5月24日(土)に公開いたします、映画「ぼくたちの家族」ですが、この度、本作の公開に先駆けて豪華キャスト陣が集結したプレミア試写会を実施いたしました。主演の妻夫木聡さんを始め、石井裕也監督や原作者の早見和真さんも集まった舞台挨拶では、現場のエピソードや映画に込めた熱い想いを語りました。

日時:4月22日 18:30  場所:ユナイテッドシネマ豊洲
登壇者:妻夫木聡、原田美枝子、池松壮亮、長塚京三、黒川芽以、石井裕也監督、早見和真(原作者)

●質疑応答
Q:実話が元になっている小説ですが、映画にしようと思ったきっかけは?
石井監督:実は20代最後に撮った映画になるんですけど、自分自身が“家族”というものに改めて向き合わないといけないな、と実感した作品なんです。早見さん渾身の一作でもあると思うので、その熱量に負けないように作りました。

Q:キャスティングについてお聞かせください。
石井監督:最初からお芝居ありきの作品になると思っていたので、ただ達者なだけではなくて、それぞれが本当の家族になれるような人がいいと思って厳選しました。特に妻夫木さんは前から好きな俳優さんで。悩んでいるというか、そういう表情が色っぽくてかっこいいなと思っています。この役にぴったりですよ。

Q:今日はそんな家族が勢揃いしていますが、いかがですか?
長塚さん:これはめずらしいんだけど、毎日が楽しいと思える現場でした(笑)。息子二人や原田さんのお芝居をみて、勉強にもなりましたね。原田さんとの夫婦役はこれまでにも何度かやらせていただきましたが、今回が最高!!

原田さん:病気になってしまう役だったから、やりすぎるといけないとは思っていました…でも、そのバランスを監督がきちんと見てくださっていたと思います。それに、本当に息子二人がかっこいいの!それぞれ立場が違うから考え方も様々で、でもいつもお母さんのことを想ってくれる。特に池松君なんかは、ふざけて腕を絡めたりすると、嫌がっちゃって。本当の息子みたいでかわいかった(笑)。

黒川さん:私は皆さんと違って妻夫木さん演じる浩介のお嫁さん役なので、一歩下がってこの四人家族をみていました。でも、私のセリフ、劇中でかなり効いていると思いますよ(笑)。消費税もあがっちゃいましたし、世の奥様方のリアルな声を反映しているはずです。

妻夫木さん:本当に鬼嫁でしたね(笑)。しばらく結婚はいいかも…。とはいえ、ずっと一緒に仕事をしたいと思っていた石井監督と仕事ができたのは僕にとってとても嬉しかったですし、池松さんとも、本当に共演したいと思っていた俳優さんだったので、念願叶って幸せです。

池松さん:実は、昔は妻夫木さんに似ているといわれていたんです。怒らないでくださいね(笑)。やっと、一緒にお芝居をやることができて、本当に嬉しいと思っていました。この映画の妻夫木さんはかっこいいですよ!

石井監督:現場では男三人だけだと本当に話さないんですよね。そこに原田さんというお母さんが入ることによって、場が明るくなる。家族ってお母さんいないとなー、というそのリアルな感じを出していきたいと思っていました。

Q:ご自身の小説が映画になっていかがですか?
早見さん:彼らと同じように、憂鬱になったり、嬉しくなったり、その気持ちを共有できる映画になったと思っています。原作者として、このチームに入れてもらえて光栄です。

Q:最後にメッセージをお願いします。
石井監督:とにかく、すごい!と思える映画を作った自負はあります。家族という形のないものに正面から向き合った映画になるので、この作品を観て、何かを感じてもらえる事ができるといいなと思います。

妻夫木さん:“家族”って答えがある訳じゃないし、人それぞれの形があると思うんです。僕らは今回、答えも形もないそのテーマに挑戦しました。今回の役所も考えると、実は相当しんどい現場でもあったんです。短期じゃなかったら死んでたかも(笑)。映画の中では、お母さんの余命というのが一つのきっかけで、彼らは“家族”に正面から向い合う事ができましたが、これから映画を観る人達にとって、この映画がそのきっかけの一つになればいいと思います。