「惡の華」の人気漫画家・押見修造氏の初期傑作を『アフロ田中』『自分の事ばかりで情けなくなるよ』等の若手監督・松居大悟がまさかの実写化、毛のない男の子と毛深い女の子の青春剃毛映画『スイートプールサイド』が、松竹メディア事業部配給にて6月14日(土)より全国公開となります。

この度、12万人以上が来場したニコニコ動画最大イベント「ニコニコ超会議3」に初出展した松竹×松竹芸能ブースにて、4月26日(土)に本作のトークイベントを行いました。

原作者の押見修造氏、松居大悟監督、教師役で出演されたTKO木下隆行さんにご登壇いただき、本作の見どころや誰もが一度は直面する「毛」の悩みをテーマに、熱く語っていただきました。

4月26日(土)ニコニコ超会議3にて トークイベント開催!
青春剃毛映画「スイートプールサイド」企画〜剃毛したあそこから溢れだす“アレ”について〜

日程:4月26日(土)14:30〜15:30
場所:幕張メッセ国際展示場「ニコニコ超会議3」松竹×松竹芸能ブース
登壇者:押見修造(原作)、松居大悟(監督)、TKO木下隆行(出演/高倉先生役)、スクール水着女子2名
MC:コーヒールンバ平岡

来場者がのべ12万人を超えた「ニコニコ超会議3」。
初出展となった松竹×松竹芸能ブースも『スイートプールサイド』イベントの時間になると、周りのブースの熱気に負けず、若い男女がたくさん詰めかけた。

会場のお客さんから温かい拍手で迎えられ、原作者の押見修造先生、松居大悟監督、須賀健太演じる主人公・太田の担任教師・高倉先生役で本作に出演したTKO木下隆行さんが登壇し、さらに本作にエキストラ出演した女子2人が映画の中でも着用したスクール水着姿で登場!
イベント開始早々、会場の興奮度はMAXに達した。

元々原作ファンだったという松居監督は「毛のことなど、思春期の頃の悩みは、その当時は世界の終わりだなという位、自分にとっては壮絶な問題だった。
小さな問題かもしれないけど、戦争とか大きな問題を描くよりも、そういうテーマを描く方が救われるなと思ったんです。
人によってはすごく切実で、大きな問題だったりする」と本作を映画化した理由を熱く語った。
その横で、押見先生がうなずきながら「まさに最初から最後まで“切実”に尽きる」と本作を観た感想を言い表した。

主人公の担任教師・高倉先生役として出演している木下さんは、自身の役について「こういう、いじられる先生おるな」と語り「現場は本当に学校のような空気で楽しかった」と撮影を振り返った。

そもそも「なぜ“毛”に着目したのか」という話題に原作者の押見先生は、「毛って、恥ずかしさがつきまとっているんですよね。性的なものとも言い切れない、髪の毛みたいに体に必要なものでもある。けれども人に言いたくないものみたいな、うまく内面とつながってるものだと思う」と誕生秘話を明かした。

本作の主人公のような毛のコンプレックスは共感するところも多いようで、松居監督が「天然パーマが嫌だった。ストレートパーマをかけてもあまり効果がなくて、戻そうと思ってアフロにしたらさらに酷くなった」と明かすと、木下さんは「20代後半から毛が薄くなりまして、それが嫌で一時ずっと帽子をかぶっていました。
それを見たよゐこの有野さんに“帽子とったほうがおもろいで”と言われて、“そうだ俺、おもろい仕事してんねんや”と思って坊主にしたんです」と告白。
さらに「相方の木本は小5であそこの毛がボーボーで、小6の修学旅行で風呂に入るときに恥ずかしくて全部剃ったらしいんです。そしたら自分以外みんな生えてたって」と、相方のエピソードも暴露し笑いを誘った。

毛についての話題は尽きず、木下さんは本作でいちばん印象に残っているのが「毛を食べるシーン」で、しかも「好きな子の髪の毛を食べたことがある」と衝撃告白。
「だから、このシーンめっちゃ共感できたんです!(毛を食べる)経験がない人も、この延長上に自分がおるなってわかります。必見です!」とアピールした。

毛以外のフェチについて問われると、押見先生は「ほっぺですね。松たか子さんみたいなちょっと張ってる感じが。それを後ろから見るのが好きです。漫画もそこを描くのが気持ちいいです」と答え、ポスターにそのイラストを描いて説明した。
「唇のシワを描くのも好きですね」とも付け加え、漫画家としてのこだわりを見せた。

トークは男性3人ということもあり下ネタへと脱線もしながらもヒートアップし、今回のトークテーマでもあった公式サイトの押見先生コメント「この映画からは“アレ”があふれ出していると思います」の“アレ”に言及されると、「思春期とか、コンプレックスとか名前をつけると、それ以外の部分がこぼれ落ちてしまうと思うんですよね。
僕はこんなコンプレックスがありますと話しても、本当はそこにいろんなものがくっついているじゃないですか。
コンプレックスと言えない変なディテールとか、微妙なニュアンスとか、その部分に名前をつけないまま呼ぶとしたら“アレ”なんです!」と押見先生の至言で一同納得。

最後には「あまり先入観を持たずに観ていただくと、とんでもないところに連れて行ってくれる映画だと思います。ものすごくドキドキしていたたまれなくなって、途中で目を閉じたくなるんですが、見終わると名前のつけられない変な感情がわき上がってきて、すごい経験ができると思います!」と押見先生。
「見終わったあと黙ったまま、昔を思い出してたばこを2本吸いました。
懐かしく切なく、楽しい映画です」と木下さん。
「観たあと、こういう感じでおもしろかったとか言語化する必要はないし、それぞれ感じるものは違うと思う。
きっと生まれてくるものは“アレ”で、何かを感じていただけると思うので、ぜひ観に来てください」
と松居監督。
3人それぞれ映画の見どころをきちんとPRし、イベントは大盛況のうちに締めくくられた。