5月17日、東京都千代田区にある有楽町シネマ座にて映画『野のなななのか』の初日舞台挨拶が行われた。会場には品川徹、常盤貴子、村田雄浩、寺島咲、山崎紘菜、左時枝、安達祐実、宗方祐之製作委員長、大林宣彦監督の豪華キャストが登場した。
 大きな拍手と共に登壇したキャストらは、大林監督の進行のもと各々の本作品に対する気持ちを語った。
 今朝芦別から駆け付けたという宗方製作委員長は「実は私も映画に出演している。カメラは30分以上回し、監督に演技指導を受けたが、みなさんは10回ほど観てもわからないと思う」とコメントし客席の笑いを誘った。また、この映画を通じて多くの人が芦別町に足を運んでほしいと芦別に対する想いを伝えた。
 普段はお人好しな役柄を演じることが多い中で、今回『親戚から煙たがられる』役を演じたという村田は「監督とどんなキャラクターにしようかと話しながら、様々なことが付け加えられていった。役者はこのようなことに喜びを感じる」とコメントし、続けて「肩に雑巾を入れたり、額の真ん中にホクロを付けたりと特徴的なキャラクターに仕上がった」と満足気。これまでとは一風異なった村田の演技にも期待できそうだ。
 大林監督の作品に出演することが夢だったという安達。そんな彼女が最も衝撃的だったことは「全身緑色に塗られて、自分がグリーンバックになったこと」だという。「一生に一度の経験ができた」と会場を笑いに包んだ。それに対して大林監督も「芦別の大自然は背景ではなく自然が主役。だから安達にも緑色をまとってもらい、背景が主役だということを表現した」と付け加えた。
 常盤貴子はこの映画で変わったという。「この映画がみなさんの人生の花になることを願っている」とコメント。寺島、山崎、左も映画や芦別に抱く想いをそれぞれに伝えた。
 最後を締めくくったのは品川徹。常盤から「いつもネタバレをしてしまう」と注意をうけた品川だったが、大林監督との絶妙なコンビネーションで会場を沸かせた。
 村田が言っていたように、本作品は後期高齢者が撮った映画とは思えないほどパワフルに仕上がっている。大林監督の「観客席を埋めてくださったみなさんは応援団です。ありがとうございます」という言葉から始まり、終始彼のファシリテーションによって観客との一体感を産んだ30分間となった。

(Report:金子春乃)