長崎を舞台に、グループホームで暮らす89歳の認知症の母親とのおかしくも切ない日常を描いた岡野雄一による同名のエッセイ漫画「ペコロスの母に会いに行く」が待望の映画化。この度、介護の日である11日に下記概要にて豪華キャスト登壇の特別試写会を実施しました。

  【映画「ペコロスの母に会いに行く」介護の日 特別試写会 舞台挨拶】
  ■日時 : 11月11日(月)13:00〜 ■場所 : スペースFS汐留
  ■登壇者 : 岩松了、赤木春恵、加瀬亮、森?東監督、一青窈(主題歌『霞道』担当)

11月11日寒い中、早くから大勢の方々が会場であるスペースFSに集まり13時よりイベントはスタート。まず息子ゆういち役を務めた岩松了が大きな拍手に迎えられながら登壇、認知症の母、みつえ役の89歳にして映画初主演を務めた赤木春恵が登壇すると拍手とともに大きな歓声もあがった。ゆういちの父さとる役の加瀬亮、森?監督も続いて登壇した。
観客の前に立ったキャスト陣がそれぞれ作品への思いを語った。
岩松「今日が介護の日ということは知らなかった。こんな日に上映会ができるのは嬉しいことだと思います。主演という紹介がありましたが、主演という意識は特になく、出来上がった作品を見ると真ん中にいるなっていう感じで、そうか主演だったのか!?という気持ちになりました笑」
赤木「私も同じ(主演であったのかという)気持ちで、脚本に忠実に認知症の役を演じました。介護は深く暗いイメージがありますが、映画をご覧頂いて明るく心の持ち方によってこういうこともユーモラスに見えるのだなと思えると思います。」
加瀬「介護の現場の映画でありますが、笑えるってことは希望があるということなんだなと思いました。」

主演ということに「違和感があったそうですね」とMCに突っ込まれた岩松は「違和感とは言ってないですよ笑」とタジタジな様子。役作りで意識したこと、思い出については「割と長い時間出てるということで、全く意識しないということはなかったですが、よくいう役作りということは考えたことはなかった。ただ撮影途中から岡野さんのことをもうちょっと知っておいたほうがいいかもしれないと思ったが、毎日カツラをつけては外すという生活でしたのでお話することもなく夏の撮影が終わってしまった。母親を介護するという岡野さんが行ったことを実際僕は経験したことがないし、母親に対する思いもあまり実感がなかったので演じる上で必要ではないかと思ったが、その分、赤木さんを親孝行しなきゃと思って演じました。」また、ハゲヅラに関しては、「頭(ハゲヅラ)を作るのに3時間かかるんですよ、朝6時から9時まで眠いのにただ座っているだけで頭をいじられて笑。絶対必要なシーンだったので諦めもついていた。赤木さんの印象は、ふわふわした和菓子のような方だった」と撮影時の赤木を思い出していた。本作に挑んだ赤木は「89歳になり、この映画で幕が降りるんじゃないかって思って、森?監督ということを聞き、是非やりたいと思いました。」と本作への熱い思いを語り、「89歳にして映画初主演でギネス級とも言われてますね」と監督が赤木の熱い思いに応えた。イベント後半には、スペシャルゲストとして主題歌「霞道(かすみじ)」を書下ろし、歌う一青窈が登壇。一青窈「信じられないくらい号泣しました。今ハンカチをお持ちでない方はトイレに行ってトイレットペーパーを用意して頂くといいかなと思います。本当に泣けます。岩松さんの頭がツルツルだったのが驚愕でした笑」と岩松をいじる場面もありキャスト&観客の前で生歌を初披露した。「素敵な歌を映画に添えられて嬉しい」と赤木が映画を回想しながら感想を述べ、会場内が優しい空気に包まれた。最後に岩松が「長崎出身ということもあり、そんな街で演じていることが不思議に思えた。映画をとにかく楽しんでください」と述べ、監督「私も長崎出身ですが、長崎県人らしくできたかなと。長崎についてもっと話したいが今は持ち合わせてないので次回お話しできればと思います。」と今後の意欲を語った。