『ロード・オブ・ザ・リング』３部作を手掛けアカデミー史上最１１部門受賞を果たした巨匠ピーター・ジャクソン監督が放つ新しい“冒険”の物語。世界中で１億人が読んだ、J.R.R.トールキンによる名作「ホビットの冒険」を完全映画化する全世界待望のスペクタクル・アクション・エンターテイメント『ホビット 竜に奪われた王国』が、２０１４年２月２８日（金）公開を迎える。

　　そして本作の公開に先駆け、本日１１月５日（火）午前７時（日本時間）より、ファン・イベントが世界各国同時に開催された。ロサンゼルス、ニューヨーク、ロンドン、ニュージーランドのウェリントンの４つ劇場それぞれに、ピーター・ジャクソン監督、オーランド・ブルーム他出演キャストらが登壇。米CNNの人気司会者アンダーソン・クーパーをMCに迎え、各会場を衛星回線で結び、登壇ゲストがファンからのQ&Aに応える他、世界初お披露目となる長尺のフッテージ映像がこのイベントで独占解禁されるというもの。その模様は、ベルギー、ドイツ、スペイン、メキシコ、フランス、イタリア、オーストラリア、カナダの劇場にライブビューイングされ、インターネット上でもライブストリーミングされ、前代未聞の世界規模のファン・イベント企画となった。

　　イベントは、次回作の撮影の為参加できなかったマーティン・フリーマンの映像から始まった。「この映画は僕にとっても冒険のようでした。ビルボが、ガンダルフが、ドワーフが、そしてホビットが、僕らをどんな冒険に連れて行ってくれるのか、皆さんに見てもらうのが楽しみで仕方ありません。今回は、レゴラスも登場しますし、新しいエルフも登場します。みなさんが、中つ国へ僕らと一緒に戻って来てくれることを願います」。
　　またファンからの質問コーナーでは、新たなエルフ、タウリエルを演じたエバンジェリン・リリーが、「ティンカーベルを参考にした」と語り、10年ぶりに作品に戻って来るオーランド・ブルームは「ニュージーランドに行って最初にしたことは、レゴラスの衣装がまだ入るかを試したことだった」などとエピソードを披露。ピーター・ジャクソンは、これだけキャラクターが増えてしまったことに関して「フィルムメーカーはキャラクターを通して物語を語りたいと思うものだから、物語を語る過程において、キャラクターが発展していくのはむしろ自然な流れだった」と説明した。

　　各劇場では、このイベントに早朝から並ぶファンの姿も。キャラクターの衣装を着た熱狂的なファンも目立っていた。しかし、この日最大の目玉は、劇場に来ていた人達だけに、なんと20分にも及ぶ最新の映像が紹介されたこと。「世界でこの映像を観るのはあなた達が初めてです。」とピーター・ジャクソンからメッセージが送られた。紹介された映像の中には、ビルボによる激しいアクション・シーンから、火を吹くドラゴンとの対面。また、捕まってしまったドワーフをビルボが助けに行くアドベンチャーと笑い満載のシーン。また、新エルフのキャラクターがよく表れているシーンなどがあった。展開が激しく、アクション、冒険、笑いが満載のかなり見応えたっぷりの作品となりそうだ。会場では、『ホビット思いがけない冒険』のエクステンデッド・エディションの映像も流れたほか、撮影現場の模様を撮影したピーター・ジャクソンのブログ映像も紹介されていた。
　
『ホビット 竜に奪われた王国』世界同時開催のファン・イベント概要
　
　　●日本時間：１１月５日（火）午前7時00分〜スタート
　　●イベント開催都市と登壇者：
　　ニューヨーク：リチャード・アーミティッジ、オーランド・ブルーム、アンダーソン・クーパー（司会）
　　ロサンゼルス：エバンジェリン・リリー
　　ロンドン：アンディ・サーキス、リー・ペイス、ルーク・エヴァンス
　　ウェリントン：ピーター・ジャクソン監督、ジェド・ブロフィー
　　●ライブビューイング開催都市：
　　ブリュッセル（ベルギー）、ハンブルク（ドイツ）、マドリード（スペイン）、メキシコシティ（メキシコ）、
　　パリ（フランス）、ローマ（イタリア）、シドニー（オーストラリア）、カナダ（トロント）、マイアミ（米フロリダ州）
　　●日本：映画「ホビット」公式facebook上にて、ライブストリーミングを実施

マーティン・フリーマン（ビルボ・バギンズ）からのメッセージ
　この映画は僕にとっても冒険のようでした。ビルボが、ガンダルフが、ドワーフが、そしてホビットが、僕らをどんな冒険に連れて行ってくれるのか、皆さんに見てもらうのが楽しみで仕方ありません。今回は、レゴラスも登場しますし、新しいエルフも登場します。みなさんが、中つ国へ僕らと一緒に戻って来てくれることを願います。ビルボを演じるのは僕にとっても挑戦であり、世界の各国でビルボに対するファンの熱狂を見るのは感動的です。だから、皆さん、今日は、この最高の究極の『ホビット』ファン・イベントを是非楽しんでください」。

ピーター・ジャクソン監督
Ｑ．前作に比べて今作はさらにキャラクターが増えていますが、それぞれのキャラクターをしっかりと描くのは難しかったのではないですか？
　それはないね。なぜなら、この映画にはより多くのキャラクターが存在しているとも言えるわけだからね。レゴラスが再びこの映画に登場することや、新しいキャラクター、タウリエルに対して疑問の声が上がっていたりするけど、でも根本的な理由というのは、小説を読んでいる時に、小説の中の声というのが、物語の語り手であり、その語り手が読む人にとって物語のガイドになってくれるわけで、小説の『ホビット』というのは、正にそういう作品だと思うんだ。つまりトールキンが、観察した物語を語ることによって、僕らをこの冒険へ連れて行ってくれる。だけど、フィルムメーカーというのは、そういう方法で映画を語りたいとは思っていないんだ。自分の声を通してではなくて、スクリーンに登場するキャラクターを通して物語を語りたいと思うものなんだ。だから、それは難しくはないんだよ。『ホビット』で、物語を発展させていく過程で、キャラクター達が、見ている人達を冒険に連れて行くべきだというのは明らかだし、だから映画を語る中で、それぞれのキャラクター達は自然に発展していったんだ。キャラクターを深く描くことはそれほど難しくないし、しかも、それを素晴らしい俳優達が演じてくれているわけだからね。それぞれのキャラクターをさらに印象に残るものにしてくれていると思うんだ

オーランド・ブルーム（レゴラス役）
Ｑ．レゴラスを10年ぶりに演じるになることになったわけですが、実際は60歳若い役ですよね。どんな気分でしたか？
　実はニュージーランドに行って最初にやったことは、レゴラスの衣装を着てみることだったんだ（笑）。まだ着られるのか知りたかったんだ（笑）。だけど、まじめな話、エルフにおける60年なんて、瞬きしたみたいな長さだからね。それに、僕はピーターが、レギー（レゴラス）を再びこの映画に登場させたいと思ってくれたことを本当に光栄に思っているんだ。またブロンドのカツラを付ける機会を与えられたことが本当に嬉しかったし。ただ、レゴラスは『ホビット』の小説には登場しないから少し心配ではあった。ファンの中には不満に思う人達が出て来ると思うからね。だけど、ピーターについて間違いないのは、トールキンの世界について彼が熟知しているということ。それから、彼はもちろん素晴らしい映画監督であるから、それぞれのキャラクターが光る瞬間を与えてくれるということ。だから、レギーはこの映画に戻ってきて、本当にヒーロー的な瞬間がしっかりとあったんだ。本当に撮影していて楽しかったよ。それで、質問に答えると、本当にその時間の経過というのは、ほとんど存在しないに等しいと思うんだよね

エバンジェリン・リリー（タウリエル役）
Ｑ．この役を演じるにあたり、トールキンの原作に出て来るキャラクターを参考にしたりはしましたか？
　トールキンのキャラクターを参考にすることはなかったわ。この役をやることになった時に、意識的にそうしなかったのは、私が大大大好きな『ロード・オブ・リング』の三部作を絶対に見直さないということだったの。というのも、それを見たらリヴ・タイラーや、ケイト・ブランシェットの演じた完璧と言えるような役を真似したくなってしまうでしょ。タウリエルの役作りをしている時にインスピレーションとなったのは、実はティカーベルだったの（笑）。ティンカーベルって小さくて、かわいいけど、でも、実はすごく強くて、激しい性格だと思うのよね。敵にしたくないタイプ。だから彼女が私の役作りにおけるインスピレーションだったの

アンディ・サーキス（ゴラム役）
Ｑ．ゴラムのどちらの性格を表現するのが一番難しいですか？
　すごく難しい質問だな。完全にゴラムになる前のシーンを演じるのはすごく難しかったかな。それから、“Riddle in the Dark”のシーンを撮影する時。そのシーンは10年前に演じたもので、ゴラムの両面を演じるのはどちらも難しいんだけど。今回は、マーティンが相手役だったことが素晴らしかったんだよね。なぜなら、彼は本当に最高の俳優だからね。それからそのシーンをピーターとやることの素晴らしいところは、それを長回しで演じることができたということで、ほとんど舞台をやっているような感じだったんだよね。だけど、どちらの性格を表現するのが難しいのかは分からないなあ。ごめんね