公開中の映画『ぼくたちの家族』ですが、6月7日(土)にトークショー第一弾として、池松壮亮さん、石井裕也監督のトークショーを行いました。

■日時 : 6月7日(土)  
■場所 : 新宿ピカデリー SCREEN6
■登壇 : 池松壮亮さん、石井裕也監督

雨にもかかわらず満席になった会場に、感動冷めやらぬ拍手の中、池松さんと石井監督が登壇しトークショーがスタート。
石井監督から「他の人とは何か違う、何かと闘っている感じがしていました。」と言われると、池松さんは「何と闘っているかは未だにわからないです、俳優に向いていると思ったこともないです。」と謙遜しながらも「芝居をしているときは何も考えていないと言いたいですけど、天才じゃないので、打算的にもなるし、左脳が動いている感じでもあります。感覚に任せている部分はすごくある。」と自身について分析。石井監督から会場へ「池松君の何がすごいって言える人いますか?」との問いかけにお客さんからは「存在!」という声が。それを受けて石井監督は納得しながら「すごくクールだけど目の奥がメラメラしていて、アップで撮影するとドキッとします。妻夫木さんは全身で表現する方だと思うんです。」と同じく出演している妻夫木さんの話に。池松さんが「妻夫木さんは今回僕を前に押し出してくれました。」と、撮影時の裏話を織り交ぜながらも妻夫木さんについて言及すると、石井監督は「妻夫木さんはずっと、今回は壮亮(池松さん)に勝たせたいと言っていた。俳優という職業はエゴイストで当たり前だけど、妻夫木さんは少し違う、それがすごいところです。」と魅力を語りました。また、石井監督は、「今回池松さんを輝かせるのは監督としての義務だったし、池松さんがすごく良かったと思ってもらえるはず」と言いつつも「もう一度、映画を観てみてください、実はこの映画ですごいのは妻夫木さんなんです。」と役者としての妻夫木さんの素晴らしさを改めて実感した様子。会場に「この映画何回観ましたかー?」と問いかけると会場からは「10回!」という声も。

石井監督から「今回の映画は、家族ものではあるけれど、それ以上の広がりがある映画だと思っています。家族に限定する話ではなく、若い世代の覚悟が試されている、問題を先送りにしてきて目を背けてきた社会全体の話でもあります。」と映画のテーマについて深く語ると、池松さんも「いまだにこの映画を説明する言葉は見つかっていないけど、言葉にできない映画を作ったことには満足しているし、映像で闘うなら言葉に負けたくないという想いもあります。」と映画への想いを吐露。石井監督は「池松さんも妻夫木さんも、映画に出演しました、ではなく、一緒に映画を作りました、と言ってくれる。一緒に闘ってくれていたんだなって思えて嬉しいです。」と本音をこぼしました。池松さんからは「石井さんが以前、家族と向き合うのは人と向き合うこと、人と向き合うことは社会と向き合うこと、と言っていたのを聞いてなるほどなぁ、と。また、映画よりも大切なことがあるから映画をやっている、って言葉が刺さっていて、今も大切にしています。」と石井監督から影響を受けた様子もうかがえました。

時折会場のお客さんへの問いかけや反応を楽しみながらも、お互いの才能を認めあっている様子が伝わるトークショーとなりました。