映画『戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 史上最恐の劇場版』の公開を記念し、監督、キャストによる初日舞台挨拶が5月3日(土)、渋谷アップリンクにて開催された。

2014年5月3日(土)於:渋谷アップリンク 
ゲスト:白石晃士監督、大迫茂生、久保山智夏、小明

本作は、2012年からオリジナルビデオとしてリリースされてきた『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』シリーズの劇場版。口裂け女や河童、トイレの花子さんなど、日本全国の都市伝説や怪奇現象を、映像制作会社のディレクター工藤、AD市川、カメラマン田代の3人が取材・調査するというフェイク・ドキュメンタリーだ。劇場版では、四谷怪談の作者、鶴屋南北が幼少期を過ごしたという噂があり、また足を踏み入れたもの全員が発狂するという曰くつきの“タタリ村”を調査しに行くという内容。

本シリーズはフェイク・ドキュメンタリーという手法をとりながらも、時空を超えたり異世界と繋がったりと、その枠を大きく飛び越えブッ飛んだ世界観がホラーファンの間で話題となっていた。そして4月にシリーズ過去作を一挙放送した「ニコニコ生放送」では、累計30万人以上が来場(視聴)、50万件以上のコメントが書き込まれるなど盛り上がりを見せ、劇場版への期待が高まる中での初日となった。

この日、昼までには3回の上映全てのチケットが完売となり、中には宮城県から来た人や、当日券を買うために朝6時前から並んでいたというファンもおり、会場はすでに熱気に包まれていた。

舞台挨拶には監督の白石晃士、主演の大迫茂生、久保山智夏、本人役でゲスト出演した小明が登場し、撮影時の苦労や裏話を語った。ストーリーの大部分が山中で展開される本作の撮影は特に女性キャストには過酷だったようで、撮影場所まで毎日40分ほど山登りをしなければならかったり、トイレが大変だったりと苦労が多かったそう。本人役でゲスト出演した小明は、レギュラー陣のあまりに自然な演技をアドリブだと思い込み(実際はほぼ台本通り)、自身もアドリブを利かして演じたそう。その演技は、「台本には書かれていない刺々しさがあって良かった(笑)」と監督から絶賛されていた。また、劇場版の見どころを聞かれると、本作のコピー「全・員・発・狂」の通り、「出てくるキャラクター全員が色々な発狂の仕方をするので、そこを見て欲しい」とアピールした。そして次回作について触れた監督は、「シリーズは存続するが、次にどうつなげるのかは一切未定」だと言い、次回作のアイデアをツイッターで募集する場面も。終始笑いに包まれた舞台挨拶は、最後に劇中で工藤ディレクターが発する決め台詞「運命に逆らえってな!」を監督、キャスト、観客全員で大合唱。会場のテンションは最高潮となった。

『戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 史上最恐の劇場版』は、渋谷アップリンクを皮切りに、シネ・リーブル梅田(5月17日)、シネマスコーレ(6月14日)ほか全国順次公開。