世界的アーティスト村上隆初監督の実写+CGによるファンタジー作品『めめめのくらげ』。CGだけで1000カット超と、日本映画の枠を超えたプロジェクトでありながら、少年と不思議な生き物“ふれんど”との友情の絆を描く感動作が、いよいよ4月26日公開となります。

この度、現地時間の8日19:30〜、アメリカ合衆国のカリフォルニア州ロサンゼルスの総合美術館「LACMA」内のシアターにて、『めめめのくらげ』世界初プレミア試写会が行われ、村上隆監督自身が登壇した。600席のシアターには開場前から長蛇の列ができ、場内は満員御礼、スパイク・ジョーンズ監督や俳優のジャック・ブラックなど、ハリウッドの映画関係者や、またアート業界関係者、ギャラリストなどを中心に、ロサンゼルスのアートに関心のある人が数多く詰めかけ大盛況の上映会となった。上映終盤の感動的なシーンでは、涙する女性も多く、そしてエンドロールに差し掛かった瞬間に場内は拍手喝采!同じく場内で観賞中の村上監督に向けて、エンドロールの約5分間の間止むことなく拍手が送り続けられた。
監督は上映前の挨拶では、メインキャラくらげ坊の着ぐるみと登場。緊張の面持ちで、「本編を最後までご覧いただくと驚きます!」とスピーチ。上映後のトークセッションでは、「こんなにリアクションをいただいて、ありがとうございます。僕は、幼少の頃の記憶、ウルトラマンやゴジラ、スピルバーグ作品などの影響を思いきりうけています。子どもは、シリアスな状況の中、何をしなければいけないのかを感じて欲しい。そんなきっかけになればと思い、制作いたしました」。また、「上映中の観客の笑どころが、正直日本人の僕とは感覚が若干違っていて新鮮でした」と語り、世界での公開について聞かれると、「世界での公開もしたいですが、僕は飛行機で本当によく映画を見ます。自分の映画も世界中の飛行機で見れるようになればいいなと思っています」と話した。

さらに、上映後のロビーでは、くらげ坊とるくそキャラクター着ぐるみとともに村上が現れると、映画に対する思いを聞きたい観客に囲まれ、大盛況の会場となっていた。俳優ジャック・ブラックは、村上に向かって「ワンダフル!ワンダフルワーク!」と熱く話し、自分の好きなシーン、また好きなキャラクターを熱弁。村上隆もジャックの大ファンということで、『めめめのくらげ』の次回作の話に向けてか(!?)、最後には硬く握手を交わした。アート・映画業界関係者からは、「すごく楽しい反面、とても考えさせられる内容に驚いた。あまりの衝撃的な作品で、まだ頭が整理できていません。しかし、素晴らしい」(アート業界関係者)、「ビジュアリストで且つストーリーテラーで、間違いない傑作をつくった。自分の娘に見せたい作品」(ハリウッド映画関係者)、「アメイジング!!ブリリアント!!こんな映画見たことない!とにかくすべてが素晴らしい。初めはおとなしいテンポだったのが、後半の勢いに、魅了されました」(美術館経営者)と、称賛の言葉をかけられ、村上は始終笑顔で上映会は終了した。
なお、現地時間4月11日〜5月25日まで、ロサンゼルスにある画廊「BLUM&POE(ブラム&ポー)」にて、新作のペインティングと立体の展覧会「Arhat」を開催。この個展は、2007年〜2009年の間に開催された回顧展「©Murakami」以来のアメリカでの大きな展示する。Arhat とは「羅羅漢」の意味で、サンスクリット語で“悟りをひらいた⾼高僧” を指します。25メートル前後の巨大ペインティングや新作立体に加えて本作のキャラクターのプロップ展示予定。オープニングイベントには、村上隆も立会い、盛大にお披露目される。