「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」「アリス・イン・ワンダーランド」をはじめ、ユニークでファンタジックな世界観とイマジネーション豊かなビジュアルで、世界中の映画ファンの心をとらえ続けるティム・バートン監督の最新作は、ディズニー史上、最も奇妙な白黒3Dワンダーランド、『フランケンウィニー』。孤独な少年ヴィクターと≪禁断の実験≫によって甦った愛犬スパーキーとのピュアな愛が、街中に大事件を巻き起こすちょっと奇妙で心沸き立つ冒険ファンタジーです。
 
 本日、12月15日の公開に先駆けてティム・バートン監督(以下監督)とプロデューサーを務めるアリソン・アバッテ(以下アリソン)の二人が来日、東京都港区のリッツカールトンにて来日記者会見を行いました。
 MCの紹介により2人が登場。それぞれ「みなさん、本日はありがとう。大好きな日本にまた来られて嬉しい。やっと日本のみなさんの本作の紹介ができると思うと、今から興奮します!ぜひ楽しんでほしい」(監督)、「日本に来たのは初めてですが、今から反応が楽しみ!」(アリソン)と挨拶をするとこの日、集まった取材陣から盛大な拍手が贈られました。

 2人の質疑応答に続いて、日本人特別ゲストとして、本作で主人公ヴィクターが通う小学校の生徒役の声優を演じたハリセンボンの箕輪はるかさん(以下箕輪さん)が登場。箕輪さんは「ハロー!アイ・アム・アジアンビューティー!」と挨拶をすると、ティム監督も笑顔に。そして、共に吉本のお笑い芸人養成所NSC出身で、映画の中で大活躍(?)する“奇妙なクラスメイト”のような先輩後輩関係を続けているというオリエンタルラジオの中田敦彦さん(以下中田さん)と藤森慎吾さん(以下藤森さん)の2人を紹介。
 藤森さんは科学実験の大好きな映画の主人公ヴィクターをイメージした白衣、中田さんはヴィクターのクラスメイトにちなんだ衣装で登場。藤森さんが「アイ・アム・アジアンチャラ男!」と自己紹介すると、すかさず、相方の中田さんが「チャラ男は、英語じゃない!」とツッコみ、監督とアリソンは大笑い。藤森さんは来日した2人のために一足早いサプライズクリスマスプレゼントとして映画を観て印象に残ったシーンという感電実験をこの場で行うと宣言。実験準備が整い、監督の「3,2,1!!」の合図で、バチッと大きな音がなり3人が感電し、「メリークリスマスパーキー!!」と叫ぶと、「クリスマススパーキーリース」のイルミネーションが点灯。3人の痺れ具合とプレゼントに監督は「痛さを伴うプレゼントをありがとう!」と大喜びなご様子。
 この思わぬサプライズの演出に監督も驚きと共に喜びを滲ませ、映画にちなんだ“禁断の実験”を行った中田さん・藤森さん・箕輪さんの3人は「本当に痛かった!!」と涙目に。見事に点灯された「クリスマスパーキーリース」に会場からは大きな拍手がまきおこり、前代未聞の“ビリビリ感電記者会見”は大盛況となりました。最後は、監督が「月曜日の朝早くから、お集まりいただき、本当にありがとうございました。」とコメントすると、場内は温かい笑いとぬくもりに包まれ、記者会見が終了となりました。
 なお、ティム監督の来日は、6か月ぶり15回目。集まったマスコミはTV30台、スチール50台、記者300人となります。

ティム:「記者会見場が学校の教室のようですね。小学生の頃、とても不安になる場所だったので、緊張します(笑)」

「本作のそもそもの始まりは、幼少期に自分の飼っていた愛犬への想いを基にしています。その頃に体験した無償の愛を与えるという人生において、非常に素晴らしい体験を本作に込めました。」

「本作のキャラクターは、僕の周りにいた実際の人物たちを参考にしています。フシギちゃんは、周りにいた女の子たちからイメージしています。」

「1秒間を24コマで撮るという非常に忍耐と労力を要する撮影ですが、本当の功労者というのは、監督ではなく、アニメーターたちだと思っています。」

「これはファンタジーだから最後にスパーキーを生き返らせたけど、僕が実際に飼っていた犬はもちろん生き返らせません。(笑)本作で一番描きたかったのは、その先にある、絆です。」

「日本の怪獣映画が好きだったので、この映画にもそれを反映させています。子供の頃、僕は8mmでストップモーションを撮っていました。映画撮影は、忍耐と熱意が必要だけど、非常に素晴らしい仕事だと思う。映画制作とは、ワンシーンワンシーンに命を吹き込む魔法のような作業を繰り返します。大事なのは、コンピューター処理に任せるのではなく、自分の足で現場に赴き、リアルさを肌で感じることだと思います。」
     
     「監督業で一番幸せなことは、優秀で素敵なスタッフと一緒に仕事ができることです。」
 
アリソン:「この作品に関わったのは、「コープスブライド」で一緒に仕事をしたことがきっかけです。本作をストップモーションにしたのは、技術が上がってきているこのタイミングで公開することで魅力を最大限に引き出せると思ったからです。ティムのアイデアからパペットとかを作って膨らませていき、ティムの幼少期を基にして、出身地のバーバンクの住宅地などから構想していきました。」

「ティムの映画は、一見、奇妙だが、中心にあるのは、「愛と絆」だと思います。奇妙な見た目でも、共感してしまう温かさがあります。本作では、子供の自己発見をテーマにしています。」

「ストップモーションは、作り手のビジョンを最も正確に表現できる撮影技法だと思います。もっともっと作られていくべきだと考えています。」