本日 5月18日(土) 12:30~(現地時間) 第66回カンヌ国際映画祭にて、是枝裕和監督最新作、福山雅治主演映画『そして父になる』の記者会見が実施されました。

出席者は、監督とキャスト6名の計7名。
是枝裕和監督、福山雅治、尾野真千子、真木よう子、リリー・フランキー、二宮慶多、黄 升?

【会見に入る前のフォトコールの様子】

白いジャケットとスーツという爽やかないでたちで登場した福山をはじめ、あいにくの打ち付ける雨と冷たい風の中ではあったが、総計50台以上の世界から集まったスチールカメラマンたちの前で笑顔でこたえた7名。

【会見内容抜粋】

終始穏やかな雰囲気で質疑応答がかわされた。
小さな慶太君の顔が見えないと記者たちから声があがると、隣にいた福山が抱きかかえて、顔が見えるようにしてあげる一幕も。

監督
自分の作品が全て家族をとらえているわけではないけれど、両親が亡くなり、子供も生まれて自分のあり方を考えるにあたって、この作品は家族をテーマにして描いた。
カンヌのような映画祭は、なかなか上映がおわるまで落ち着けないけれど、カンヌだからこそ様々な方ともお会いできるし、お話できる。滞在中はできるだけ映画をめぐる豊かな時間をすごしたいと思う。
子供たちにセリフを言わせたり、ここに感情をこめてといったシーンは基本的にはつくっていない。
彼らは言ったことすら覚えていないかも。セリフを書いてわたしたりもしない。
オーディションする前はこういう子をとりたいと思ってから選ぶのではなく、会って、このこをとりたいと思った子にお願いをする。その子たちの個性がよくでるように考えている。
この作品をこうみてほしいというのはまだ正直ない。
自分は作品に強いメッセージを入れたりするタイプではなく、見た方たちの感想を聞いて受け止めながら、自分のつくったものを確認する作り手。映画祭はとくにそこにおいて重要な場所だと感じている。

福山
実際に自分は父になったことがないので、このお話をいただいた際に自分には似合わないのでは?父には見えないのでは?
と不安になり、監督と相談しましたが、この作品はまさにそういう作品だから撮影が進むにつれて少しずつ父にみえてくればよいのではというお言葉をいただき、そのようなことを心において撮影に挑みました。
カンヌという土地は初めてです。朝から取材などスケジュールがたてこんでいる(苦笑)
日本だとイライラしちゃうスケジュールだけど、土地のせいか穏やかな気持ちでいられる。日本でもそうありたい(笑)
この作品は監督の方針で子供たちに台本をみせていない。こどもたちにとってはある設定の中で我々と遊んだ記憶としてきざまれているのかもしれない。今回は、こどもたちの感性に導かれて自分たちの中からでてきたものを監督にきりとってもらった感じ。お芝居をしたという感覚とはちょっとちがう。この作品はそれが良かったのかなと思う。
升?からは本番が始まる直前で「いつスターになろうと思ったの?」と声をかけられてとまどったかな(笑)
是枝監督の現場はライブと同じ。即興のものがそのまま映像におさめられている。
現場で見た人でないとこの感覚だったりその凄さはわからないかも。是枝さんというのはすごい人だなと感じた。
カンヌに来たことで自分に何か変化があるのかは自分ではよくわからない。
今回は監督につれてきてもらえたとおもっているので、感謝しています。また来られたら、是非来たいです。

尾野
カンヌは2度目。どんなに頑張って仕事をしていてもなかなかこれない場所。
今回この作品でみんな一緒にここにこれたことを凄くうれしく思います。

真木
カンヌに来られてワクワクしてうれしい!今回はこういうところだというのを見て帰って、再び必ず訪れたい!

リリー
カンヌは思っていた以上に華やかで、いるだけで高揚する場所。
ご飯に行って全員がかえったあと自分だけ残って飲んだ。眠れなかった。
監督をはじめみんなでここにこれたことをうれしく思う。