近年、不安定の度を増している中東およびアフリカ諸国で邦人が被害に遭い、事件に巻き込まれるケースが増えてきています。
「ビジネスマンであれNGO職員であれ、危険地帯の現場に赴く者の安全を守るには、
その人自身が自らの命を守るスキルを持つことが必要な時代になってしまった」とは、ある英国リスク・マネジメント会社代表の言葉です。
本イベントでは、中東およびアフリカ諸国の危険や危機を想定し、そこで活動する日本企業や個人にむけて、
危機回避訓練を中心に、参加者同士の討議を通じて経験や疑問を共有し合う機会を創出したいと考え、
海外での安全管理意識を高めると共に、安全スキルと危機対応能力を身につける機会にしたいと思います。

■開催日程:2013年11月1日(金)
■主催:インデペンデント・プレス 
■後援:日本国外務省(申請中)  
■協賛:株式会社ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント  

【実施内容・時間】
<第一部>・・・9:00am〜11:00 横浜マリンタワーホールにて
①英国の民間警備会社最大手AEGIS社から人質解放交渉の専門家を1名、危機回避訓練を提供しているTYR  
Solutions社からインストラクターを1名を招聘し 講義(セミナー)を実施。

<第二部>・・・12:00〜14:00  客船:マリーンルージュ内(山下公園内停泊 氷川丸すぐ横)
① 人質や誘拐事件にフォーカスしての実地訓練。現在の中東・アフリカ諸国で起きうる事件を想定とした疑似シナリオに基づいて、
上記2名の人質・誘拐事件のエキスパートによる船上体感シミュレーション。参加様に体感していただく本格的訓練(HET)形式。
   
②2009年、ソマリア沖で海賊の襲撃を受けて人質となった米国貨物船(マースク・アラバマ号)のリチャード・フィリップス船長を招聘。
実際の体験談を、ご本人がレクチャーするシンポジウムを実施。
*リチャード・フィリップス・・・映画「キャプテン・フィリップス」のモデル。
著書「キャプテンの責務」が現在日本でも翻訳され、早川書房より発売中。

■登壇:リチャード・フィリップス船長
    (実際にソマリア海賊の人質となった経験を持ち、この度11/29全国公開される映画「キャプテン・フィリップス」 のモデ
    
    インデペンデント・プレスの後藤健二
    (「戦争・紛争」「難民」「貧困」「エイズ」「子どもの教育」の5つの人道分野にフォーカスし、世界各地を取材。
     近年では「取材者自らの口で直接伝えること」の大切さを提唱し、日本全国で講演会を行っている)

■対談形式:後藤様から質問→通訳→フィリップス船長から回答→通訳

後藤:ようこそいらっしゃいました。

船長:
今回このような重要なMTGにご招待いただきありがとうございます。
日本は安全かもしれませんが、今日の情報は非常に重要な情報なのではないでしょうか。
最悪な状況は想定しておいた方が方が良いので、危機的な状況の時に何をすべきか、
ここでみなさんと話をできることを光栄に思います。改めてありがとうございます。

後藤:
船長はトム・ハンクスと瓜二つですね!驚いています。

船長:
私の方がちょっと太っているけど俺の方がハンサムだってトムには言ったんだよ。(笑)

後藤:
船長のお仕事を教えていただきたいのですが、乗船した時にどのようなことをチェックなさるのでしょうか?

船長:
私が最初に船長として乗船した時から、必要な項目は全てチェックしています。
リーダーであれば数え切れない項目、1000以上はあります。
慎重に全ての項目をチェックしていきますが、その中でも重要なのはよく観察すること。
必ずダブルチェックします。時には1週間以上かかることもあります。
優先順位や状況に応じて項目を変更したりすることもありますが、残さずチェックすることが大事ですね。

後藤:
ソマリアでの事故が起こったあの日、いつもと違う様子はありましたか?

船長:
確かに映画のような展開だったかもしれません。
3/31に乗船したのですが、出発してから5万マイル地点で状況が変わった感じがしました。
その時からセキュリティに関して、手を打つことを考えました。
本来であれば閉めておくべきドアを閉めることや、
船内で最下層の人を一番高いセキュリティーの場所にもっていきたいと思いました。