貞子を生み出した大ヒット映画『リング』を発表し、日本中を恐怖に陥れたホラー界の巨匠、中田秀夫。日本を飛び出し世界中で活躍してきた中田監督が、満を持して再びホラー作品を日本に、そして世界に送り出します。

1985年に日活の助監督としてキャリアをスタートさせた中田監督。
本作はその日活の100周年記念作品として製作され、すでにロッテルダム国際映画祭、ジェラルメ国際ファンタスティカ映画祭への正式招待が決定するなど世界からの注目も高まっている中、3月23日(土)から開催された第5回沖縄国際映画祭でも出品が決定!本日舞台挨拶が行われました!

場内の灯りが暗転し、「クロユリ団地」予告編が放映されると客席からは恐怖のどよめきが起き、その後舞台上に登壇したのはW主演の前田敦子さん、成宮寛貴さん、中田秀夫監督の3名。3名の登場に一気に会場の熱もピークとなり、大きな歓声が会場を埋め尽くしました。

舞台挨拶では、前田さん、成宮さん、中田監督から撮影の裏話などが語られ、大いに盛り上がっている中、突如劇場が暗転、不気味なノイズ音が流れ、背後にあった本ポスターのパネルを突き破って本作の鍵を握る少年・ミノルがサプライズ登場!これには前田敦子さんも「ミノル君は来ないって聞いていたので、本当にびっくりしました!」と飛び上がるほどの驚かれ、前田さんと成宮さんへのミノルくんのビックサプライズが大成功するなど大いに盛り上がった舞台挨拶となりました。

【『クロユリ団地』 第5回沖縄国際映画祭舞台挨拶 概要】

◆参加者:前田敦子さん、成宮寛貴さん、田中奏生、中田秀夫監督
◆日時: 3月24日(土)13:00〜
◆場所: 沖縄コンベンションセンター (シアター1)

【ご挨拶】
●前田敦子さん:
今日が日本で初めての公開になります。先ほど、舞台袖で待っている時に、予告を観た皆さんが“キャー”と怖がってくださっているのが聞こえて、嬉しくなりました。今日は怖がって帰って下さい(笑)。

●成宮寛貴さん:
今日は激しい雨の中、さくさんご来場いただきありがとうございました。
この映画は昨年撮影をしていたのですが、ようやく皆さんに観ていただけることになり、とても嬉しいです。今日は絶叫してスッキリして帰って下さい。

●中田秀夫監督:
Laugh&Peace(ラフ&ピース)がテーマの映画祭の中で、この作品は真逆のCry&Fear(クライ&フィアーという感じですが、エンターテインメントなホラーにしているので、皆さん楽しみにしていて下さい。

【質疑応答】
●MC:
今回、沖縄映画祭に参加されていかがでしたか?

●前田敦子さん:
沖縄という場所だけあって、みなさん凄く元気ですよね。
それと、こうして今回、作品を持って映画祭に参加させていただくのが、私自身初めてなので、すごく良い思いでにもなりますし、沖縄が、初めて『クロユリ団地』を見ていただける場所になるということで、とても嬉しく思います。

●成宮寛貴さん:
僕は、沖縄国際映画祭は2回目なんですが、“Laugh&Peace”、“笑っていれば平和が訪れる”というのが、沖縄っぽくて素敵だと思います。

●中田秀夫監督:
沖縄映画祭は初めて参加させていただきましたが、オープンシアターがすごく素敵な会場だと思いました。それと、コンベンションホールもとても立派で感動しました。

●MC:
今回、中田監督のホラー作品ということで、現場でのエピソードや中田監督の印象を教えて下さい。

●前田敦子さん:
ホラー映画なのですごく現場も怖いと思ってたんですが、監督にお会いした際、「ホラー映画は笑いの耐えない現場にした方が良い作品が撮れるんです」と言ってくださり、少し気が楽になりました。でも監督はすごく面白い方で、一発芸とかをされるんです。オンオフの切り替えをすごくして下さるので、やりやすかったし、いやすかったです。

●成宮寛貴さん:
監督が本当にユニークな方なので、現場にいるだけで楽しかったですね。
今、前田敦子ちゃんは、すごく可愛くこの場所に立っていますが、映画の中では悪霊にどんどん生気を吸い取られていく役なので、どんどん顔色が悪くなっていくんです。すごく具合が悪そうなので、“大丈夫?”と思って、よくチョコレートとかを渡してました(笑)。

●中田秀夫監督:
成宮さんは予想通りのかっこよさももちろんですが、自分の役をすごく掘り下げてくれるんです。“ここをこうした方がいいんじゃないか”など、より役に深みと説得力をつけるというようなことをしてくれました。
とても役作りをすごく真剣に取り組む役者さんだなと感銘を受けました。

前田さんとは、リハーサルをしながら、生の前田敦子さんの繊細さだったり、傷つきやすさだったりというところを出して下さいというお願いをしました。
昨日のインタビューで、「彼女は孤独な魂度押しが寄り添うという話なので、その存在を拒絶しなければいけないのが辛かった」というのを言われ、そこまでリアルに考えてくれていたことに感銘を受けました。

●MC:
改めてこの作品に込めた想いを聞かせて下さい

●中田監督:
ニュースで流れているような、日本の現代社会とマッチしているリアルなホラーを作りたいと思いました。そのためにも今まで積み重ねてきたホラーの技法も全てをつぎ込みました。

<ここで、これからフォトセッションというところで、急に劇場内の明かりが全て消え、劇場が暗転。そこに不気味なノイズ音が流れ、背後にあった本ポスタービジュアルにもある大量のミノルくんが描かれているパネルを勢い良く突き破って出てきたのは、本作の鍵を握る少年・ミノルくん(田中奏生くん)。
キャストには、今回の沖縄映画祭に同行することを秘密にしていたこともあり、前田敦子さんは、思わず飛び上がるほど驚かれ、前田さんと成宮さんへのミノルくんのビックサプライズは大成功となりました。>

●MC:
サプライズはいかがでしたか?

●前田敦子さん:
ミノル君は来ないって聞いてたので、本当にびっくりしました!

●成宮寛貴さん:
いやぁ、ちょっとしびれましたね。ドッキリ大成功ですね。
全く気づきませんでした(笑)。

●中田秀夫監督:
僕は知ってたんです。朝もここで会ったので。さっきも言いそうになってしまいましたが、「あ、言っちゃいけないんだ」と気づいて。
言わなくて良かったです(笑)。

●MC:
中田監督が生み出した貞子を超えるキャラクターであるミノルくんが、本作では物語の鍵を握っているということですが、監督がミノルくんと貞子を対談させたらどうかと、ご自身のツイッターでつぶやかれたそうですね。対談は実現しますでしょうか?

●中田秀夫監督:
貞子×ミノル対談、公開前か初日に是非実現したいですね。
何なら井戸も持ってきましょうか?(笑)

そういえば、ミノルくんに睨まれると、来年の第6回沖縄国際映画祭まで“Laugh&Peace”(ラフ&ピース)でいられるので、皆さん、見てみて下さい(笑)。

<ここでミノルくん(田中奏生くん)がポスターと同じ目つきで、会場を睨みつけました>

【最後に一言】
●前田敦子さん:
この映画はホラー映画ということで、皆さんに驚いてもらったり、怖いなと思ってもらうのも嬉しいんですが、今回はそれぞれのキャラクターの心情なども深く描かれています。
私の演じる明日香も孤独を抱えていて、それぞれの抱える孤独や寂しさというのを感じとって感動してもらえたら嬉しいです。

●成宮寛貴さん:
僕の演じた役も孤独を抱えているんです。それは、誰しもが持っている、満たしきれない想いみたいなもので。そして、孤独な魂たちがお互い惹きつけあって、助け合っていくという・・・。
人って1人じゃ生きていけないんだなというのを僕はこの映画を観て感じました。でも、基本的にホラー映画です(笑)。
団地という日本ならではの舞台で起こるザ・ジャパニーズホラーです。
最後まで怖がって楽しんで帰って下さい。

●中田秀夫監督:
僕としては、こうやって若々しいキャストの方3人と、しっかりエンターテインメントなホラー作品が出来て光栄に思いますし、さっきも言いましたが、役20年ホラー作品を撮っていますが、その集大成となるべく一生懸命つくった作品なので、皆さん楽しんで怖がってくれたら嬉しいです。