映画『桜、ふたたびの加奈子』鏡リュウジが悩める女子にアドバイス! 女性限定試写トークショー
3月25日(月)、映画『桜、ふたたびの加奈子』(4月6日公開/配給:ショウゲート)の劇場公開に先立ち、占星術研究家で翻訳家の鏡リュウジさんをお招きして、トークショー付女性限定試写会を実施いたしました。娘を不慮の事故で亡くした母親の再生を描く本作にちなんだお話から占星術と輪廻転生の意外な関係大切な人との別れからの立ち直り方をアドバイス。
■日 程:3月 26日(火) ■場 所:シネマート六本木 スクリーン4
■登壇者:鏡リュウジさん(45/占星術研究家・翻訳家)
Q 本作をご覧になった感想をお願いいたします。
鏡: この作品には女性が特にいろいろな形で共感したり反発したりするところがあると思いました。女性の生き方の色々なバージョンを見せてくれているので、母になるということに対して、子供を本当に愛していてその子供を失ってしまった時に深い喪失感を持つ女性がいたり、あるいはそのことによって心が折れてしまったと思われていた女性が実はそのことをもう乗り越えて次の人生を歩んでいたり、年を取った知恵を持った女性が出てきたり、若いときに期せずして子供を授かってしまった女性、自分が子供を愛せないのではないかと思う女性と、母ということに対してのありとあらゆるパターンが描かれているなと思い、女性にとっては身につまされたのではないかと思いました。ただ、あんな良くできた夫はいないですけどね(笑)自分だったら無理だな(笑)
Q ちなみに鏡さんは生まれ変わりを信じていますか?
鏡:僕は・・・わからないですね。頼みもしないのにいろんな霊媒師や占い師さんが前世を観てくれるんです。一番ロマンチックなのが『緑色のドラゴン』一番しょうもないのは『ギリシャの占星術師』観たまんまじゃないかと。気に入っているのは『中国の占い師』。でも予言をはずして殺されたんですって(笑)だから今世でも「占いは絶対にあたる」と言わないんだって。良くできた話だなと思いました。僕が前世があるかどうかわからないけれど、そういうもう一つの人生のストーリーは人にはあるのではないかなと思います。前世とは言わなくても、みなさんも「あの日あのとき、あの人と出会っていなかったら・・・」とか「あの日あの時ああしていたから今こうなった」と思っていることがあると思うんですが、冷静に考えてみるとそれが本当に原因だったかわからないじゃないですか?「自分の前世はこうだったからこうなった」というのと、あまり変わらないストーリーなんですよね。でもそういうものがないと人生はやっていきづらいから、そういうストーリーをそれぞれ自分で考えてきたんだと思うし、それをちょっと延長していくとそういう前世ストーリーができるのかなと思います。
Q この作品で広末さん演じる容子は子どもを亡くして辛くて、生まれ変わりというものを信じるのですが、私たちも木津着いたときに占いに頼りたくなることもあるのですが、占いとこんなふうに接していった方がいいんじゃないかというアドバイスはありますか?
鏡:ぼくがこんなこと言うと怒られそうですが、占いで解決できることって本当に少ないと思うんですね。それだけではだめで回りの日とのサポートだったりいろんなことが必要だと思うんですね。占いって本当にレンジが広くて朝の星占いのようなポップなものから本当にしんどい時にカウンセラーのような知恵のある占い師さんと一対一で向き合ってやっていくというものまであると思うんですよ。そういうときに「誰かに話を聞いてもらうこと」というのが一番大きいんではないかと思うんですね。占いの技能ももちろんあると思いますが、本当に優秀な占い師さんは人の話を聞いてあげるプロだと思うんですよ。そういう占い師さんと出会えたら、解決はできないけれど、大きな力になってくれるんじゃないかなと思いますね。ただし、占い師さんを選ぶときには、しんどい時に飛び込みで行かないほうがいいですよ。落ち込んでいる時やダメなときに知り合う男にろくなのがいないでしょ(笑)だから元気な時に、楽しんで占い師さんと会っておいて、「この人なら大丈夫だな」と選んでおいたほうが得策だなと思います。占い師さんとの関係って親にも言えないようなことを初対面で話し合う関係だから異様な人間関係だと思うんですね。だから信用できるかどうかということは、健やかなときにジャッジしておくことがひとつ大事かなと思います。
Q 運命って変えられるのでしょうか?
鏡:本当にいろんな考え方があるんですが、変えられないという人もいるしもちろん変えられるという人もいます。でももし運命が決まっているんだったら、占いは意味がないですよね。だって占うことも運命にかかれているから。かといって、全部自分の力でうまく行けるかというとそうでもなさそうな気がします。ものすごい宿命論的な占い師さんは星をバーっと読むだけ。でもマキャベリは『君主論』の中で「運命の女神はいうことをきかせろ」と書いている。マキャベリはハイリスク・ハイリターンの大航海時代の人で、運命は自分で切り開くんだという考え方を作ったんです。これは運命の女神を足蹴にしているわけで、両方ともちょっと違うかなと思うので、僕は運命と同じテーブルについて、交渉可能なというか、一緒に話し合うみたいな向き合い方もあるのかなという気がします。
Q さて、せっかく鏡さんがおみえになっているので、お客様からご質問はありますか?
お客様:蟹座です。結婚を悩んでいるのですが、どうすればいいですか?
鏡:蟹座は今年の6月以降、土星という星が入ってきます。これは12年に一度のサイクルの始まりなんですね。などで人生が開いていくようなチャンスがきやすい時期なんです。6月以降1年間です。結婚かどうかはわかりませんが、その頃は何か新しいスタートを切る、積極的に行動してもいいのかなのかなと思います。
お客様:山羊座です。自分のまわりでいろんな変化が起きているのですが、どうすれば良いでしょうか?
鏡:山羊座は今冥王星という星が入ってきていて、まさにそういうタイミングです。自分の力を超えたような動きがあって帰られているという感じではないかと思います。でも実は外からの力で変わっているような気がするんですが、自分の中でも変わりたいというタイミングなんじゃないかなと思います。そういう時期はどういう風に変わっているのかを丁寧に自分でみてみるといろんな発見があるのではないかと思います。