7月20日(土)公開の映画『爆心 長崎の空』の試写会が、江東区立深川第六中学校にて行われ、日向寺太郎監督が登壇致しました。

日時:6月24日(月)15:20〜   
場所:江東区立深川第六中学校   
登壇者:日向寺太郎(47) 原田裕文(53)

MC:長崎が舞台の作品ですが、長崎に行かれた印象は?

日向寺:2009年に初めて行きましたが、長崎は日本だけではなく、世界にとっても特別な場所です。
坂だらけで、キリスト教と深い関係があることは知っていましたが、中国のお寺や、港町でオランダとも関係が深く、独特な雰囲気に魅了されました。

MC:長崎や広島の原爆資料館へ行ったことがある生徒は、そこに行ってどんなことを感じてきましたか?
生徒:色々な資料がありましたが、怖くて全部は見られなかったです。
日向寺:私も相当ショックを受けました。当時の場所にいるような錯覚がして、外に出たときこの町が焼け野原だったなんて想像できなかったし、逆に当時の人たちも町が今やこんな風に発展しているとは思わなかったでしょう。
原田:私は当時の人々と今生きている自分を比べて、生きているってことはすごく素晴らしいことなのだと改めて実感しました。

生徒:戦争や原爆を知らない人に伝えるために、どのような工夫をしましたか?
日向寺:私も皆さんと同じで、1945年当時を体験してきた訳ではありません。私は1945年を扱った作品を好んで観る方ですが、どうも作品の入口に対して気が重い印象の作品が多いと思っていました。この作品はタイトルこそ「爆心」と入っていますが、母と子をテーマにした作品であり、作品の入口を他と変えたのが工夫ですね。

MC:この作品の撮影が行われたのは長崎だけではないのですよね?
日向寺:福島でも撮影をしました。原爆とは違いますが、やはり震災後の福島には通じるところがありましたので。3.11の後、長崎から福島を、福島から長崎を考えることは意味があることだと考えさせられました。この作品は震災から丸1年後の3月11日に撮り終えました。

MC:最後に生徒さんたちにメッセージをお願いします。
日向寺:私は皆さんと同じくらいの年に本格的に映画を観始めました。私にとって、世界を知ることのきっかけが映画だったのです。私は世界を知るきっかけが映画であったのですが、皆さんにも世界を知るきっかけになるものをみつけてほしいです。
原田:私も中学生くらいのとき、みんなで映画を観る機会がたくさんありました。今では当時、みんなで映画を観たことが私の宝物です。思い出は残りますからね。今日という日が将来、皆さんの宝物になってくれたらうれしいです。

最後には、映画に込められたメッセージを、伝え方はわからなくても、伝えていかなければいけない、という生徒たちの思いが感じ取れました。