6 月 14 日より全国 72 館で公開し、中規模公開ながら好成績で絶賛公開中の熊切和嘉監督、浅野忠信・二階堂ふみ主演の『私の男』が、6 月 19 日(モスクワ現地時間)より開催中の
【第 36 回モスクワ国際映画祭コンペティション部門】へ正式出品され、公式上映と記者会見が行われました。
映画祭には、主演二人が別作品の撮影中のため参加できず、熊切和嘉監督お一人での参加となりました。

なお、本映画祭の授賞式は、モスクワ現地時間 6 月 28 日(土)18:00〜(日本時間6月 28 日(土)23:00〜)より行われます。
※賞を受賞した場合の記者会見は 6 月 30 日を予定しております。

第 36 回モスクワ国際映画祭コンペティション部門 『私の男』公式上映&記者会見
日程/モスクワ現地時間:6 月 21 日(土)(日本現地時間:6 月 21 日(土)
会場/Festival Centre Oktyabr 参加者/熊切和嘉監督

世界4大映画祭のモスクワ国際映画祭に日本から唯一出品されている『私の男』の公式上映と記者会見が 21 日に行われ、映画祭に出席した熊切和嘉監督が無事帰国。ロシアでの浅野忠信さんの人気なども手伝って、映画祭の観客が、『私の男』が上映される 1500 席もある Festival Centre Oktyabr という大きな会場に大挙し、観賞後には、「今まで観た日本映画の中で、最も生(なま)な感じがした」というド派手な衣装に身を包んだマダムや、「ブニュエルやベルトルッチの影響は?」と、かけよるシネフィルらしき若者など、好評のうちに終了した。

記者会見では、本作が父と娘の禁断の関係を描いていることから、宗教倫理の厳しいロシアの記者たちに「どんな家庭環境で育ったのか?どんな宗教教育を受けて育ったのか?」といった熊切監督本人のモラルに関しての質問が多く飛び交った。一方、フランス人ジャーナリストからは「監督は、豊かな映画言語を持っている。こんなに美しく残酷な愛の本質を描いた映画を他に知らない」と絶賛。「(モラルの問題だけに言及する方々に対して)彼らは映画の本質を見ていない」と熱狂的に支持してくれた記者もいた。各国の倫理観、宗教観の違いが物議を醸す記者会見となり、もともと「問題作をつくる」と挑んだ本作に対して、熊切監督も世界各国の記者たちとの熱い質疑応答に手応えを感じることができた。最後の取材では「今映画祭中、最も挑発的な映画だと思うが、それが吉と出るか凶と出るか?」といわれ、今回モスクワ国際映画祭で上映された作品の中でも、一番の問題作として注目されていることは間違いない。
モスクワ国際映画祭における各賞の発表は、日本時間 6 月 28 日(土)23:00〜の閉会式で発表される。