ただ今台湾で制作中の映画『KANO』の台湾公開日が2014年2月27日に決定、これを記念して9月15日に台北市内でイベントを行いました。

主役は永瀬正敏、大沢たかおも特別出演!

「海角七号 君想う国境の南」「セデック・バレ」に続き、魏徳聖(ウェイ・ダーシェン)とプロデューサー黃志明(ホアン・ジーミン)がタッグを組み、果子電影の三作目となる「KANO」、この映画は1931年の日本統治時代に日本人・原住民・台湾人の三民族で構成された野球チーム、台湾の嘉義農林学校野球部が夏の甲子園で準優勝を果たした史実をもとに描いた作品だ。主役の永瀬正敏ほか、日本から大沢たかお、坂井真紀が出演していることでも話題になっている。

当日のイベント会場前では、手書きの映画の看板絵師による2×3メートルの看板のほかに、プリポスターも初公開となった。このポスターは投手の投球前のフォームで、ユニフォームには映画のタイトルでもある「KANO」、そして「勝ちたいと思うな、負けられないと思え」というキャッチコピーが書かれ、一勝もしたことのなかった嘉義農林が甲子園大会出場までに上り詰めたチーム魂が表されている。このコピーは、監督である馬志翔(マー・ジーシアン)が「以前野球をやっていた時、僕たちの監督がこの言葉を使っていて、ずうっと僕の心に残っていたものです。勝負は勝ち負けを超えたもの、この言葉は、決して諦めない気持ち、甲子園決戦へ向けた意気込み、まさに嘉義農林の気概。この映画にこめた真のスポーツ魂です」と力強く語った。

魏徳聖プロデューサーは「年明けの1月に完成する予定で、いま、順調にポストプロダクションが進んでいます。今年のWBCを通じて台湾野球はとても盛り上がりを見せています。台湾プロ野球は3月に開幕するので、このまま国民の気持ちの盛り上がりを一年間継続させ、プロ野球を最高潮まで引き上げたい思います。この映画は台湾野球の原点ともいえる物語なので、嘉義農林の不屈の精神を伝え、台湾野球ブームに再び火を付けたい。」と、台湾の連休でもある2月末というベストタイミングに公開日を決めたことを語った。

台湾全土のほとんどの映画館で数えきれない程の映画の看板を書いて50数年というこの絵師、簡さんは今年80才、既にリタイアして数年だが、魏徳聖監督作品が大好きということで、特別に今回のオファーを受けてくれた。絵師が4日間かけた書いた看板は、見事に「KANO」の世界観を描き出している。
プロデューサーの魏徳聖と馬監督は間近でこのきめ細やかに描かれた看板を観て感嘆。この唯一無二の手書き看板はこの日から台北の西門にある映画館に再び掲げられることになった。簡さんはこの看板だけでなく、KANOのプリポスターの手書きも手掛ける予定で、完成後は台湾全土の映画館で巡回展示する。台湾で間もなく失われる伝承、手描き看板の芸術をぜひご覧戴きたい。