早見あかり(元ももいろクローバー)の長編初主演、向井理共演、「NO MORE 映画泥棒」CMで知られる耶雲哉治長編初監督の映画『百瀬、こっちを向いて。』の初日舞台挨拶が5月10日、新宿ピカデリーにて開催された。会場には早見あかり(元ももいろクローバー)、竹内太郎、石橋杏奈、工藤阿須加、ひろみ、向井理、耶雲哉治監督が登壇した。

 初日を迎えた心境を尋ねられ、早見あかりは「作品をみなさんに届けられることが幸せ。」と答え、向井理は「初日は作り手側から観ていただく側へバトンタッチする特別な日なので上手くバトンをつなぎたい」と答えた。続いて早見は初主演作品を振り返ってみて思うことを尋ねられ、「初日が近づくにつれ、プレッシャーがのしかかってしまい、みなさんに届けられるのは嬉しいが、まだ渡したくないと思う気持ちもあった。映画を観た方にいろいろなことを感じ取って欲しい。そしてここにいるみなさんの力でこの映画を広めていただいて、沢山の人に触れて欲しい。みなさんのおかげでこのスタート地点に立てた。」と涙を流しながら、この作品への強い気持ちと周りへの感謝を述べていた。このような感極まる早見に向井は「ひとつひとつの作品が心の支えにおなり、これからの糧になるのでひとつひとつを大事にすればいろいろなことを乗り越えられる」と声援を送った。最後に耶雲監督は「思春期に誰でも経験する痛みがふんだんに詰まっているので、自分の経験と重ね合わせながら、あのころを愛おしく思いながら観て欲しい」と語った。

 『百瀬、こっちを向いて。』は「嘘」から始まる、恋愛物語。好きな人と一緒にいたいがためにつく「嘘」でどれほど自分が傷つくのか、どれほど他人を傷つけるのか。本作には、思春期に潜む危うさと残酷さが詰まっている。原作は「恋愛の持つ切なさ全てが込められた、みずみずしい恋愛小説」と評されベストセラーとなった中田永一の同名小説だ。映画化するにあたり恋愛小説家としても活躍する狗飼恭子が脚本を務め、恋の芽生えとそれを育む過程で知る痛みのエピソードが綴られる「世代を越え、幅広い年齢層に響く物語」となった。
 
 

(Report:浜野真里)