少年犯罪被害者支援弁護士ネットワークがシンポジウム『さまよう刃』映画を通して考える被害者支援の在り方
ミステリー小説の巨匠・東野圭吾による150万部突破の大ベストセラーであり、最大の問題作「さまよう刃」が、実力派キャストを迎え韓国クライム・サスペンスとして映画化!9月6日(土)より角川シネマ新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷にて公開を迎えます。
本作の公開に合せ、8月31日、少年犯罪被害者の遺族の立場と加害少年の問題を考えるシンポジウムを「少年犯罪被害支援弁護士ネットワーク」の協力のもと実施致しました。
作品の上映後のシンポジウムでは、少年犯罪で子どもを亡くした被害者遺族や少年犯罪を中心に扱う弁護士、元少年院長らが登壇し新たな被害者を生まないための体制づくりを求めて意見を交わしました。
少年犯罪の被害に遇った登壇者のうち、6年前に千葉県で「とにかくひき殺す人間を探していた」という当時19歳の少年が運転する軽トラックで24歳だった息子を殺害された澤田美代子さんは少年審判を傍聴した経験を語り、「少年はちっとも反省していなかった。刑事裁判では5年から10年の不定期懲役刑。少年は法廷で暴れているにも関わらずその結果だったので、本当にがっかりした。法廷で暴れるような者が社会に出てどういうことをするのか、裁判長や裁判官はどう考えたのか。そのような少年の裁判を『更正に期待する』といった通り一遍の言葉で裁判を終わらせた、ただそのことが悔しくてならない」と言葉を詰まらせながら語り、「少年事件が起きるたびに本当に憤りを感じている。加害者も被害者も出さないような社会をどうやって作っていくか、そのことをみなさんにももっと考えて頂きたい」と述べ、「被害者の家族は突然事件に巻き込まれ、例えようもない苦しみを味わう。そんな気持ちになる人を二度と出さない社会になってほしい」と心境を述べました。
シンポジウムの参加者からは、「法律を守るのは誰?また法律は誰を守ってくれるのか?私が映画の父の立場なら同じように逆上していたでしょう。でも父を殺人犯にしたくなかった。あまりにも悲しい。父を守る手立てはなかったのでしょうか?」「身を切る思いで話して下さった被害者遺族の方々に心から感謝します。この声をもっと広めていければと思言う」といった感想をたくさん頂きました。『さまよう刃』を通して被害者の生の声を聴き、被害者支援の在り方を考える貴重なシンポジウムとなりました。