今年で23回目となる日本映画批評家大賞の授賞式が、シャングリ・ラホテル東京で本日開催され、主演男優賞の松田龍平(「舟を編む」)や、主演女優賞の麻生久美子(「ばしゃ馬さんとビックマウス」)のほか、加賀まりこ、吉行和子、ミッキー・カーチス、有馬稲子という大御所も登壇する、大変華やかな授賞式となりました。

日時:2014年4月28日(月)
場所:シャングリ・ラホテル東京
登壇ゲスト:松田龍平、麻生久美子、リリー・フランキー、伊藤蘭、大原櫻子、星野源、加賀まりこ、吉行和子、ミッキー・カーチス、有馬稲子ほか

 主演男優賞の松田龍平さんは、「素晴らしい監督やスタッフ、キャストに囲まれ、影響を受けました。今回受賞させて頂き、次の作品に向けて背中を押してもらっているんだなと感じます。日々、邁進して行きたいです。」と受賞の喜びを語りました。

 また、主演女優賞の麻生久美子さんは、「素晴らしい、あたたかい賞をありがとうございます。まさか頂けるとは思っていなかったので、ビックリしつつもとても嬉しいです。撮影中はプレシャーと戦う日々でしたが、監督の『夢が叶わない人の話を、叶ったボクたちが作るんだから刺し違えるつもりで挑もう』という言葉に襟を正され、その後の撮影は楽しく幸せな時間でもありました。」と、その苦労を語りました。その吉田監督も見事、監督賞を受賞し、「昨年は面白い作品がいっぱいあったので、本当にボクでいいのかと思います。でも、ガッツリもらっておきます!」とコメントしました。

 助演男優賞のリリー・フランキーさんは、「5年前にこの批評家大賞の新人賞を45歳で頂きました。批評家の方々、口うるさく屈折した方々に認められたおかげで映画に呼んでもらえるようになりました。あの時、新人賞に選んで良かったと思ってもらえたら恩返しになります。(『凶悪』で共演した)ピエール瀧ではなく、私に賞を頂き、ありがとうございました。」との受賞コメントに、会場は笑いで包まれました。

 『少年H』で助演男優賞を受賞した伊藤蘭さんは、「日本の歴史の一部を描いた意義のある作品で、魅力的な母親役を演じられただけでも十分なのに、映画を熟知している皆様に選んで頂き、嬉しいです。喜びをかみしめつつ、精進していきたいです。」とコメント。

 さらに、ゴールデン・グローリー賞を受賞した面々からは、その大御所ならではのコメントに、会場は笑いの渦に。加賀まりこさんは、「この前も田中絹代賞を頂いたばかりで、さらにこの賞まで頂いて、もう死期が近いのかなぁとか、死んでもいいのかなぁと。あとは、これからも作品のお役に立ちたいと思うだけです。」と。ミッキー・カーチスさんは「こうやってここにいられるのも、去年胸に入れたペースメーカーのおかげです。これからもオファーを待ってます。死ぬまで生きるつもりです」と。吉行和子さんは「高齢社会で面白い役を頂き、感謝しています。ますます元気にやっていきたいです。」と。ダイヤモンド大賞を受賞した有馬さんは、「今まで映画70本、舞台200本に出演してきました。水野先生のシベリア超特急に参加出来なかったことが何より残念です。」と、この批評家賞を立ち上げた水野晴郎さんにかけたコメントで会場を沸かせました。

作品賞:アスミックエース「舟を編む」
監督賞:吉田恵輔(「ばしゃ馬さんとビックマウス」)
主演男優賞:田龍平(「舟を編む」)
主演女優賞:麻生久美子(「ばしゃ馬さんとビックマウス」)
助演男優賞:リリー・フランキー(「凶悪」「そして父になる」)
助演女優賞:伊藤蘭(「少年H」)
新人賞: (小森和子賞) 黒木華(「草原の椅子」)
     (小森和子賞) 大原櫻子(「カノジョは嘘を愛しすぎてる」)
     (南俊子賞) 星野源(「箱入り息子の恋」)
新人監督賞:中野量太(「チチを撮りに」) 
新人監督賞:白石和彌(「凶悪」)
ゴールデン・グローリー賞(水野晴郎賞):加賀まりこ
            (水野晴郎賞):吉行和子
            (水野晴郎賞):ミッキー・カーチス
ダイヤモンド大賞    (淀川長治賞):有馬稲子
ドキュメンタリー監督賞:アルタミラピクチャーズ「オース!バタヤン」
編集賞(浦岡敬一賞):井上秀明(「青木ケ原」)

<アニメーション部門>
作品賞:「かぐや姫の物語」
   :スタジオジブリ 西村プロデューサー
監督賞:高畑勲(「かぐや姫の物語」)
功労賞:小島俊彦(「かぐや姫の物語」 他多数)
   :伊藤克己(「キタキツネ物語」 他多数)