新作の公開の度に日本を訪れ、今回で初来日から20回目の来日を数え、親日家としても知られるトム・クルーズ。
その最新作となるのが、桜坂洋氏の同名SF小説を映画化した『オール・ユー・ニード・イズ・キル』。今年1月には、「デスノート」で知られる小畑健氏によりコミック化の連載もスタートするなど、既に各方面から高い注目を集めている。クールジャパンのコンテンツが、今改めて世界で人気を博す中、ハリウッドが、そしてトム・クルーズが認めた新たな日本のコンテンツが世界に向けて発信される。

 会見場には、前人未到の3都市ループツアーを敢行したトム・クルーズを取材しようと、大勢のマスコミが集まり、本作品の記者会見が行われるのは世界でも日本のみということもあって開始前から会見場には異様な熱気が漂っていた。

会場にトム・クルーズと、ダグ・ライマン監督、アーウィン・ストフ プロデューサーが現れると、集まったマスコミからは割れんばかりの拍手が贈られ、スチールのシャッターが一斉にたかれた。6月26日に行われたジャパンプレミアでは1500人ものファンに一人ずつファンサービスをしたトム・クルーズ。総移動距離1368kmの強行軍にさぞお疲れかと思いきや、そこはさすがスーパースター。マスコミからの熱い質問に一つ一つ紳士に答えた。

続けざまに飛ぶマスコミからの質問に、トムが「今回の来日は特別でした。一生忘れることはないでしょう!」とコメントするなど、昨日の疲れを全く感じさせない白熱の60分間となった。本日のマスコミの数はTV20台、記者・スチール150名、マスコミ総勢300名。

■トム・クルーズ
昨日行われたループツアーは大変素晴らしく、一生忘れることのない経験となりました。改めて皆さんに感謝します。常日頃、ただのアクションだと意味がなく、私はいつも観客の皆さんを喜ばせるためにそれぞれの役作りをしています。今作ではパートナーとして日本の作家の方と組めて、とても良かったです。監督とアーウィンと私は、3年前にこの企画をスタートさせた時点からこの日を夢見て制作してきました。日本の皆様の為にこの作品を作りたかったのです。本作を日本のファンの皆様と共有できて非常に光栄に思います。
この作品はとてもチャレンジングで野心的な作品です。製作陣のもつ、技術、知識、芸術性の総てを出し切って作りました。皆がA++の力を出して完成した作品なのです。この場を借りて、本作の製作に関わった全ての人に改めて感謝の意を述べたいと思います。
またエミリー・ブラントにヒロインが決定した時は、これでいい作品が出来上がる!と確信しました。彼女の存在によってドラマに深みが出来、躍動感あるアクションシーンが出来上がりました。共演できて最高でした。女性からあんなにも撃たれることは今後ないだろうね(笑)。今回のループツアーは素晴らしい旅だった。昨日のことは本当に忘れられない。我々はすぐに日本を発つけれど、これは“さよなら”ではありません。またすぐに会いましょう!

■ダグ・ライマン監督
昨日日本の3都市を回ったのは、大変貴重な体験でもありました。3年前に始動しましたが、当初よりトムは日本を意識しており、どうすれば日本で受けるのか考えていました。そのため最終地点が日本ということに大変意味があると思います。桜坂さんの信頼の元、私たちは作品を作ることが出来ました。芸術とは全く異なる文化が混ざって作り出せるのだと改めて気づきました。小説にはあまり女性について深く描かれていたので、特に今回は2人のロマンスの視点から集中して描きたいと思っていました。「All You Need Is Kill」というタイトルもそうですし、さらに独創的で、ロマンスの部分がすごく気に入りました。その中でも特にリタという女性を気に入り、2人の恋愛面から見た姿を描きたいと思いました。28日(土)、29日(日)と先行上映が2回も実施するのでぜひ観てね(笑)。

■アーウィン・ストフ プロデューサー
日本原作ということもあり、日本で公開することを製作当初から待ち望んでいました。この映画を作ることはチャレンジでありましたが、トムのこの映画を作りたいという熱意が、この作品を完成させる大きな原動力となりました。この映画は自分のキャリアの中でも非常にワクワクした体験で、トムの自宅のリビングで3人で話している時に、トムが演じはじめた瞬間この作品はすごいものになると感心しました。