現在撮影中の映画『共に歩く』の現場取材が行われ、主演の小澤亮太、ヒロインの入山法子、宮本正樹監督が取材を受けた。本作品はテーマの一つとして、共依存という過度に我慢をして両者の関係性に囚われ、抜け出せなくなるという最近注目されている人間関係を描いている。

【日時】6月2日(日)
【場所】多摩センタ−・デジタルハリウッド大学 
【登壇者】小澤亮太、入山法子、宮本正樹監督

小澤は小学校の教員で、不安定な恋人を支えたいがどうしていいか分からず悩む若者役、恋人の明美を演じた入山は、精神的に不安定で小澤演じる哲也を束縛してしまうという役柄である。

小澤は「明美から(束縛されて)けっこうひどいことをされる。こんなに叩かれたのは初めてっていうくらい(笑)それすらも哲也は受け止めるから、優しさって何なんだろうってすごく考えました」と役の難しさを語った。入山は「演じた明美はとても女性らしい人。女性は時に感性で動くから、抑えられない衝動を大好きな人に対して爆発させてしまうところがあると思います」と話した。この映画について宮本監督は「共依存と子どもの強迫観念、アルツハイマー型認知症にスポットを当てた3つのストーリーが進んでいく構成。それらを克服していく映画で、全部自分の体験を元にしています。

自分も苦しんだが、他にも苦しんでいる人がいるのであれば、この作品を観て苦しみから救われて欲しい」と作品制作のきっかけを語った。2人の印象を聞かれた宮本監督は「小澤さんは表情の芝居がすごく良い人。入山さんは役にちゃんと入っていける人で、自分が昔、共依存を体験したときの彼女に見えてしまうくらい(笑)」と2人に対する感想を語った。また、初の長編映画にして一見すると重い内容を取り扱ったことに対しては、「息苦しさを感じる部分もあると思うが、カメラマンが画作りに非常に気をつかってくれているので、爽やかとまではいかないが美しい映画になると思う」と語った。

最後に見所について小澤は「3つの話の流れが切れることなくうまくかみ合って分かりやすい映画になっていると思う」と答え、入山は「ここに出てくるお話は誰もが抱く感情だと思う。みんなが共感できて優しくなれる映画」とアピールした。