10月12日(土)、東京テアトル/オフィス北野配給にて公開となりました『キッズ・リターン 再会の時』。
本作は、1996年に公開され、今なお日本映画屈指の名作として多くの観客に愛され続けている映画『キッズ・リターン』の10年後の“シンジ”と“マサル”の運命の再会、そして彼らの<今>を描いた物語です。

12日(土)に初日を迎えた本作ですが、東京での初日舞台挨拶(平岡祐太、三浦貴大、倉科カナ、中尾明慶、清水浩監督
登壇)に続き、13日(日)、公開2日目の舞台挨拶が清水監督の故郷である京都久御山で行われました。
舞台挨拶の最後には、監督の同級生からのサプライズ花束贈呈があったりと、アットホームな舞台挨拶となりました。

『キッズ・リターン 再会の時』舞台挨拶 IN京都久御山 
【日時】10月13日(日)
【場所】イオンシネマ久御山(京都府久世郡久御山町森南大内156-1 イオン久御山店2F )   
【登壇者】清水浩監督

監督が会場に登場すると大きな拍手が贈られ、清水監督の表情も感無量といった様子でした。また作品に込めた思いや、キャストについて語っていただきました。

<トーク内容>
MC:監督はご出身が久御山ですよね。地元で上映となりました。

監督:そうです。ここから車で5分ぐらいのところです。

MC:北野武監督の『キッズ・リターン』に関わっておられたんですよね?

監督:17年前ですね。前作ではチーフ助監督を務めました。

MC:17年経ちいろいろ考えられたと思いますが、監督するにあたって一番最初に思われたことはどのようなことでしょうか?

監督:『キッズ・リターン』のその後の話ではありますが、前作をご覧になられていない方でも鑑賞できる、もう一つの『キッズ・リターン』にしようとリターンマッチをテーマにつくりました。

MC:キャストを一新されましたね。シンジ役の平岡裕太さんのボクシングシーンは驚くほど巧かったと思いました。

監督:クランクインが5月で、2月から3か月トレーニングしてもらいました。

MC:リアルなボクシングシーンでしたが、3か月であれだけできるんですか?
映画の中の対戦相手は、元プロボクサー、現役のプロボクサーもいましたし、世界チャンピオンもいましたので、平岡さんは本気で戦っていましたから、臨場感が出たのだと思います。

MC:ボクシング指導は特別なことをされたのでしょうか?

監督:ボクシングトレーナーは梅津正彦さんについてもらいました。北野監督の『キッズ・リターン』の時に初めてボクシング指導をされて、残念なんですが本作が遺作になりました。

MC:梅津さんは映画をご覧になられたのですか?

監督:編集の際にボクシングシーンは観てもらったのですが、残念ながら完成作品に観て頂けなかったのです・・・

MC:マサル役の三浦貴大さんはすごいサラブレッドの俳優さんですが、彼はいかがでしたか?

監督:彼本人はマサルと逆で温厚で好青年です。

MC:この作品は大人になっても感じるところがたくさんあったのですが、監督が映画に込められた思いは?

監督:僕らが若いときのように大人になる前にもがいたりするのは今も普遍的なんじゃないかと思うんです。そこからのリターンマッチを物語にしようと思って作りました。機をてらわずリアルな世界を作りたいと思いました。

MC:カナダのバンクーバー映画祭にも行かれましたよね?反応はいかがでしたか?

監督:ちょうど1週間ぐらい前に帰ってきました。どういう風に受け取られるかと分からなかったのですが、好意的に受け止めていただいて切ない映画だといわれました。

MC:国が違っても同じなんですね。

監督:そうですね。ボクシングシーンもぐっと見入って下さったようです。

MC:そのほかのキャスティングについてお伺いします。
平岡さん、三浦さんのほか、『チキン・ハート』で主演した池内博之さん、杉本哲太さん、中尾明慶さんなど本当にいい役者さんが揃いましたね。監督が決められるのですか?

監督:いえいえ。最終的には指名させていただきますが、キャスティングはプロデューサーとキャスティングディレクターにある程度お任せしているんです。池内さんもご多忙だったのですが出たいと言って下さいました。ユウジ役はオーディションだったのですが、中尾くんがオーディションにきてくれて。彼は絶対やりたいと言ってくれました。

MC:最後にご覧いただいたみなさんにメッセージをお願いします。

監督:ひとりでも多くの人にみてもらいたいので、周りのご友人、ご家族の方にお声掛けいただけたら嬉しいです。