「AKIRA」から25年—「スチームボーイ」から9年—稀代の映像作家である大友克洋による作品を筆頭に、日本のアニメーションの最先端にあり、その先にありうる表現の方向性を模索しているトップクリエイターたちが結集したアニメーション映画「SHORT PEACE」。本日、初日舞台挨拶を丸の内ピカデリーにて実施いたしました。

■日時:7月20日(土)12:30〜12:50 
■場所:丸の内ピカデリー3
■登壇者: 大友克洋  「火要鎮」監督
森田修平  「九十九」監督
安藤裕章  「GAMBO」監督
カトキハジメ「武器よさらば」監督
浅沼誠    エグゼクティブ・プロデューサー

Q:浅沼誠エグゼクティブプロデューサー 『SHORT PEACE』プロジェクトの全体の出発点、コンセプトなどを教えてください。

浅沼:今回の『SHORT PEACE』というプロジェクトは、オープニングと4作品の短編というオムニバス構成で、各監督の個性を生かした作品を作りたいという思いがありました。日本をテーマにした、いままで観たことないような、不思議な、そして面白いものが出来たと非常に満足しています。

Q:初日を迎えた率直なお気持ち、それぞれの作品の見どころを教えてください。

森田:今回の監督の中では一番若い僕が、一番じじくさい作品を作ったかなと思わなくもないですが、自分が好きな昔話や民話などの淡々とした面白さを表現できたと思います。僕は『九十九』の監督をやらせてもらいましたが、カトキ監督の『武器よさらば』では演出として参加させてもらいました。カトキさんはメカへのこだわりがすごくて、納品ギリギリまでデザインを詰めていたことが印象に残っています。

カトキ:今回、『武器よさらば』の監督をやらせていただきましたが、もともとはおもちゃを作りたかったのがこの企画のとっかかりでした。劇中に登場する戦車型無人兵器の模型の試作品を作りましたので、いま劇場のロビーに飾ってあります。試作品なのですぐ壊れてしまうかもしれず、1週間限定で展示していますのでぜひ見ていってください。

安藤:僕がこの世界で一番最初に仕事をしたのが『MEMORIES』だったので、短編のオムニバスには思い入れがあります。このプロジェクトで僕は『GAMBO』の監督と、大友さんの『火要鎮』の演出もやらせていただきました。大友さんは毎回新しいことをして同じことをしないので、全然楽をさせてくれません(笑)。

大友:新しいもの好きだから、変わったことをしたいとすぐ思ってしまう。安藤くんにはいつも無理を言ってるけど、その分オゴってるんで大丈夫だと思います(笑)。

Q:大友監督にとって短編の魅力はどのようなところでしょうか。

大友:短編の魅力は、短いところですかね(笑)。長編はストーリーを構成しないといけないけど、短編は自分の最初の印象だけで作ることができるから面白い。今回の『火要鎮』では江戸ものが出来て自分としてもうれしかったけど、観終わった方には“短いぞ”と言われてしまうかもしれません。

Q:大友監督は長編の次回作の構想は何か考えていらっしゃいますか。

大友:その質問は厳しいな。今はちょっとまだ。もう少したったら言えるんだけど。

Q.登壇者を代表して大友監督、最後に一言お願い致します。

大友:僕らもこのプロジェクトのシリーズ2作目、3作目を作ることができればいいなと思っています。