2012年4月から放送され、最高19.9%という高視聴率を記録した中居正広主演の連続TVドラマ『ATARU』。サヴァン症候群に起因する特殊な能力を持った主人公が、迷宮入りしかけた難事件を解決していくという斬新なストーリーが話題を呼び、世代を問わず幅広いファンを獲得したこの話題作が、いよいよスクリーンに登場します。
 その『劇場版 ATARU‐THE FIRST LOVE & THE LAST KILL‐』は、ドラマに続いてお馴染みのキャストも総出演。アタルの個性を尊重し、誰よりも気遣う警視庁の刑事・沢俊一役に北村一輝。アタルの発する謎のキーワードを読み取り、力を合わせて事件を解決に導いていく元刑事の自称(!?)捨て山探偵・蛯名舞子役に栗山千明。さらに今回は、アタルと同じ天才的な能力を持ち、過去に深いかかわりがある謎の女性・マドカ役に堀北真希が出演。アタルを追い詰める義足の車椅子女性管理官・星秋穂役に松雪泰子と豪華俳優陣が揃いました。
 
 そして、舞台も劇場版にふさわしく、時を同じくして起こるアメリカと日本での事件をきっかけに物語は展開し、アタルとマドカ二人が最後に結末を迎えるのがラスベガス・ロサンゼルスの広大なロケーションになります。そして、この度日本人スタッフ56名、現地アメリカスタッフ75名の計131名の編成で空撮も含めた大規模な海外ロケでの撮影を敢行致しました!!気温が40度を超え、中居正広初めキャストやスタッフが皆、『経験したことの無い暑さ。尋常じゃないくらい暑い!!』と声を揃えるほどの過酷な環境下で長時間撮影を行いました。

【 ラスベガスロケ 】
● 走るオープンカー(ストリップ通り・ウェルカムボード前)
地元警察の撮影協力を受け、4台の白バイに先導されながらの撮影。70年代シボレーでラスベガスメインストリート・ストリップ通りをけん引による撮影と北村一輝運転による自走での撮影を行いました。ベラージオホテル含め大きなホテルが立ち並びその真ん中の大通りでの撮影はザッツ・ラスベガスな様相。通りすがりの地元ドライバーも車を止めて、『ムービー?』と声をかけてくるなど目を引いた撮影となりました。

● ルート66・街道(オールドUS95)
周りは砂漠で何もない一本道。強力な日差しとアスファルトからの照り返しも有り、灼熱の中での撮影。スタッフの手元の温度計は50℃を超え、暑さのあまりか劇用車のエンジンがかからなくなるアクシデントも。道路の脇のブッシュにはガラガラ蛇が生息しており、立ち入ることが出来ず道路からの逃げ場は全くない過酷な環境。スタンガンを受けて、熱の上がったアスファルトに倒れこむカットがあり、ただでさえ暑い衣装を着用した中居正広はまさに熱の入った演技を見せた。

● ベラージオホテル表(ベラージオ噴水)ナイター撮影
撮影はベラージオホテルの協力を得て、噴水前を100mほど封鎖、随時多数の観光客がロケ模様に足を止めて見守る中で行いました。映画の撮影に合わせて幻想的な噴水が15分ごとに上がり、それに合わせて、アタルの熱演が繰り広げられました。キャストもスタッフも駆け回っての撮影で、なんとか噴水が終了する24時までに撮り終えました。終わった時に沸き起こった拍手と、監督とカメラマンが握手を交わしていたのが怒涛の撮影を物語っていました。

【 ロサンゼルスロケ 】
● ルート66キングマン(ランカスター)
連日の快晴でとんでもない程の強い日差しで気温は華氏106(摂氏41.1℃)を指していたが、アスファルト上での演技が続くため体感温度は50℃以上にも。まぶしくて目が開けてられないので、目をつぶっての演技に変更になるほどの環境でした。また、本来使用するはずだったロケーションが、数日前の山火事でこの場所に変更を余儀なくされたこともあり、撮影前には毎日必ず、地元消防局の人によりスタッフ全員を集めて『SAFTY MEETING』が行われました。
銃やナイフの扱いなど入念なリハーサルが行われ、拳銃を使用するのは初めてという堀北でしたが、かなり大きな発砲音と拳銃から上がる火にも動じずに冷静に演技をしていたのが印象的。午後になってますます気温が上がる中、ずっと同じポジションで熱いアスファルトに座りながらの芝居が続きましたが、中居正広が『気合いだ!』と言いながらアタルのコートを着て、集中力を切らずに演技をする様は流石。
そして、スーパーテクノ50(『SPACE BATTLESHIP ヤマト』で使用された)と言われる大型クレーン(高さ15.1m、リーチ11.4m)も登場し、映画ならではの俯瞰での広大なカットを撮影しました。空が明るいうちに何とか予定カットを撮りきるというキャスト・スタッフ一丸となってスケジュールギリギリでのUPとなりました。

● 国道沿いの病院(キルビル・チャーチ)
栗山千明がGOGO夕張役で出演した『キル・ビル』で使用された有名な教会での撮影が行われ、「ATARU」ならではの遊び心が満載のシーンとなりました。

● ヴァージニア州・警察署(南カルフォルニア大学)ナイター撮影
犯罪者マドカの支持派と反対派が押し寄せる中、マドカが警察車両に乗り込むシーンで、地元のエキストラ50人が参加しました。エキストラが演じるマドカの狂信者たちと反対派たちとが「KILL ME PLEASE!」、「LOCK HER UP」などの物々しいプラカードを掲げるなど深夜でしたが喧騒な雰囲気での撮影となりました。

<中居正広 コメント> (LV・LAにて映画とドラマでの撮影は初めて)

ラスベガスとロサンゼルスでは、猛暑のロケで地獄です(笑)
雑談から生まれたラスベガスロケだけど、こんなに暑いとは知らなかった。
(気温は40度を超え、アスファルト上は50度以上の中での演技)
撮影スケジュールも非常に厳しく、寝る機会が4回あったけど14時間ぐらい、平均で3時間ちょっとしか寝ていないです。申し訳ないですが、マックスに眠いです。今までに数々、演じてきたけど、(過酷な撮影環境なので)こんなに帰りたいと思った映画はないですよ。それくらい見どころ満載になっています(笑)
ラスベガス・ベラージオホテルの噴水の前のシーンでは、その噴水ショーの素晴らしさに興奮しました。(15分に1回噴水が上がるので、時間の制約がある撮影に)スタッフ全員、燃えて撮影をしていました。どこからどの様に撮られているか分からないくらい、(次々撮影が進み)緊迫感のある撮影でした。
一日があっという間に終わって、一日の終わりが早い。それだけ役に集中して出来た表れかと思う。(過酷な撮影環境であったけど)楽しい仲の良いキャストと信頼できるスタッフたちが付いていたから、時間の流れが日本にいる時より縮まった感じがしました。
素敵な映画になっていると思います。

<北村一輝 コメント> (LV・LAでの撮影は初めて)

海外ロケはいつも興奮するのですが、こんな罰ゲーム?と言いたくなるような過酷な撮影環境でした。オープンカーに乗るシーンがあるのですが、映画が完成してみたら(オープンカーで風を受けて走っている姿に)気持ちよさそうに見えるかもしれないけど、そのシーンが本当に早く終わってほしいと思っていたくらい、暑い(笑)太陽の日差しが強烈でした。
国内でのセットにおける捜査会議室のシーンも暑いと思っていましたが、今思うと会議室はかなり快適でした。とにかく無事に終わって良かったです。また、来た甲斐があるスケールの大きい画が撮れていると思いますので出来あがりが楽しみです。

<栗山千明 コメント>(LV・LAでの撮影は初めて)

寒がりなので暑い方が好きなのですが、それにしても暑いです。
オープンカーに乗るシーンでは、車の熱でものすごく暑く、車を降りた瞬間に40度以上ある気温が涼しく感じるくらいでした。
日本に帰ってから撮るシーンもあるので映画が出来あがったころには私の肌が焼けて黒くなっているシーンと焼けていないシーンがあって、つながらないと思うんですよ。だから日に焼けないよう気をつけます(笑)

(キル・ビルチャーチについて)
実際に来てみると、何も目印もなく建物もなく、ずっと同じ景色が続いている。そこにポツリとこのキル・ビルチャーチがある感じでびっくりしました。実際に撮影をしてみて、本当にキル・ビルチャーチは実在したんだと思いました。撮影でこういう場所に来た甲斐があったと思います。

<堀北真希 コメント>(LV・LAでの映画での撮影は初めて)

役柄上、アタルに合わせた衣装で、ワンピースにパーカー、その上にコートを着ていることもあって、経験したことのない暑さです。
ラスベガスは初めて来たのですが、映画やTVで見たことがある場所だったので嬉しかった。とても景色が広くて、見たことないくらい遠くが見えてわくわくしましたね。
そんなラスベガスのベラージオホテル噴水前での撮影は、一番のビュースポットで噴水ショーを見れたので楽しかったです。時間が無くて、噴水の終わりの時間もあるのでみんなで力を合わせて頑張りました。
一日が長く感じて、3週間ぐらいこちらにいるような感覚です。(中居さんのコメントを受けて)私も演技に集中しているけど長く感じます(笑)