7月31日、難波のロフトプラスワン・ウエストにて「映画館女子ガールズトーク〜甘いものと映画は別腹です〜」が開催された。
関西の映画情報を発信するWEBサイト・キネプレの主催で、関西のミニシアターに勤務する女性スタッフが集結。映画に対する思いや日々の仕事、恋愛観などを語り合う初の試みとなった。

 参加者は下記5名の女性スタッフ。
【大阪】シネ・ヌーヴォ支配人・山崎紀子さん、シアターセブン運営統括リーダー・福住恵さん、シネマート心斎橋・横田陽子さん。
【京都】京都みなみ会館館長・吉田由利香さん
【兵庫】元町映画館支配人・林未来さん
司会:シネマコンシェルジュ・himeさん/サポート:キネプレ編集長・森田和幸さん

●人生を変えた映画とは?
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 シネ・ヌーヴォの山崎さんは、アンドレイ・タルコフスキーの『ノスタルジア』を挙げた。美術の道から映画に進むきっかけになった作品とのこと。
「初めて観た時は心震えましたね。油絵は凄く構図を考えて描いましたが、タルコフスキーの映画を観たら全てが100%で」
 『ノスタルジア』はシネ・ヌーヴォでロードショー公開した。
「ラストのトスカーナ地方の古い大聖堂の中で、タルコフスキーを彷彿とさせる主人公が故郷を思って死んでいくところで雪が舞うシーンが好きで好きで、上映中に毎日観ていました。この映画に出会って平面って本当大変やなあと思って(笑)」

「タルコフスキーは役者さんだけでなく火や水、風も自由自在に扱って、映画の神様みたいなシーンが次から次へと現れて至福の時なんです」
 その後支配人になった山崎さん。タルコフスキー映画祭を企画しヒットとなったという。
「忘れられない、今でも大好きな映画監督ですね」

 シネマート心斎橋の横田さんが挙げたのは『スターウォーズ』。小学生の頃、それまで子供向けの映画に連れて行ってくれた父親が初めて見せてくれた一般作でマーク・ハミルにはまったという。
「アメリカすげぇ!と(笑)。スピルバーグやルーカスの黄金期を体験して、中学時代が角川映画全盛期が来て。
今日はシネフィルの人もたくさん来られていると思うので、誰も知らない映画を紹介したかったんですけど(笑)。これがなかったらこの業界に入っていなかったかも」
と振り返った。

 人生の転換期に映画が関わっていたことがなかったという元町映画館の林さん。悩んだ末、出てきた好きな映画のタイトル、1本目は『8 1/2』。
「フェリーニ大好きです!」
8月で4周年を迎える元町映画館。【元町映画館4周年記念 若手スタッフが贈る、あの時代の傑作選!】にて8/16-22で上映予定となっている。

 2本目は矢崎仁司監督の『3月のライオン』。
「自分が若くて揺れていた時期で、その時の自分と深く関わっているような気がして、いつまでもずっと特別な存在。劇場公開するとなるとあちこち追いかけていきました」
 2012年に矢崎監督と映画24区ワークショップで製作した『1+1=11』が元町映画館で公開の運びとなり、併せて『3月のライオン』も上映、憧れの矢崎監督も来館した。
「プリントを返したくないと思いました(笑)」

 そして場内騒然となったのがシアターセブン・福住さんが挙げた『レイプゾンビと愉快な仲間たち』。友松直之監督の「レイプゾンビ1&2&3」大阪凱旋上映会の血まみれポスターだ。元町映画館林さんと同じく人生を変えた映画がない中でのチョイス。劇場へは成り行きでに入ったという福住さん。仕事を続けるの無理かもしれないと悩んだ時期があった。
「そんな時に、友松監督の上映会とダーティ工藤さんが同じ日にイベントがあって。『レイプゾンビ』の作品内容が共感できるかは別として(笑)。映像制作はそんなに儲かる仕事ではないけど、映画や表現に対して凄く熱意をもってやってらっしゃる方がいるということに心を打たれて。私もこの仕事もうちょっと頑張ってみようと思ったんです。これ以外にも、たくさんの表現者の方との出会いによってわたしの人生が変わっていったと思います」

 みなみ会館の吉田さんが挙げたのは寺山修司監督の『田園に死す』。高校1年の時に映画研究部に入った吉田さん。“これ絶対面白いから”と先輩に勧められて観て呆然としたという。
「言葉や映像が何を意味しているか分からなくて、“何、この胸糞悪い映画”と思ってトラウマに(笑)。目の裏に、川を流れてくる雛壇や白塗りの村人の顔がチラチラして。しばらくしてTSUTAYAで借りて来て、観てまた気持ち悪いと思って返してを繰り返して(笑)」
 気がつけば“こんな映画を撮りたい”と思う程惹かれていたという。
「映画の美術スタッフになりたいと思って映像学部に入りました。映画を志すきっかけになった作品です」

●【恋人に求める条件】
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 後半は、出た面に書かれた質問に必ず答えなくてはならないサイコロトークが繰り広げられた。
【恋人に求める条件】が当たったシネヌーヴォ・山崎さんは、
「ベタなんですけど優しくて、家事が出来ればいいかな」
 現実的な答えに会場が沸く。すかさずHimeさんが
「ダンナさんは?」
「努力してくれてますね」
「ちなみに映画全然観ない人はダメ?」
「その時点で私に興味がないんだろうなと思います(笑)」

 この質問、皆さんに振ってみると、シアターセブン・福住さんは
「よほど趣味が合うか、そうでなければほっといてくれよと思います。中途半端に意見言われてもね。フリーの私が言うのもなんですけど」
「だからフリーなんちゃう?(笑)」
「やかましいわ!(笑)」
 himeさんの突っ込みに関西女子らしく外さない福住さん。

 みなみ会館・吉田さんは、
「条件は、忙しくてもぶーぶー言って来うへん人がいい。なんで会えへんのと言われても仕事やし、みたいな(笑)」
と悩みを語れば、同じく元町映画館・林さんは
「私はあまり考えたことはないけど、私のことが好きであれば(笑)」と素直に返す。

 最後にシネマート心斎橋・横田さんが
「特にないです。男性だったら(笑)。 私、まあまあ歳いってるんで、下は大学生から上は後期高齢者まで(笑)」
と完璧にまとめ、会場は大爆笑に。

【2】に続く

(Report:デューイ松田)