本日、台風の中、早稲田大学・小野記念講堂にて『新・午前十時の映画祭』主催、早稲田大学が後援となり映画評論家町山智浩氏が語る「学生のための20世紀名作映画講座」が行われました。
  『午前十時の映画祭』から数えて今年が4回目となるこの映画祭も、まもなく200万人の動員を達する勢い。毎年少しずつ学生の動員も増えてきているとはいえ、やはり観客はシニア層を中心となっており、今後を担う映画ファンの育成を兼ねて今回のこの講座は企画され、当日は台風が近づいていたため中止も考えられていたが、約100名の学生で客席は埋め尽くされた。
  
  町山氏は、スティーブン・ジョブ氏のプレゼンテーションさながら、ヘッドセットマイクを付け、学生に質問をぶつけながら、講座の前に自身のツイッターで学生たちに見てくるように指示した課題作品『ローマの休日』『メリー・ポピンズ』『ロッキー』の映画のポイント、表のストーリーに
隠された裏のストーリー=サブテキストの存在などを解説。一見、子供向けの映画に見える『メリー・ポピンズ』が、実は親に向けて作られた作品であったことや、『ローマの休日』のアン王女が冒頭からエンディングまでどのようなストーリーで大人になっていったか、そこにはどんな時代背景があったかなどをポイントとなるキーワードを交えながら解説。学生たちも熱心にメモを取りながら聞き入っていた。

  「いまの作品は、ただ単に楽しむだけの娯楽映画と考えさせられる映画の2種類の映画があるが、20世紀の映画には1本でそのどちらも含んでいる作品が多い。苦い現実を砂糖衣で甘く描いた作品、一見甘く見えるけれど、見た後に心に残る作品、それが20世紀の名作だ!それは今見ておくと、年を取ってから効いてくるから是非今のうちに素晴らしい映画を見てください」と名作の素晴らしさで締めくくりました。

「新・午前十時の映画祭」概要
  2010年から始まった「午前十時の映画祭」。永遠の名作を大スクリーンで堪能できるとして幅広い年代に愛され続け、お陰様で通算動員数180万人。フィルムでの上映が厳しくなり存続が危ぶまれるも、根強いファンの熱望により、高品位のデジタル上映による「新・午前十時の映画祭 デジタルで甦る永遠の名作」として全国42劇場にて絶賛開催中!