シネマート六本木にて、映画「チョコレートドーナツ」(4月19日シネスイッチ銀座ほか全国公開)の公開に先立ち、映画コメンテーターLiLiCoさんをゲストにお迎えし一般試写会後、トークイベントを行いました。
本作は、母親の愛情を受けずに育った少年マルコと出会ったゲイのカップルであるルディとポールが、家族になるために法や社会と闘うストーリー。マスコミ関係者、映画ライター、評論家、そして一般試写会来場者からも高い評価を受けており、良質な作品が多いミニシアターのラインナップの中でも、「今年一番!」との呼び声があがっております。
主人公のルディ同様、シンガーを夢みていたというLiLiCoさん。登場人物のルディ扮するアラン・カミングの切なくも力強い歌声に感銘を受けたと絶賛。又、作品を観終えたばかりの観客に向けて、「職業柄、例え観終えたばかりの人たちを前にしてもオチは言わないようにしているんです。でもこの作品は、オチが分かってもそれを上回ってしまうくらい、良い映画なんですよね。」と熱く語った。
又、本作の主人公たちが運命的に出会ったように、LiLiCoさんの波乱万丈の人生において「人生をかえた出会い」等も交え、たっぷりとお話しいただきました。

<イベント内容>
鮮やかな赤いドレス姿でにこやかに登場したLiLiCoさん。

「年間500本近く映画を観るけれど、やっぱりタイトルって大切。『チョコレートドーナツ』というタイトルをみたときに、どんな映画なんだろう。と興味を持ちました。原題とは全く違うけれど、映画のもつかわいらしさや大切な部分を表現している!」 と、日々大量に売り込みのくる映画の中でも、印象に残ると語った。

又、映画のどの部分が良かったか、という質問には
「ひとことでは言えませんね…本当に全てが良かった。特に、ルディ役のアラン・カミングが歌う場面は切なくて。私が一貫して好きな映画は、人生に役立つヒントをくれる作品だけど、『チョコレートドーナツ』はまさにそんな映画。オチが分かっても、きっとそれを上回るくらいに良い映画ですよね?」と作品を観終えたばかりの観客に投げかけた。

また、母親から愛情を受けずに育った少年マルコを、ルディとポールが保護するという設定に触れ、
「スウェーデンで過ごした幼少期に、物語同様、同じアパートで両親から愛情を受けずに凄惨な生活をしていた友人を保護したことがありました。だから、この作品が実話をもとにしていると聞いても、納得できた。恵まれない子供は、声で訴えることが出来ない、表情や目で訴えます。だからこそ、この映画で描かれる“思いやり”の気持ちを持つことが今の日本には必要なんじゃないか。」と熱く語った。

映画で、登場人物3人が運命の出会いを果たしたように、LiLiCoさんも人生を変えるような“運命の出会い”があったか?という質問には
「16年前お付き合いしていた方ですかね。今と違って、肉食系じゃなかったころ(笑)
お互い若くて、毎日のように夢を語り合っていました。別れてしまってから、彼も私も夢を実現させて、今彼は映画の世界で本当に有名になっているんです!」と爆弾発言が飛び出した。
「お互い、長い下積み生活があったけど努力して、こうして夢が実現できた。そのころは運命とは思わなかったけど、一周して振り返ってみると運命だったのかもしれない。と思いますね。」と笑顔で答えた。

最後に、「97分間と短い作品ではあるけれども、そのなかに深いメッセージが多く詰まった映画。
本当に沢山の人に観てもらいたい作品です。口コミでロングランしてほしいです!悔しい涙、やさしい涙、いろんな涙を流せる映画。じっくりと余韻に浸って想いを巡らせてほしい。」と、語った。