シアター・イメージフォーラムにて大ヒット上映中のファティ・アキン監督最新作『トラブゾン狂騒曲〜小さな村の大きなゴミ騒動〜』の公開を記念いたしまして、8月18日(日)に、「渋谷でAction!ゴミ拾い」イベントを開催致しました。

トルコのゴミ処理場問題をテーマにした本作。この映画をきっかけに、改めて日本のゴミ問題について考えるきっかけになるようにと、イベントを企画しました。
映画上映後、ゴミ拾いのNPO団体「green bird」代表・横尾俊成さんと、持続可能な社会を目指す環境広告会社「サステナ」代表・マエキタミヤコさんをお招きしてトークショーを行いました。

さらに、トーク後はお客さまと一緒に渋谷のゴミ拾いを体験。都内でゴミ拾いをしているボランティア団体「Reflection Project」の全面協力のもと、劇場周辺のゴミ拾いを実施しました。

映画を観て、トークを聞いて、実際にゴミを拾って、多方面から自分たちの身近な“ゴミ”について皆で一緒に考えるというユニークなイベントを行いました。

トーク登壇者
横尾俊成さん(green bird代表)
9.11をきっかけに、自ら学生団体を立ち上げたり、ユネスコなどのNPO・NPOでインターンやボランティアをしたりするようになる。現在、港区議会議員、NPO法人グリーンバード代表。 http://www.greenbird.jp/

マエキタミヤコさん(サステナ 代表)
コピーライター、クリエイティブディレクターとして、97年より、NGOの広告に取り組み、02年にソーシャルクリエイティブエージェンシー「サステナ」を設立。「エココロ」を通して、日々、世の中をエコシフトさせるために奔走中。 http://www.sustena.org/about/

トーク内容
マエキタ
「まずは映画の感想を聞かせてください」

横尾
「役人と住人のやり取りの中で、役人が「こんな大雨が降ると思わなかった」、一方で住民は「雨が降るの当然でしょ」。このやり取りは原発問題など色んな問題に通じると思いました。
知らぬ間に色々な事が起きていて、呆れた事になっていて放っておいてしまって。問題が起きて初めて自分たちのことなんだと気が付く。僕が活動しているゴミ、ポイ捨て問題もまさにそうです」

マエキタ
「基本的に政治の原点だなと思いますよね」

横尾
「お役所や行政に任せて、僕たちの便利な生活は成り立っているのですが、その一方で街の中での僕たちの存在がどうなのか、自分たちがこの街で何ができるのかを忘れてしまっている。
それが今の日本だと思います」

マエキタ
「今日、トラブゾンとシノップはどれぐらい離れているんだろうと調べてみたら、そんなに離れていないんです。
シノップは日本が原発を売り込んだ事で有名な村です。とても美しい漁村なんです。そこの市長さんも反対していて当選した反対派。本作も知事や環境省、官僚、地方と中央の政治家、色々な人が出てきます。
(住民に)シワ寄せする体質が日本とトルコって近いなと思いました。シワ寄せせずに天寿を全うして、生活を豊かにしてゆく、その基本命題がこの映画には詰まっていると思います。この映画は、神をすごく尊重するのと父性政治についても描かれていました。トルコでも政治家は男性ばかりで、女や子供は口を出すなというのを少し感じました。もちろん女や子供だけでなく住民の人全体にも言えることですが。日本もトルコも直日本とトルコも抱えている問題は一緒。個人と国家権力が対等だと呼び覚まさなくてはならないと思います」

横尾
「僕たちが街でゴミ拾いをしていると単純に楽しいです。特に権力などを意識しているわけではないのですが、自分たちも色々なことができんだな、僕たちでも解決できる問題があると気が付いたり、小さな活動の中にも希望があります。これをどう遠くに見える活動と繋げてゆくのか、そのためにどう想像力を働かせていくのか、それが課題です」