世界フェアトレードデーの5/11に渋谷アップリンクで、フェアトレードという視点から、一部の巨大企業の利益のために私たちの生活にどう影響を与えているのか、上映付きトークイベントが行われました。

『世界が食べられなくなる日』は原発と遺伝子組み換え食品の実態を追ったドキュメンタリー。この二つのテクノロジーを開発したのは世界の富の半分を支配する250の同じ企業グループです。TPPの交渉参加など、今後ますます加速するグローバリゼーション。資本主義やグローバリゼーションが引き起こす弊害は、もはや開発途上国だけの問題ではありません。

登壇者
鈴木隆二さん(ぐらするーつ代表)
吉澤真満子さん(NPO法人APLA事務局長)
鶴見済さん(フリーライター /『脱資本主義宣言』著者)

●NPO法人APLA事務局長の古澤真満子さん
遺伝子組み換え作物/食品も原発も個別の問題として捉えられやすいが、すべて企業の営利が最優先されることが共通しています。日本でバナナが人気だが、フィリピンのバナナ畑は単一作物栽培や農薬の影響で、畑がだめになり高地栽培へと移行をせざるを得なくなった。しかし、日本ではそのことを全く報じずに、逆に糖度の高いバナナとしてブランディングして販売されています。知らないうちにグローバリゼーションに組み込まれています。

●ぐらするーつ代表の鈴木隆二さん
「ここ数年渋谷の光景が変わっています」、以前であれば個人経営の小さな個性的なお店が多かったが、今は古いビルがどんどん新しくなり、「どこにでもあるお店」が増えているという。身近な光景の変化にもグローバリゼーションが密接に関連しています。

●脱資本主義宣言 著者 鶴見済さん
私たちが普段着用している”服”にも、規制緩和によるグローバル化が進んでいます。日本の服の自給率は、90年代には50%でしたが、現在4%にまで落ち込んでいます。
90年代にカナダ・アメリカ・メキシコの間で取り決められた北米自由貿易協定(NAFTA)では、本来メキシコ周辺で育てられるはずのトウモロコシが、この協定によって他国からの輸入に頼らざるを得なくなってしまった。TPPに参加する、というのは日本の米が全てカルフォルニア産になる、という危険性すら含んでいます。