中井：僕は男はやっぱりなかなか前に進めないんだなってことも改めて感じましたよ。女の子はどんどん進んでいくじゃないですか。

松崎A：ある女の子が言ってたんだけど、あのヒロインの自分でモテると分かってる感じがヤダって言ってました（笑）
そしてこれは花くまゆうさくさんが言ってたんだけど、「後悔の先にあるもの」をちゃんと描いているから、この映画は素晴らしいと。

大谷：残酷じゃないんですよねものすごくエネルギーに満ちてて。
松崎A：この時代があるからこそ今の自分があるというね。
中井：後悔が明日への活力に繋がっていくというのが面白いですね。

松崎B：この映画って目線がすごく大事。二人のなかで暗黙の了解を交わすなどのキャラクターの目線もあるし、先ほど監督自身がミシェル・チェンのことを好きだったという話もあるじゃないですか。昔から好きで、監督になった暁には出演してもらおうと決めていたそうですよ。ミシェル・チェンが決まって、それから男子たちのキャスティングはオーディションでミシェル・チェン自身の好みで決めさせたらしいですよ。だから実際のキャスト同士、スタッフ同士の複雑な想い、恋心のような目線もある訳です。それに監督の実体験もたくさん込められていて、いろんな人のいろんな想いが詰まっているから、すごく熱のある映画になっているんだと思います。

マキタ：「みんな！エスパーだよ」では入江監督は明らかに夏帆ちゃん好きでしたね（笑）キャスティングにおいてもマジックがかかってたんですね。

中井：・・・と話は尽きないんですが、そろそろお時間なので、最後に一言ずつお願いします。

大谷：初めて来たんですが、ナカメキノ、素晴らしいですね。以前は孤独と対峙するのがかっこいいと思ってたんですが、みんなで見るのも良いですよね。最近Twitterで募集して映画を観るということをやっています。つい先日六本木に集合して『ホワイトハウス・ダウン』を観ました。それに来てくれる人って、映画的な体験がただ単に好きなんですね。配給の人にもすごく喜ばれました。無駄なアクションでも、能動的に続けていたら、なんか良いことに繋がるじゃないかなと思ってます。ナカメキノ、素晴らしいチャレンジだと思います。また遊びに来たいです！

松崎B：この映画ってすごく低予算で創られていて、ほとんど監督の自費で制作されたそうです。だから衣装とか細かいところは嘘もある。でも僕ら物語に没頭して気付いていませんでしたよね。よく「あそこがリアリティがない」とか言う人もいるけれど、そこが重要じゃないんです。ディテールを気にしないで観た方が楽しいと思いますよ。

大谷：そうそう、僕も前は映画ってディテールを積み上げることが大事だと思ってたんですよ。でもそれよりも圧倒的なエネルギーでこっちがねじ伏せられた感じですね。今までみた映画と違う、この映画の力なんだなーと思います。

松崎A：2回目になると更に気にならなくなりますよ。去年『サニー〜』にハマって以来、こういう映画のときには待ち構えられるようになってきて、それで良かったのではと思ってます。映画を観た後に人と話しているうちに、あ、僕はこの映画がこんなに好きなんだなということに気付くんです。だからぜひ皆さんにも周りの人と話してほしいな。今日寝られなくなるかもしれないけれどｗ
で、できたらもう一度映画館で観てほしい。

マキタ：最初に閉じていた感性の蓋を開いちゃった話をしましたが、開いたら開いたで良いと思う。そしてこんな風に集団で観るということは、感性のリレーのきっかけになります。我慢することなく、開いたその気持ちのまま人に話したりして良いと思う。
最近甲子園見なくなったのは何でだろうと考えると、面白すぎて疲れてしまうから、ということが分かったんです。でも疲れていいだよね、興奮したり楽しんだり、それで全然いいんだよなーと気付いて、この間の甲子園は見ました。
今日のこの感性のリレーを、ぜひ繋げてください。

中井：こういう場を通じて、これだけ方々が集まってくださって、ゲストには一緒に映画を盛り上げようとしているWOWOWぷらすとチームが来てくれて。まだ知名度がないけれどこういう良い作品を紹介できることができて嬉しいなと思います。
そして今日はアサヒビール、アサヒ飲料さんがご来場のお客様のためにドリンクを提供してくださいました。色んな方々が協力して下さって本当に嬉しいです。これからも続けていきたいので、そのためにもぜひこの映画を周りにどんどん広めてください。今日はありがとうございました！