映画『人類資金』初日舞台挨拶、佐藤浩市、香取慎吾、森山未來、観月ありさ、岸部一徳、オダギリジョー、阪本順治監督、福井晴敏(原作)が登壇!(2/2)
<ユ・ジテさまよりお手紙>
『こんにちは。俳優のユ・ジテです。
まず、『人類資金』の公開を心よりお祝い申し上げます。
私は、数年前、偶然『KT』という映画を観て、阪本監督を知りました。
当時は、日本の監督が韓国の大統領を題材にした映画を撮ったことが
私の気を引きましたが、その後『闇の子供たち』を観て、個人的に
監督の作品世界に大いに興味を持つようになりました。
阪本監督は、様々な経験をされている方で、商業映画にしても
才気溢れる映画を撮っていらっしゃいましたが、社会や人権を取り扱う
真剣な映画でこそ輝く監督だと思います。
監督から『人類資金』の特別出演を提案された当初は、
まだシナリオもない段階でしたが、監督の強みが現れるすばらしい
映画になると信じて、喜んで出演を決めました。
映画を撮影している間は、役者を大事にする監督の思いを
垣間見ることができましたし、監督がスタッフに深く信頼されて
いることが分かりました。
また、椎井プロデューサーの映画全般に対する献身と愛情は心に
響きました。そして、厳しい環境の中で体当たりで臨んだ役者の方々や
一枚岩になって長らく苦楽をともにしたスタッフにも感動を受けました。
日本で皆様にお会いして、公開のお祝いとご挨拶を申し上げるべきでしたが、
諸事情で参加できなくなったことを、寛大な心で理解していただきたいです。
日本で『人類資金』が輝かしい成績を上げ、高い評価を得られることを
お祈りします。またお会いできることを楽しみにしております。
<ユ・ジテさまとの映画作りを振り返って>
●阪本順治監督
ユ・ジテさんは韓国の大スターです。10年くらい前に中野に住んでいたことが
あって、その頃に知り合いました。本来は主役を張るような俳優なんですが、
彼は俳優業以外にも、ルワンダにボランティアに行ったり、ミャンマーに学校
を作るのに尽力したりと、そういう活動もされている人なので、僕が作ろうと
している作品世界をきっと理解して、主役であっても脇役であっても快諾して
くれるんじゃないかな、ということで、脚本がないような状態でお話して、
その場で受けていただきました。
<今だから言える撮影中のとっておきエピソード>
●佐藤浩市さん
国連での森山くんのスピーチは、一役者としてみても、
これがあってよかったなと本当に思えるシーンでした。
個人的には…階段の上り下りが激しいところに意外と行ってるんですよ。
意外に大変だったんです。もう穴モグラみたいな生活でした(笑)
●香取慎吾さん
未來くんお話を聞いてから観る、ユ・ジテさんと未來くんの
アクションシーンがすごく好きです。
ユ・ジテさんは僕より全然大きくて、190cmくらいあるんですが、
軍隊で鍛えた体もあったりして…。アクションのシーンはある程度動きが
決まっていて、「抑えられて、つぎは跳ね除けて…」というのが
あるんですが、未來くんに聞いたところ、抑えられると
跳ね除けられなかった、と。死ぬかと思った、と。
●森山未來さん
アクションシーンって、普通はカット割で撮っていくんですが、
今回は監督の無茶振りで長回しで撮っているんですよ。
●観月ありささん
アクションシーンは本当に大変でした。ジテさんが190cm近くあるんですよ。
だから、監督は「じゃ、キックで」って言うんですけど、足が上がらないんです。
かなり高い位置にお顔があるので、回し蹴りとか、キックをするというのは
大変でした。ジテさんは本当にパンプアップされてすごい肉体なので、
蹴ったり殴ったりすると、こっちの手足が痛いんです。戦うシーンでは青アザを
作りながら、頑張りました。
みなさんも戦ってみてほしいな、と思います(笑)
●岸部一徳さん
完成した作品をみて、カーチェイスのところが、「こんなことをやって
みんな大丈夫かな」とドキドキしました。あれはどうやって
撮ってたのかな、と、そんなことを考えながら観ていましたね。
●オダギリジョーさん
僕は全部ロシアだったんですけど、遠くの方からユ・ジテさんを見てました。
それが唯一のユ・ジテさんとの絡みですね。
●香取慎吾さん
みんなユ・ジテさんが大好きなんです。つたない韓国語や英語で必死に
話そうとすると、日本語がベラベラなんですよ。
すごくうまいんです、日本語。何ヶ国語も話せるんですよね。
<世界四カ国で行われ、
総移動距離5,4593キロ(地球一周の1.36倍)に及んだロケ撮影について>
●佐藤浩市さま
マイル貯めりゃ良かった…!
すいません、締まらない締めにしてしまって。
ご覧になってわかるように、本当にみんなで頑張った映画です。
応援してやってください。よろしくお願いします。