本日10月19日、ヒューマントラストシネマ渋谷にて、この秋話題のサイコスリラー「アルカナ」が初日を迎えました。
本作で二役を見事に演じた主演の土屋太鳳、村上刑事役の中河内雅貴、そして三池イズムを受け継ぐ脅威の新人、山口義高監督が登壇しました。

《舞台挨拶》
10:30。映画『アルカナ』主演の土屋太鳳、中河内雅貴、山口義高監督が登場。

主演・土屋太鳳が先日の台風被害を受けた皆様へのお見舞いの言葉とともに、初日を迎えた感激の気持ちを述べた。「中河内さんと並ばせていただくのがおこがましいのですが、初日を迎えて本当に嬉しいです。本作の現場は愛情に溢れていてとても素敵な現場でした」。日頃は舞台を中心に活躍している中河内は「自分の映画史に伝説として書き込める作品に出会えて幸せです。舞台は瞬間のものなんですが、映画は残っていくものなので恐いです」とコメント。本作が初監督作品となる山口監督にとっては、記念すべき初日。「キャストが決まってから加速的に進んでいきましたが、3年ぐらいはかかっているので、本当に嬉しいです」と感激を述べた。

とてもアットホームだった現場についての質問に、当時大学受験と撮影が重なっていたという土屋は「とてもハードな日々でしたが、現場に戻るとみなさんが「おかえりなさい」と迎えてくれて、家のような暖かさでした」。一方、中河内は「僕は<書>を書くのが好きで、皆さんの台本に<書>を書いたりしていました」と意外な一面を披露した。

本作で2役を演じた土屋の演じ分けについては「2役の切り替えは素晴らしかった。その分お菓子の減りがすごかったよね」と会場を笑わせるコメントを述べた。

本作の軸となるテーマ「分身」にちなみ、土屋と中河内が自分の分身を披露する場面では、土屋がノートを持参。「ネタ帳と呼んでいるノートです。知っている言葉が少ないので、取材の時とか、日常のいろんなことをこのノートに書き留めています。もう1つの私の<脳>みたいなものです。「ごはんをよくかむ!」とか書いてます」とかわいいコメントを述べた。このノートは初代だそうで、まもなく2代目に突入するとのこと。
中河内は犬の写真を披露し、我が子と同じだとデレデレぶりを見せた。「5年前の今ぐらい、祖母の誕生日に広島に連れて行って育ててもらっているんですが、とても僕に似ているんです。人懐こくて、ちょっと自己中で、褒められると調子にのるところ(笑)。我が子みたいで、かわいくて仕方ないんです」。

そして原作者小手川ゆあから直筆のイラストもお披露目された。土屋、中河内ともに歓声をあげ、感激ひとしおの場面。自分たちへの贈り物だと思っていた中河内は、観客の方への抽選プレゼントだと聞き、落胆を隠せない様子をみせた。

そして本作が2014年4月ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭への出品決定のサプライズニュースが飛び出し「変わった作品が選ばれる映画祭なので、この作品の他とは違う部分が認められたことがとても嬉しいです」と山口監督が喜びのコメントを述べた。

最後に全員が映画の見所についてコメントした。
山口監督「細部にまでこだわって作った作品です。茨城県常総市の風景にもこだわりました。細かいところまで楽しんでいただけると嬉しいです」
中河内雅貴「村上刑事を通して、人を信じることに希望が見えてくる作品です。楽しんでください」
土屋太鳳は、感激のあまり(?)頭が真っ白になったとパニックを見せるも、最後にはしっかりと主演らしく「アルカナの世界で生きられたのは、演者さん、監督、スタッフの皆さん、関係者の皆さんのおかげです。エンドロールでその皆さんの存在を噛み締めてください」と素晴らしいコメントを残し、降壇した。