ソフィア・コッポラ監督最新作『THE BLING RING』(原題)が、第66回カンヌ映画祭で16日夜(現地時間)、<ある視点部門>オープニング作品として上映されました。ソフィア・コッポラ監督、エマ・ワトソンや、タイッサ・ファーミガ、クレア・ジュリアン、イズラエル・ブルサール、ケイティ・チャンといったティーンエイジャーの窃盗団を演じたフレッシュなキャスト陣がレッドカーペットに登場、華々しいワールド・プレミアとなりました。

『ロスト・イン・トランスレーション』で第76回アカデミー賞 脚本賞を受賞、前作『SOMEWHERE』では第67回ベネチア国際映画祭 金獅子賞を受賞したした監督が、自ら脚本も手掛けた本作は、雑誌「Vanity Fair」で紹介された実際の事件をベースに、ハリウッドスターに憧れ、セレブの豪邸で総額300万ドルにのぼるブランド服やジュエリーの窃盗を繰り返した、ティーンエイジャーの物語。過熱するセレブカルチャーに囲まれ、あっという間に犯罪に手を染めていく若者たちの姿と、そこから表出する現代社会のさまざま問題を、独自の視点で描いたセンセーショナルな本作は、当日朝に行われたプレス上映でも多くの批評家やマスコミに衝撃を与えました。

エマ・ワトソンがこれまでの優等生イメージを覆す窃盗団の主犯格役で出演していることや、ラグジュアリーなファッション、そして、事件の被害者の一人であるパリス・ヒルトンが撮影に自分の邸宅を提供したこと、カニエ・ウエストやM.I.A.といった錚々たるアーティストたちが集結した音楽など、様々な話題で各方面から注目を集める今回のオープニング上映。会場には、チケットを手に入れようとするマスコミや一般人に加え、レッドカーペットのゲストを一目見ようとする観客が道路にあふれました。

ソフィアは「カンヌは、いつもとてもエキサイティングだと感じている。国際的なオーディエンスに観てもらうのは嬉しいことで、本作にとって特に絶好の場所。」と、また、エマ・ワトソンは、「カンヌは映画好きの私にとって、人々が映画を心から愛している、すばらしい環境」と、初めて観客の反応を体験できる今回の上映を興奮気味に語っていました。

何度も笑い声が起き、エンドロールが終わると、スタンディング・オベーションで会場の熱気もピークに。観客の中にはパリス・ヒルトンらセレブの姿もあり、その後行われたルイ・ヴィトン主催によるパーティでも煌びやかな盛り上がりをみせていました。映画界だけでなく、世界中のセレブたちをも熱狂させた一日となりました。

第66回カンヌ国際映画祭を代表する作品として大きな盛り上がりをみせた『THE BLING RING(原題)』は、6月12日にフランス公開(予定)、アメリカは6月14日公開、日本では12月、渋谷シネクイントほかにて全国順次ロードショーとなります。