5/18(土)より公開となります『旅立ちの島唄〜十五の春〜』の映画の舞台である南大東島と東京の親子をネット中継でつなぐ映画上映とお話し会が、5/11(土)渋谷の映画美学校で行われました。

感動率100%の映画が舞台である南大東島と東京の親子をつないでネット中継試写。
離島の生活を知り驚きと感動の連続!!

先行公開中の沖縄で劇場記録となる大ヒットとなり、感動率100%と評判の映画『旅立ちの島唄〜十五の春〜』が、5/18からの東京公開を前に、映画の舞台である南大東島の親子と東京の親子をネット中継でつないだ試写会を実施した。南大東島は沖縄本島から360キロ離れた絶海の孤島で、島には高校がなく、子どもたちは進学のため十五の春に島を離れなければいけないことから、中学生・小学生とその父兄を招待し、離島に暮らす家族についてより深く知って欲しいと企画された。

映画は三吉彩花が演じる、島に実在する少女民謡グループ“ボロジノ娘”の新しいリーダーとなった少女・優奈が主人公。優奈が中学を卒業するまでの1年が描かれる感動作だ。この日は、南大東島を愛してやまない吉田康弘監督も会場に駆けつけ、上映終了後、ネット中継でスクリーンに映し出された南大東島の親子と久々の再会。監督からの「撮影からもう1年が経ちますが、覚えていますか?」との問いかけに、南大東島の親子たちは「もちろん!!!」と答え、東京-南大東島の1360キロの距離を越える温かい交流となった。

お話の会は、吉田監督による撮影秘話を交え、東京会場からの質問に南大東島の親子が答えるかたちで進められた。参加した南大東島の親子は、撮影中にキャストが宿泊した“ホテルよしざと”のオーナー吉里英利子さんと娘の爽さん、そして映画にも登場する現役“ボロジノ娘”喜友名加奈子さんと母・末子さんの二組の親子。爽さんと加奈子さんは現在中学三年生。二人とも、来年には高校進学のために島を離れることが決まっている。まさに映画の中の主人公と同じ境遇だ。

東京会場の母親から、「自分自身を思うと中学卒業で親元を離れるなんて考えられなかった。でも島の子供たちは先輩たちが島を離れるシーンを何度も見ていて、どう感じているのですか?」という質問。それに対し、「まだ心の準備はできていないです」と答える加奈子さん。映画でも描かれるが、ボロジノ娘は島を離れる卒業コンサートで島唄「アバヨーイ(さよならの意味)」を唄うが、歌うのは卒業する子だけ。今年、中学3年のボロジノ娘は加奈子さんだけなので、彼女は「アバヨーイ」を一人で歌うのだが、まだ不安はないのだろうか。「島の子供たちはのんびりだから、まだこれからです」と吉里英利子さんが説明する。

その他にも、子供の進学で母親がついて行くため家族がバラバラに暮らしているケースも多いこと、信号やバスにも慣れていないので那覇での通学生活も大変なことなど離島ならではの苦労が話題になったが、反面、島の学校ではいじめや不登校はないこと、島民全体がまるで家族のような結びつきを持っていることなども話された。また、「デートはどこに行くのですか?」という問いには、「まだ、デートはしたことがないです」と、はにかみながら答える爽さんと加奈子さん。ファミレスもテーマパークもない南大東島では島を歩くのがデートの定番。でも、ちいさい島なので、すぐに島を一周できてしまい、その間に人口の少ない島ではすぐに島民たちに知れ渡ってしまうそうだ。都会で暮らしていると想像もつかない離島での暮らし。その一端を知る貴重な機会となった。

「私たち南大東島の人間はこの映画をうんと応援してるんです。だからぜひ最低3人の人に推薦してください」と吉里さん。「南大東島だけでなく、家族が離ればなれで暮らさなくてはいけない人たちはたくさんいます。映画を通して、そういう方たちを応援できればと思います」と吉田監督。
離島・南大東島だからこそ今も生きている家族の想いと絆。それは、かつて日本映画に描かれた親子の想いと通じるものがあると口コミがどんどん高まっている本作に、参加者も感動のイベントだった。