6/21より開催されましたフランス映画祭にて、映画「タイピスト!」のレジス・ロワンサル監督とヒロインのデボラ・フランソワが来日、6/24(月)に有楽町朝日ホールにて舞台挨拶とQ&Aが行われました。

映画鑑賞後の興奮冷めやらぬ中、映画の衣装と同じピンクのワンピースで登場したデボラ・フランソワと、シックな黒いスーツでキメたレジス・ロワンサル監督が登場すると拍手喝采。「可愛い!」との歓声も聞こえました。
続く、Q&Aではたくさんの質問が飛び交い、大いに盛り上がりました。

<Q&A内容>
■Q1、「タイプライターコンテストが実際にあったと聞きました。映画化のきっかけを教えて下さい。」

レジス・ロワンサル監督(以下監督):「ある日、タイプ早打コンテストのドキュメンタリーTVを見て、「クレイジーだ!」と驚き、この映画のストーリーを思いついた。
3〜4年かけてリサーチし、タイプライター早打チャンピオンにも会った。
そしてロッキーみたいなスポ根映画にできないかと考えたんだ。」

デボラ・フランソワ(以下デボラ):「私は女ロッキーってこと?」

監督「メンタリティはロッキーだよ」(会場笑)

■Q2、「最初に脚本を読んでどうだった?」

デボラ「本当にこの役を演じたいと思った。他のライバルの女優は殺すくらいの意気込みだったわ」(会場笑)

■Q3、「どのシーンが一番好きですか?(質問者は)ベッドで小悪魔的なポーズをとるシーンが好きでした」

デボラ「私もあのシーンが大好き。あれはアドリブなんです。50年代の女性なのに、ベッドに寝転がって足をあげるなんて!私がそうすると現場は爆笑だったんです。
あとは、平手打ちのシーンが好き。ロマン・デュリスに仕返しをした感じです(笑)」

監督「ローズの誕生日にルイがプレゼントをするシーンが好きです。あとはパリで二人がさよならをするシーン。ジュテーム(愛している)というが、困惑するデボラが素晴らしかった。」

■Q4、「タイプライターはどのようにトレーニングされたのでしょうか?」

デボラ「スタントは一切ないんです。6ヶ月間トレーニングをしました。週3回コーチがつき、宿題もあり1日2〜3時間の自己練習も毎日行いました。監督の要求も高く、優しくなかったので。(笑)」

■Q5、「色々なタイプライターが出てきますが、当時のものを集めるのは大変だったのでは?美術の面で苦労は?」

監督「確かに大変だった。世界各国からタイプライターを200台くらい集めたんだ!
あの頃のタイプライターを、しかも2台同じものを揃えるのは至難の業だった。
そして見つけても、どれもとても古いので、新しいものに見える様に手直しが必要だった。世界観は、観客が50年代にダイブするように細部までこだわり抜きました」

■Q6、「デボラは、ローズにおけるタイプライターのような特技はありますか?」

デボラ「フランスにはこういうことわざがあります“何かに秀でた人は役者になっていない”(笑)」

■Q7、「映画の中の色彩が印象的でした。」

監督「バスルームから出てくるシーン、ネオンライトのラブシーンはヒッチコックのめまいをオマージュしています。」

〜最後にメッセージ〜
デボラ「日本に戻って来れて嬉しいということです。日本にくるチャンスはあったけど関東大震災の影響でなかなか来日は難しかった。また皆様にお会いできて本当に嬉しいです。」最後はデボラ・フランソワは涙しながら、日本への思いを語って、舞台挨拶を終えた。