5月22日より25日まで(現地時間)イタリア・フィレンツェで開催されていた「フィレンツェ映画祭」にてオープニング作品として上映された映画「奇跡のリンゴ」(6月8日(土)日本公開)が、同映画祭唯一の賞である「観客賞」を受賞しました。

22日のオープニング上映の際には、主演の阿部サダヲのコミカルな演技に大爆笑がおき、後半からラストにかけてはたくさんの観客がハンカチで涙を拭いました。上映後のティーチインでも中村義洋監督への質問は俳優への演出方法などの映画論から、無農薬農法の現状まで引きも切らず、終了予定時間を大幅に上回り、日付が変わっても続けられるほどでした。

現地の観客の声としては、「泣いた。」「感動した。」というものが圧倒的で、「家族のつながりの強さに心を動かされた。」「絶対にあきらめない主人公の姿に感銘を受けた。」「阿部サダヲのコミカルな演技に大笑いした。」「菅野美穂の笑顔が強く印象に残った。」など、フィレンツェの観客にも好意的に受け入れられた様子でした。

「奇跡のリンゴ」はメイン会場である「チネマ・オデオン」で上映された12作品の中から映画祭終了後、一般観客(動員5000人)の投票により最多の得票を獲得し、“観客賞”に選出されました。奇跡のリンゴを生み出した日本のリンゴ農家の実話は、スローフードの発祥の国・イタリアの観客を魅了したようです。観客賞には副賞としてトスカーナ地方のプレミアムワインが送られました。
オープニングレセプション、オープニング上映、上映後のティーチインに参加した中村監督をはじめ、映画で夫婦役を演じた阿部サダヲさん、菅野美穂さんは観客賞受賞の報を受け、下記のようにコメントしています。

中村義洋監督コメント
『観客賞、ありがとうございます!上映中は劇場の二階に陣取り、イタリアの観客の方々の反応を見守っておりました。老若男女問わず涙をぬぐわれている様は、あぁ家族を想う気持ちは国が変わっても一緒なのだなあ、と胸を打たれました。上映後のティーチインでは、「なぜあんなに俳優さんのお芝居が自然なのか?」「どういう演出をしているのか?」という質問があがりましたが、「この映画では日本一うまい俳優さんばかりを揃えたので演出はほとんどしていません!」と答えました。阿部さん、菅野さん、山?さん・・・そういった素晴らしい俳優の皆さんと、そしてスタッフのみんなに、感謝、感謝です。』

阿部サダヲさんコメント
『すごい!!フィレンツェ!好き!素敵な感想ありがとうございます!!この日本映画が色んな国に伝わるといいですねぇ…でもまずは、日本から!』

菅野美穂さんコメント
『遠く離れたフィレンツェで、賞を授けて頂けたこと、本当に光栄に思います。公開まであと僅かになりましたが、残りの宣伝も頑張りたいと思います。』

<フィレンツェ映画祭とは?>
フィレンツェ映画祭は、中心街全体が世界遺産というイタリア屈指の人気都市であるフィレンツェにて開催されるアジア作品を対象とした映画祭。映画祭の会場となる「チネマ・オデオン」は世界遺産フィレンツェ歴史地区に位置するフィレンツェで最も古い映画館で、15世紀半ばに建てられた宮殿を改装し、今も現役で使用されています。100年前の豪華な内装は今も変わらず、彫刻やレリーフもそのまま残っています。
第1回は2009年、第2回は2010年に開催。2011年・2012年は震災の影響で中止。今回2013年が3回目の開催となります。