新宿ケイズシネマにてレイトショー公開されている「バナナVSピーチ フェス・in・新宿」2日目9日は Bプロ上映で、前野朋哉監督作品『筋肉痛少女』上原三由樹監督作品『雑音』、加藤行宏監督作品『ラジオデイズ』熊谷まどか監督作品『世の中はざらざらしている』が上映され、『ラジオデイズ』『世の中はざらざらしている』主演の近藤芳正、渡辺真起子がトークショーに登壇した。

男女の監督が同じ俳優、テーマで一作づつ撮るというこの企画、どちらの監督がやりやすかったかの質問に、渡辺は「男女の違いというより、作品の違い」、近藤は「『ラジオデイズ』はそもそもサイレント映画だったので、役へのアプローチの方法が違った」とそれぞれ。
台詞のない役は難しかったのか、という質問に近藤は「サイレントだったので、台詞を覚えなくてよかった」と明かし、客席は暖かい笑いに包まれた。
一方『世の中はざらざらしている』では渡辺は「監督の頭の中には流れている音楽があって、それにどう乗れるかを考えた」と、撮影での役作りを明かした。

互いにベテランだが、共演は今回が初めて。初共演の感想を近藤は「渡辺真起子さんは、映画出演の経験が多いので、場の空気をだいじにする。僕は舞台が多いので、立ち位置も含めて台詞もきっちりとやろうしてしまうので、自由な演技をする渡辺さんとの共演はとても刺激になった」と答え、それを受けて渡辺が恐縮する一幕も。

再び、表現方法に男女の違いがあるのかという話題に近藤は「男女の関係の表現にしても、男性は押し倒したりといった直接的な表現が多いように思います。女性監督の方は関係をあいまいにするところがあって、揺れ動いている感覚。過程を大事にするんですかね」と説明、監督らは興味深く聞き入った。

「バナナVSピーチ フェス・in・新宿」、10日は女優ナイト。人気モデルのmerii、劇団中心に活躍中の橋本亜紀、青春Hシリーズ『できる子の証明』主演相田淑見が登壇予定。また先着20名に8作品の詳細が書かれているゆうばり国際ファンタスティック映画祭2013、映画祭カタログをプレゼントする予定だ。