8 月 9 日公開のこの夏一番の話題作『パシフィック・リム』。
本作は太平洋(パシフィック)の深海から突如出現し、地球を絶滅の危機に陥れる未知なる“KAIJU”と、人類の英知を結集し生み出された人型巨大兵器“イェーガー”との壮絶な戦いを、ハリウッド最先端の VFX を駆使して描いたSFスペクタクル超大作。世界中で熱狂的な支持を集めるギレルモ・デル・トロ(『パンズ・ラビリンス』『ヘルボーイ』シリーズ)が監督を務めた渾身の一作。

7 月 12 日(金)より全米公開となる本作だが、現地時間 9 日(火)、公開に先駆け、アカデミー賞授賞式の会場でもあるドルビー・シアター(旧称コダック・シアター)にてL.A.プレミアが開催された。
この夏一番の話題作とあって会場には約 200 人の取材陣、1800 人を超えるファンが集まった。
L.A.プレミアにはギレルモ・デル・トロ監督、チャーリー・ハナム、そして本作で“イェーガー”のパイロット・森マコという重要なキャラクターを演じた菊地凛子らが出席。

ギレルモ・デル・トロ監督、チャーリー・ハナム、菊地凛子らは揃ってレッドカーペットに登場。中でも注目を集めたのは、SF映画とアジアを意識したという、個性的なスリットドレスで登場した菊地凛子。「バベル」出演時、アカデミー賞にノミネートされ一度訪れたこの場所に再び足を踏み入れた。現地でも、菊地凛子、また彼女の幼少時代を演じ本作でハリウッドデビューを果たした芦田愛菜の演技が高く評価されていることもあり、取材陣が殺到。菊地は、ファンからサイン攻めにあう姿も見受けられた。その様子は、ハリウッド女優そのもので、サウンドバイツでは堂々と英語でインタビューに応え改めて海外での俳優生活への意思の強さを感じられる一幕だった。日本のメディアの前では少し懐かしそうに、日本語でプレミアを迎えた気持ちを興奮した様子で話した。

また、プレミアが行われる L.A.の街は『パシフィック・リム』一色で、本作の看板がいたるところに張り巡らされ、その風景を見るだけでも L.A.の街の本作への注目度が高いことが伺えるのだが、それだけにはとどまらず、会場では大勢の取材陣が殺到し賑わいを見せていた。

Q.今回、日本の素晴らしい女優さんを 2 名起用してますが、いかがでしたか?
ギレルモ・デル・トロ監督:凜子は素晴らしい女優なだけでなく、とにかくステキな人だ。不思議なのは繊細且つ芯の強さを持っている所がマコと似ていると思った。それと幼い頃から怪獣への愛も持っていて、精神的な深さまで理解出来るのもすごい。愛菜はこれまでに仕事してきたどの世代の役者にも引けを取らない素晴らしい俳優だ。映画の中でもとても難しいシーンを演じているが、とにかく素晴らしかった。とにかくすごい。僕は愛菜の大ファンだよ。
チャーリー・ハナム:-凛子は温かくて毎日が楽しかったよ。愛菜とはほんの数日間の共演だったけど、子どもなのに衝撃的だった。迫力もあり、本当に驚かされたよ。

Q.日本のどんなアニメに影響されて今回の作品は生まれましたか?
ギレルモ・デル・トロ監督:僕は 1964 年生まれで怪獣映画の全盛期だった。鉄人 28 号が出てきた頃かなそして手塚治虫育った。その頃は「鉄腕アトム」, 「ジャングル大帝レオ」 , 円谷の「ウルトラマン」「ウルトラマンセブン」、「黄金バッド」など日本で流行ってる物がメキシコにも入ってきたんだ。70 年代に入ってからさらに興味を持ち、大人になる頃にはアニメ界の大友(克洋)さん、押井守や「AKIRA」、「攻殻機動隊」、宮崎駿、高畑勲…それともっとオニババ、クロネコ、などとにかく僕の人生の歩み方のほとんどは日本の文化から生まれて来たんだ。

Q.作品についてお聞かせください。
菊地凜子:ロボットや怪獣が出てきて、ロボットは二人のパイロットがメンタルにコネクトしないと作動しないという、すごくユニークな設定です。いろんな方に観ていただけるいい作品です

Q.脚本を読まずに出演を決断されたと聞きましたが?
チャーリー・ハナム:そうなんだよ。どんな役者でもそうしたと思うよ。尊敬するギレルモが監督で、彼が選んでくれたから。
幸運だったし、光栄だったよ。ギレルモは以前から尊敬してたし、こんな巨匠と仕事できて嬉しいよ。

Q.LAでのプレミアイベントにバベル以来参加されていかがでしたか?
菊地凜子:バベルの時は国際的な場所に立つことに慣れていなくて自分がどういう状況か把握できていなかったけれど、今回は年月を経てこのような素晴らしい映画でここに来ることができて光栄に思います。
この映画のプロセスとして役作り、撮影、プロモーションのワールドツアーと長く関わってきて、やっと観ていただく機会ができて、これからどういうふうにこの映画が愛されていくのか楽しみです。

Q.アカデミー賞が期待されますが?
菊地凜子:賞をいただくのは、キャリアの中ではオマケというか、期待してないところでいただくサプライズなので、いただく機会があったら光栄ですが、自分としてはこれからも真摯に、映画作りをしていきたいと思っています。

Q.日本のファンに見て欲しい所は?
ギレルモ・デル・トロ監督:僕にとっては嘘偽りなく心底より尊敬するジャンルへのオマージュなんだ。日本の文化が僕の心を射止めたように、日本の皆さんにもこの愛を感じ取ってもらえたら嬉しい。

Q.日本に来たら行きたい所はある?
ギレルモ・デル・トロ監督:やっぱり中野ブロードウェイと代々木公園かな。