———この映画ならではのおもしろポイントはありましたか?

犬山さん:誰かが言ったことを自分のものにして、更に酒の席だとほんとに自分のものだと勘違いして、めぐりめぐって自分のとこに来るかと(笑)あるなーって、めちゃくちゃおもしろいですよね。たぶん私もやってると思うんですよね。本で読んだ知識とかを、勝手に自分のものにして言ってたりとか。

犬山さん:映画にそんな詳しくない私が見ても、ホン・サンス監督の映画はめちゃくちゃおもしろいと思いました。軽薄な女子にも大丈夫(笑)。私も洞察力とか言われるんですけど、みんな観察してるし、洞察もしてるんですけど、それを表に出すかどうかの違いと思うんですよ。「みんな見てるなー」って思いますよ、人と話してると。みんな観察してます、洞察してますっていうと性格悪いって言われるので表に出さないんですけ、私はそれを表に出した(笑)

———ホン・サンス監督も、犬山さんのブログみたいに描き方が独特だと思うんですが?

犬山さん:あんな長回しよくできるなっていう。しかもほんとに自然な。みんなすごいリアルな演技をされるじゃないですか、そこにそのままいそうっていう。そこにチキン屋があった、そこにいそうっていう。隣で見てる感じがあって。 でも現場で実際お酒を飲んでるって言うのを聞いて、なるほどって思いました。お酒を仕事の前に一杯飲んでおくといいんですよね。今日も一杯だけ飲んで来たんですけど(笑)。一杯のむと自然な気取らない感じになるので。だから役者さんたちも全然気取ってない、そこにいる人たちになってましたね。酒ってやっぱりすごいなって思いました(笑)

———今日は男性の方もたくさんいますが、ソニに引っかからないためにはどうしたらいいですかね?

犬山さん:女性を神格化し過ぎないことですかね。体の関係がないと、より神格化しやすい傾向にあるんですよ。私の友達も、1回キスをしただけの関係の男性と別れて、3年くらい男性に追いかけられたんですけど、会わなければ会わないだけ神格化が進み、最終的には君は「ブラジルの聖なる山だ、石だ」みたいなポエムが届いて(笑)。その時、その友達がヤッてないと、こうなるんだねってお酒飲んで笑ってたんですけども(笑)

———犬山さん、ご結婚されたということで本当におめでとうございます。彼氏がずっといないとおっしゃっていて、急にご結婚されて、なにか変化はありましたか。

犬山さん:彼氏が出来たのは1年2ヶ月前なんですけど、それもほんとにタイミングと運と、出会う、出会わないとはそういう所なので。 やっとそのタイミング来た、みたいなそんな感じですね。自分にとっていい人。他の人からしたら、何であんなとか、犬山なんかには勿体ないみたいな感じもあると思うんですけど、一番私が苦手とする分野を得意としてる方なので。というのは、私がほんとに性格が気が短くて、猛々しいんですよ、日本海の荒波のような(笑)。逆に彼は気が長くって、怒らないタイプなので、長くやっていくにはこういう人なのかなと思いました。付き合うっていうのは私からですね。向こうは若干最初、逃げてたんですけど、そのまま突っ走って。結婚もプロポーズがあったとかそういう風ではなくて、ただただ現実の中の延長線上で結婚があったというか、私が実家に帰るたびに「いつ結婚するんだ」と言われる、それを私がすごいストレスに感じる、それを彼氏に荒波のようにぶつける、彼氏はそれをストレスに思う(笑)。毎回こんな思いするんだったら結婚してしまった方が早いっていう。そんな感じでしたね。

———ぜひ旦那さんとも『ソニはご機嫌ななめ』見ていただきたいと思います。

犬山さん:実はさっき一緒に見て来ました。トークをするにあたってもう一度見直そうと思って。「神格化されてない女が描かれているから一緒に見よう」って。見てたら旦那のほうも、「わかるわかる。こういう女の子、いる。やっぱかわいいもん」って。旦那も音楽プロデューサーでクリエイティブな業界にいます(笑)。でも旦那がマジでソニのことかわいいって言うと、ちょっとイラっとしましたけど(笑)。なに、ダマされてんだよって(笑)。でも男性だけじゃなくて、女の子が見て、このヒロインしっくり来るっていう、その爽快感に満ちあふれてるので、ぜひ女の人にも見て欲しいですね。

【次回予告!】
8/30(土) 14:35「ソニはご機嫌ななめ」上映後(落語は16:15〜)
立川吉笑さん オリジナル落語 「落語家が観たホン・サンス!」