8月29日、第70回ベネチア国際映画祭にてオリゾンティ部門に正式出品されている園子温監督作品『地獄でなぜ悪い』の公式上映が行われた。会場はベネチア映画祭のメイン会場であるsala Grande。本来ならばコンペ作品のみが上映される会場で、オリゾンティ部門の作品が上映されるのは、ベネチアの園監督作品への期待の表れでもある。
園子温監督、主演の國村隼、共演の長谷川博己、二階堂ふみ、神楽坂恵がレッドカーペットと公式上映に参加。
70周年記念の短編映画企画で世界の70人に選ばれた園監督は、映画祭に参加しているマスコミ、観客のファンが多く、サイン攻めで囲まれることも。また、本映画祭で3作品の出演作品が正式出品されている國村隼は、「ブラック・レイン」「キル・ビルVol.1」など海外の人気監督の映画にも出演しており、随所で「ジュンー!ジュンー!」と声をかけられた。公式上映は1032人のsalaGrandeが満席。会場に入った監督やキャストを盛大な拍手で迎え、上映が始まった。

35mmフィルム、深作欣二、ブルース・リー・・・映画にまつわる様々なオマージュが隠された本作にベネチアの映画ファンが熱狂!!

上映中、場内は、爆笑に次ぐ爆笑!約120分間、笑いが絶えない、国際映画祭ではほんとうに珍しい上映に。
上映後のスタンディングオベーションはとても温かい雰囲気に包まれ、約8分間続いた。
SONO!のコールや、映画の中の自主映画撮影集団の名前であるファックボンバーズを叫ぶ人々、映画のオープニングを飾る曲の「全力歯ぎしりレッツゴー」をハミングするイタリア人など・・・。
「よくぞ撮ってくれた!」という雰囲気で、拍手は鳴り止まず、キャスト、監督とも、延々と続く拍手に、満面の笑みと感謝の気持ちを表し応えた。園監督の痛快バイオレンスコメディに大爆笑の後、感動で涙される方も。
目の肥えたベネチアの映画ファンに充分応えた結果になった!
さらに、28日の夜に行われたプレススクリーニングでは100人を越える多勢のマスコミが詰めかけ、上映後にプレス試写では異例の、かつ登壇キャストが誰もいない状態にも関わらずスタンディングオベーションによる喝采で評価された。

日本で、賞を狙える部門に出品されている作品は、『風立ちぬ』と『地獄でなぜ悪い』の2作品のみ。
このベネチアの大反響に、賞に一歩近づいた!?