1997年に刊行され、妹尾河童の自伝的小説として大ベストセラーとなった「少年H」。昭和初期、戦争という激動の時代を背景に、勇気、信念、愛情をもって生き抜いた「名もなき家族」の物語は老若男女あらゆる世代に読み継がれ、この度ついに映画化されました。時流に飲み込まれず真実を見つめ続けた主人公・妹尾盛夫を演じるのは水谷豊。どんな苦境でも夫を信じ、子供を慈しむその妻・妹尾敏子を演じるのは、水谷豊の実際の妻でもある伊藤蘭。観終わった後、すべての人に平和、勇気、希望の尊さを改めて考えさせられる映画が、この「少年H」です。

8月10日(土)の公開を前に、全国でのキャンペーンを行っている水谷豊、伊藤蘭が7月26日に広島キャンペーンを行い、平和都市として常に世界へ“平和”のメッセージを発信する広島市の松井一實(まついかずみ)市長を表敬訪問しました。

松井市長からは「公開に先立って映画を観させてもらいました。ありがとうございました。水谷さん演じる父親が“H”に諭す言葉の中で、いろんな因果関係を経て、何かが起きたときに直接被害を起こした人をすぐに責めるのではなく、その次のステップを考えることが大事だということを伝えていましたが、その父親像や考えは平和都市・広島に相応しいなと思い、涙が出ました。」と2人に広島市長ならではの感想が伝えられました。さらに「自分が苦しいとき、人は小さい範囲、自分の足元しか見ることができない。しかし、そういうときこそ不安定な時が終わる時を見据えてバランスをとって生きることが大事だということを考えさせてくれる素晴らしい映画でした。押し付けられるのではなく、じわっと何かが伝わる映画だと思います。」とコメント。
ユーモアを交えて映画の感想や平和への想いを語る松井市長に対して、水谷は「原作を読んだときに、暗い時代ながらユーモアを持って生きていた日本人の姿に誇らしさを感じました。松井市長も大変なお仕事をされているのにユーモアを忘れない姿に、同年代のものとして誇らしいです。」とコメント。市長からも「ユーモアを忘れずにいけば、世界は明るくなります」という言葉が。

また、曽祖父が15代広島市長・伊藤貞次である伊藤は、「今日初めてまじまじと曽祖父の写真を市長室で見ました。兄にそっくりでした。」という広島市との縁を披露。キャンディーズ時代に広島にある遊園地のCMにも出演していることや、水谷演じる主人公・妹尾盛夫は広島出身ということもあり「何かと広島に縁がありますね」と和やかに会談が行われました。

会談後には、水谷・伊藤には広島県特産の熊野筆が贈られ、松井市長には映画の原作本とパンフレットは贈られました。

原爆の被害から見事に復興を遂げた歴史を持つ広島と、大空襲から立ち直った神戸を舞台にした「少年H」。それぞれが発する平和へのメッセージが融合した貴重な時間となりました。
映画の公開は8月10日。水谷・伊藤は今後も全国のキャンペーンを行います。