貞子を生みだした大ヒット映画『リング』を発表し、日本中を恐怖に陥れたホラー界の巨匠、中田秀夫監督が、「ホラーの集大成」と称し、脚本家とともに紡ぎだしたオリジナルストーリーで描いた『クロユリ団地』がいよいよ5月18日より公開となります。

本作の公開を記念して、日本を飛び出し世界中で活躍してきた中田監督の作品『リング』『仄暗い水の底から』の2本立て特別上映会“戦慄!絶叫!”中田秀夫×林淳一郎ナイトが本日5月2日に行われました。

ハリウッドでもリメイクされた『リング』(1998年公開)は、リメイク版の続編『ザ・リング2』で自らメガホンをとり、ハリウッド進出も果たした中田監督にとって代表作ともいえる作品。

また、『仄暗い水の底から』(2002年公開)は、ジェラルメ国際ファンタスティカ映画祭でグランプリを受賞した作品。
『リング』と同じくハリウッドリメイク『ダーク・ウォーター』として製作されました。

トークイベントには、中田監督と本作の撮影を担当した林淳一郎さんが登場、『リング』『仄暗い水の底から』の撮影秘話や、最新作『クロユリ団地』についてまで、ハリウッドにも進出した“中田ホラー”について熱く語り合いました。

【“戦慄!絶叫!”中田秀夫×林淳一郎ナイト概要】

■日時
5月2日(木)18:20〜
■場所
シネマート六本木 スクリーン4(港区六本木 3-8-15)
■登壇者
中田秀夫監督、林淳一郎
■MC:
八雲ふみね

【トークショー内容】

MC:
本日は映画『クロユリ団地』の公開を記念して、
中田秀夫監督と撮影の林淳一郎さんにお越しいただいております。

MC:
それでは、早速、御挨拶をいただきましょう。
中田秀夫監督、ご挨拶をお願いいたします。

中田秀夫監督:
TVドラマから数えると20年、『リング』から15年。
林さんとは長い付き合いです。
今夜は皆さんのためになるようなお話が出来ればと思います。

MC:
続きまして、撮影の林淳一郎さん、ご挨拶をお願いいたします。

林純一郎さん:
今日は『リング』『仄暗い水の底から』を見て、さらに怖い最新作『クロユリ団地』の予習をしてください。

MC:
ありがとうございました。それではこれより、
本日上映されます2作品を中心にお聞きしていきたいと思いますが、
フリートークでお願いできればと思います。

中田監督
林さんとフリートークをするのは初めてですね。
林:
いつもと同じ感じで話せればと思います。
緊張しますね(笑)

中田監督:
YouTubeで生中継というのがね(笑)下手な事言えないからね(笑)

MC:
『リング』の頃の思い出などがあればきかせていただけますか?

中田監督:
『リング』の時、林さんとは、毎日2〜3本VHSを見ながら、
ああしよう、こうしようと話していました。
本編ではロケも多かったのですが、
日本の綺麗な海や山をなるべくどす黒く撮ってくださいと難しい注文もしました。

林:
偶然当日がくもりだったので良かったです(笑)
今はデジタルで作業も出来るけど、当時は難しくて。
その日晴れてたらどうしてましたかね(笑)

中田監督:
林さんから天に祈るしかないと言われていて。(笑)
しかも2時間しか撮影できないという制約もあって。
天も僕らコンビに味方してくれて良かったです。
ちなみにアメリカの『リング』は海のシーンを1週間かけて撮影したみたいです。

『仄暗い水の底から』がジェラルメ国際ファンタスティカ映画祭で上映された時には、
フランス人の色彩心理学者の方が色調をとても褒めてくれて、
青緑色の雰囲気が非常にいいとアカデミックな解説まで加えてくれました。

林:
色は作り手が意図を持ってやっていると、見る人がそのうちわかってくれます。
『リング』はデジタルではなく、フィルムで撮ったんですけど、
ホラー映画にはフィルムが合うと思います。

中田監督:
とてもアナログな方法なんですが、カメラのレンズの前にワセリンをつけて、
わざとゆがませて撮影したりする。
そんなアナログの味もそのまま使ったりしますね。

林:
デジタルだと、計算通りの画が出来るけど、
アナログの計算出来ない部分がとてもいい味になるんですよね。

中田監督:
心霊写真もアナログフィルムで撮ってるから味があったんですよね。
フィルムの粒子の間に魔物が入っている感じがあった。
デジタルには魔物が入る隙間がない感じがしますね。

中田監督:
照明の中村さんとはどんな話をしているんですか?

林:
最新作の『クロユリ団地』では、監督が「狂った夕景を撮りたい」と言うんですよ。
指示はそれだけなんですが(笑)
照明の中村さんがすごく工夫してくれて、
やりすぎてもいいぐらいの気持ちで、『クロユリ団地』は撮影しています。

中田監督:
あるホラーの監督からお褒めの言葉をいただいのは、
この現代の時代にそうきたか!という最後のシーンのライティングなんですね。
1960年代には前衛的だった手法だったんですけど、
一瞬赤いコマを入れたりとか、ある種けれん味のあるライティング。
『クロユリ団地』を見ていただく際にはそんな事も頭に入れて見ていただければと思います。

MC:
中田監督は今回の作品をホラーの集大成をおっしゃっていますが、どういう思いなのでしょうか?

中田監督:
20年やってきたので、ひとまず集大成にしようと(笑)
『リング』や『仄暗い水の底から』といったような今までやってきたものと共通する要素を持ちながら、
いかに現代の要素を入れるかという事を脚本の段階からずっと考えていて、
ネタばれになってしまうので、言えないのが歯がゆいのですが、
それは『クロユリ団地』を見ていただければわかると思います。
現実と呼応したホラーでもあり、今までの作品と共通の要素も取り入れつつ、
しかしコピーにはならないように作りました。

MC:
ありがとうございました。
本日、映画『クロユリ団地』の公式YouTubeではこの模様が生中継されておりまして、
中田監督よりこの会場にいる方と視聴者へサプライズプレゼントがあるとお聞きしたのですが、
発表いただけないでしょうか。

中田監督:
5月18日(土)に初日を迎えます映画『クロユリ団地』が初日舞台挨拶を行うことが決定しました!
今から僕の言うキーワードをメモしていただきまして、
映画の公式HPの応募フォームよりご応募いただいた中から抽選で
2組4名様に初日舞台挨拶のチケットをプレゼントさせていただきます。
応募期間はこのあと19時〜明日5月3日(金)正午までとなります。詳細は映画の公式HPをご覧ください。

※※キーワードは会場にいる方と視聴者の方のみに開示しています※※

MC:
ありがとうございました。監督が言われたキーワードを忘れずにみなさまご応募ください。

MC:
それでは、中田監督より締めの御挨拶をいただきましょう。

中田監督:
『リング』『仄暗い水の底から』のキャストの皆さん、たくさんのスタッフから
この『クロユリ団地』へと繋がっています。
前田さんは鬼気迫る、奥深い演技を見せてくれました。
前田さんには、日本を代表するアイドルの前田敦子ではなく、
繊細で傷つきやすい部分を演じて欲しいと、
20歳の前田敦子しか演じられない明日香を演じて欲しいとお願いしました。
そして、成宮さんもそんな前田さんを支える役どころを、
非常に掘り下げていって演じてくれました。
そんな『クロユリ団地』を是非見てもらえればと思います。

以上