2013年8月からケイズシネマ、11月に名古屋シネマテーク、大阪ヨーロッパ映画祭、伊参スタジオ映画祭、12月は函館港イルミナシオン映画祭、2014年1月11日から富山県フォルツァ総曲輪の公開で好評を博した西尾孔志監督『ソウル・フラワー・トレイン』が、満を持して1月18日より関西公開に突入した。

大阪で学校に通う娘を定年を期に九州から訪ねた父親が、謎のちゃきちゃきの関西っ娘・茜のおせっかい観光案内の下、ワンダーランド新世界をつれ回され、娘のもう一つの姿と向き合うことになる。
主演は平田満、真凜、咲世子、大和田健介、駿河太郎 他。

関西公開第一弾の劇場は十三の第七藝術劇場。初日は立ち見も出る満員御礼となり、翌1月19日も勢いは止まらない。

登壇したのは前田和紀プロデューサー、主演・咲世子さん、原作者のロビン西さん。昨日に引き続き満員となった客席の前に感激の面持ちで立った3人。

原作のマンガ『ソウル・フラワー・トレイン』を約20年前に描いたロビンさんは
「20年後にこう言った形で脚光を浴びることになり嬉しいです。当時はよく通天閣をマンガに描いてました。僕自身大阪への思いが強いんです。“大阪弁でドラマが真剣に作れるのか?”と言われて、出来ることを証明したくて大阪弁のマンガを描いていました」

マンガが好きな巴山将来プロデューサーが、前田プロデューサーと西尾監督に強く勧めたことでこの企画が立ち上がったという。オファーを受けたロビンさんは、
「3人のおっさんが急に“映画やります!”と言って来て、信用出来かねるような(笑)雰囲気でスタートしたんですが、見事な監督の手腕。映画を作る能力を持っていますよね。豊かな表現で原作以上のものを作ってしまった(笑)。もっと大きくなっていく映画だと思います」

土日が仕事で舞台挨拶に来ることが出来なかった西尾監督と、昨日の立ち見が出る盛況を報告し抱き合って喜びを分かち合ったという前田プロデューサーは、
「ロビン西さんの原作、キャストの皆さんが素晴らしいのはもちろん、たくさんの力が注がれて作った映画です。音楽も少年ナイフの皆さんや大阪にゆかりのあるアーティストが楽曲を提供してくれました。ロケ地や、協力してくれたお店を数えあげたらキリがないほど、大阪の方々の力によって支えられで作った低予算映画です。ご近所、親戚、隣の方に口コミで盛り上げて頂けたら。力を貸してください!」

咲世子さんは笑顔で
「普段は東京で仕事をしていますが、どんどん変わる大阪にビックリしています。この映画は新世界というディープなところで撮っています。大阪の魅力をもう一度感じて頂けたら。
やっぱり、いいですね、大阪(笑)。大阪が本当に好きなので、また皆さんの前に立てるように頑張ります!」と挨拶した。

最後にロビンさんは
「僕自身この映画の大ファンにもなっていて、観る度に涙腺が緩んだり、出ている皆さんも音楽も大好き。観れば観るほど愛情がわく。皆さんも何度でも観ていただけたら」
パンフレットにはロビン西さんの原作マンガ『ソウル・フラワー・トレイン』100ページがどんと掲載されている。
「原作と比べても面白いと思います。全然違うし、全く一緒とも言える内容になっていますので、ぜひパンフレットもよろしくお願いします」

舞台挨拶後、劇場入り口で3人から大入り袋が配られ、観客たちは笑顔で受け取っていた。
劇場前ではパンフレット購入者にロビンさんのサイン会も行われ大盛況となった。

昼間の上映で始まった『ソウル・フラワー・トレイン』。1月25日からはレイト上映となり、連日ゲストを迎えてのトークショーが開催される。
親と娘の愛情をユーモラスに描いたこの映画、多くの人から愛されるその訳を、ぜひ劇場で体感していただきたい。

【アフタートーク/司会:西尾孔志、安藤匡史】
1/25 上原三由樹(脚本)、石原貴洋(『大阪外道』監督)
1/26 牧瀬あかね(作家、ストリッパー)、小泉信一(朝日新聞編集委員)
1/27 ミルクマン斉藤(映画評論家)、hime(シネマコンシェルジュ)
1/28 楠見薫(出演)、春野恵子(浪曲師)
1/29 なおこ(少年ナイフ)、クスミヒデオ(赤犬)
1/30 島田角栄(『冴え冴えてなほ滑稽な月』監督)、小谷忠典(『100万回いきたねこ』監督)
1/31 益山貴司(劇団子供鉅人)、サリngROCK(突劇金魚)

(Report:デューイ松田)