日常にひそむ狂気と倒錯のエロチシズムをハードな映像で描き続け、『乱歩地獄・芋虫』(出演:浅野忠信、松田龍平、大森南朋)や『名前のない女たち』など、海外映画祭でも高い関心を集める佐藤寿保監督の最新作。脚本に自らの監督作でもピンク映画ベスト10第1位を受賞しているいまおかしんじ(『苦役列車』)、撮影に『トウキョウソナタ』、『わが母の記』の芦澤明子、照明に、園子温作品に数多く参加する御木茂則、音楽にNHK朝ドラ「あまちゃん」の大友良英を迎え、新たな恐怖映画が誕生した!!

いじめっ子と変態教師たちに反撃する姿を、『フィギュアなあなた』(’13)、『甘い鞭』(’13)と、石井隆監督作品に連続して出演した桜木梨奈(23)と、モデル・舞台女優として活動し、本作で劇場公開作品デビューした島村舞花(22)が、フルヌードで熱演!

また、柴内役にNTVドラマ「理想の息子」の浅田駿、いじめっ子のリーダー・彩役に、”本編123分中服を着ているシーンが18分30秒のみ”と話題になっている映画『愛の渦』の中村映里子、担任教師・西沢役に故・若松孝二監督作品の常連だった安部智凛、柴内らをいじめる変態教師役と瑞希の父親役に、それぞれ名バイプレイヤーの飯島大介と諏訪太朗、瑞希の母親役にカルト映画『鉄男』のヒロインとして有名な不二稿京が出演。

1月18日の新宿K’s Cinemaでの公開に先立ち、下記の通り、完成披露試写会で舞台挨拶が行われました。

11月5日(火)完成披露試写会舞台挨拶 @渋谷・アップリンク
登壇者:桜木梨奈、島村舞花、佐藤寿保監督

佐藤監督の「恐怖に包まれたこんな世の中、恐怖映画を見に来てくれてありがとうございます」という挨拶から始まり、会場からのあたたかいツッコミに言葉を返しながらの、笑いの絶えない舞台挨拶となりました。そして、構想10年という本作についての監督の想いに、会場中、割れんばかりの拍手となりました。

■オーディションでの佐藤監督の印象、オーディションでのエピソード

桜木「わりと表に感情を出さないような監督さんが多いと思うんですけど、佐藤監督はもうお会いしたその瞬間から熱気がむわっ!としていて『あっ、佐藤監督だったら何でも話せる!』と思った。なので、どうでも良い話も全部した。
もう愛情に満ちあふれていらっしゃる!(笑)
激しい、血みどろのシーン等いろんなシーンがあったけど、クールじゃなく監督がいつもホットに現場の雰囲気を作ってくれていた。役者陣もそれに応えようとがんばった。」

島村「監督自身がアプローチしてくれて、コミュニケーションをとりやすい雰囲気をつくってくれた。辛かったというよりは、楽しかった。エネルギッシュに進めてくれた。」

佐藤監督「(いつもエネルギッシュなんだけど)それに応えてくれた役者たちだった。桜木はカッターナイフとパンとジュースを用意してくれてたりとか、『私を選ばないで誰をえらぶのよ』みたいな熱気、オーラがあったので、他の人を全部見終わらないうちに、一目で瑞希役は決まってしまった。」

■ 役作りについて

桜木「初めて台本を読ませていただいた時に、瑞希はいじめに負けないで立ち向かう強い部分を持った女の子だと思った。
私も小中学校の時にいじめられた経験があった。瑞希みたいに強くなかったけど、この映画の桐絵ちゃんみたいにかばってくれる子もいて、なんとか中学時代は生きてこれた。本当は瑞希みたいな立ち向かえる人間になりたかったから、役の中でできた。100倍返しです(笑)
そして、世の中に抑圧されている人を奮い立たせるような、勇気を与えられるような、そんな映画であったらいいなという気持ちで、負けないぞと思って演じました。」

島村「確かにハードなシーンはあったけど、桐絵は天然でおとなしくておっちょこちょいな役柄。いろいろハプニングがあっていじめられてはいたけれど、決してハードな人生ではなく。ひかえめな女の子だし、ハードなというよりは、かわいらしい女子高生らしい桐絵を演じた。現場に入る前の普段の生活でも、家を出る時から服選びや切符買うときの仕草をゆっくりやってみるなど役作りに心がけていた。」

■構想10年だった本作について

佐藤監督「構想10年までの流れで、9.11で事件があったときに頭のここらへん(てっぺんを指して)に華魂のイメージみたいなのが浮かびあがっていた。3.11で福島原発事件が起こって、今やらなければいつやるんだという感じ。重いテーマ。
弱者というか抑圧された者…世界規模のことでいじめが蔓延していると。その縮図でもある”学校”でのいじめ問題にスポットを当ててみた。僕も業界のいじめられっこなので(笑)このままつ潰されないぞ!というそこらへんのところを心込めて作ってみました。
そして、オーディションで選んだ利発なこのお嬢さん2人をいかに美しく撮るか!愛と勇気と希望が湧く映画にするか!そういう映画です。」

司会「撮影をしていたのが1年前、衣装合わせをやっていて
やっと皆様にみていただけた。そろそろフォトセッションがありますので…」

佐藤監督「もう終わりなの?」

島村「早いですねー。もっといろいろ用意してたんですけどねー。」

佐藤監督「東京工芸大学の撮影協力がなかったら出来なかったと思います」

桜木・島村「ありがとうございます!!」