂けましたか?」と質問すると、一斉に拍手が鳴り響いた。監督にとっては初のオリジナル劇場作品となり、虚淵さんと初めてタッグを組んだ作品でもある本作。水島監督は「虚淵君と組めるのは、僕としては楽しい出来事だったので、僕らがゆっくりやっている間に先行して3Dアニメとか作られ、ましたが、そういう3Dの新しい表現を含めて一緒にできたのは幸せだった」と感想を語った。虚淵さんにとっても初のオリジナル劇場作品となった本作。初のお披露目について心境は、「企画の発端から実現まで本当に長い時間かかった思い入れの深い作品です」と感慨深い様子。『魔法少女まどか☆マギカ』をはじめ、虚淵さんの手がける作品には“人の死“が関わる作品が多いが、本作については「俺だって人の死なない話を書くんだよ(笑)」と述べ、会場の笑いと歓声を誘った。

電脳世界ディーヴァにてシステム保安員を担当する三等官アンジェラ・バルザックを演じた釘宮さん。普段生きている我々の考え方とは少し違った価値観をもった、普段の女性像とは違うキャラクターの声について「一番最初に出てくるシーンが精神年齢が高くて大人の成熟した女性で、私があんまりそうでもないものですから(笑)」と照れ笑いしつつも、「大人の心をもっているけど、外見は少女という不思議な感覚で、四苦八苦しながらの収録でした」とアフレコ時の苦労を語ってくれた。

アンジェラをサポートするディンゴを演じた三木さん。ディンゴ役について「初めて台本を読ませて頂いたときから大好きでした」とキャラクターへの思いに加え「ストーリーもすごい好きだったので、マイクの前に立てたことを本当に嬉しく思っておりました。」と作品に対しても熱い思いを語ってくれた。

フロンティア・セッターを演じた神谷さん。虚淵さんの脚本に出演するのは本作が初であり、「是非やってみたい!」と意気込みを感じていたという。しかし、虚淵さんの作品を見るたびに台詞が難しいとも感じていたそうで、神谷さんが演じる本作でも「シナリオを見たらすごい喋っていることに驚いた」と率直な気持ちを語ってくれた。同時に台本がビックリするくらい面白かったそうで、「毎日毎日シナリオを持ち歩いて、わからない単語があったら全部調べてアフレコに臨みました」と初めての虚淵作品に挑んだエピソードを語ってくれた。
ゼロ号試写会のエンドロールでELISAさんが歌う「EONIAN-イオニアン-」が初披露となった。主題歌についてELISAさんは、「始めは静かに始まるのですが、サビにかけて高揚したり、2番になったら音が変化していく」と楽曲について語ると、ご自身も「歌詞もそうですが、自分の状況だったりとか照らし合わせながら自然と歌えた」そうで、曲に自然と自分の感情がのった楽曲となった。

観客へのプレゼントとして「EONIAN-イオニアン-」の生歌披露が行われ、歌唱終了後は観客から惜しみない拍手が贈られた。釘宮さんが「素敵過ぎてちょっと涙が出た」と述べると、水島監督も「作品と密接な関係をもたせようと思って作った曲なので素晴らしい曲になって嬉しいです。」と語り、壮大な歌を歌いあげる女性アーティストを想定していた監督にとって、ぴったりの楽曲に感慨深げな様子であった。初めて観客の前で新曲を披露したELISAさんは「皆さんに注目されている作品に関われていることが本当に嬉しいし、その曲を今聞いて頂けたことに感動してしまって、私も泣きそうになりました。」と語り、「嬉しいです。有難うございます。」と観客に感謝の気持ちを贈った。そして「EONIAN-イオニアン」が11月12日にシングルとして発売されることも会場で発表された。

企画書提出から完成まで5年かかり、虚淵さんが経験したなかで、本作は道のりが一際長かったという。5年の歳月に虚淵さんは「最初の企画書出した段階でまだ『まどか☆マギカ』が無かったと思うと、出来上がるまでの間に自分の人生は、激動の移り変わりを体験しました。」と人生を重ね、「今までの思い出が全部押し寄せる気分でやっとここに辿りつけて本当に幸せです。この場に立ち会ってくれた皆さんにも感謝の言葉もありません。有難うございました。」と感無量の様子で会場への締めの挨拶を行った。

神谷さんは「今日見た観客がどんな感想をもたれたのか非常に興味がある」様子で「フロンティア・セッター、アンジェラ、ディンゴ、誰かの視点で見たとしたら次は別な視点でこの物語をみると、また全然違う答えが導き出されると思うのではないかと思います。」と語り、「3回は楽しめる作品だと思う。ぜひ皆さん劇場に足を運んでくださると嬉しいです。」と11月15日の上映にむけメッセージを贈った。三木さんは「今日は客観的にご覧頂いたかと思います。なので、あと3回!それぞれに感情移入して頂いたあと、1回見るので合計4回ですね、併せて5回みて頂ければと思います!」神谷さんよりも熱い!?メッセージ飛びだすと、会場に来てくれた観客へ「今日の思い出を興奮ともに閉まって頂いて、また新たに劇場で見て頂ければと思います。」と改めてメッセージを贈った。釘宮さんは完成版にむけパワーアップしていく本作をご自身も楽しみにしつつ、「今日見て良かったよと思ったら、友達にも良かったよと言ってバンバン広めていってほしいです。」と語り、オリジナル作品として出発する本作の口コミに期待を込めた。最後に水島監督は「今日ご覧になって頂いたのはゼロ号で、この後さらにブラッシュアップし今度皆さんにご覧頂けるやつは完成版の形になります。今以上に伝わるものになると思いますので、ぜひ楽しみにして下さい」と上映を益々期待させてくれる言葉で締め括った。