昨秋、オーディトリウム渋谷での上映で大反響を呼び、今春アンコール上映を終えたばかりの本作が、4月20日 (土)より横浜のシネマ・ジャック&ベティにて上映開始となりました。上映初日を記念して、元HNKアナウンサーで現在ジャーナリストの堀潤氏をお迎えし、トークイベントを行いました。

本作は2011年3月に発生した福島原発事故により、町民全員が埼玉県旧騎西高校へ避難し、そこで送る避難生活を記録したドキュメンタリー映画です。ベルリン国際映画祭で高い評価を受け、2011年秋にオーディトリウム渋谷での公開以来、各地で上映され大きな話題を呼んでいる作品です。続編も現在制作中で、トークイベントでは続編未公開トレーラーも上映されました。

日程:4月20日(土)17:00〜19:00
場所:nitehiworks
登壇:堀潤(ジャーナリスト)×舩橋淳(本作監督)

シネマ・ジャック&ベティにて横浜上映初日となる舞台挨拶を終え、満席となったイベント会場は横浜市民放送局ほか、多くの地元メディアが取材に入る中、トークイベントがスタートした。
堀氏は自身の経験から「メディアの問題は社会全体の問題。的確が指示がなくても物事は決まっていく。あらゆるところの、より良き予測判断が合意形成となっていってしまうので、決定の手段を整理していくころが大切ではないか」と語り、「マスコミ報道、特にテレビは3〜4人の意見を一般的な意見として報道するのがとても上手い。行政の仕掛けや、市民運動での判断材料を増やし、対話をしながら解決策を見付けていくことが大切」と説明した。
舩橋監督や、本イベントの主催者側から「どうしてもこのような話をすると“まだ原発の話をしているの?もうだいじょうぶなのに”という反応をされてしまう」と持ちかかられると、堀氏は「各自、日々の生活に精一杯で、忘れてしまうのも仕方がない、それは悪意あっての反応ではないと思う」とし、「但し、きちんとこの教訓を身のまわりのインフラに反映し、落とし込んでいくことは徹底的に最後までやった方が良い」と意見した。また、市民メディアの場があっても、参加する土壌が日本はまだ希薄であることも示唆し、問題意識や倫理観も含めてのことではあるが、日々の生活に追われてしまうことの大変さにも理解を示した。
最後に堀氏と舩橋監督は「時間が経つごとに、我々も描く物語が大きくなってきてしまうけれど、まずは目の前のことを1つ1つしっかりとこなしていくことが大切ですよね」と、市民運動の在り方や、“各自いまできること”の大切さなどを市民の目線で会場の皆と確認し合った。