映画『やなせたかしシアター』完成披露試写会、声優:野沢雅子さん舞台挨拶
アンパンマンの原作者、やなせたかしの絵本はアンパンマンシリーズ以外にもたくさんあり、ロングセラー「やさしいライオン」「チリンのすず」は過去にアニメ映画化されました。そしてこの「ハルのふえ」は、やなせたかしが最も映像化したかった作品です。
昨年完成した映画『ハルのふえ』は第24回東京国際映画祭 特別招待作品として上映され、いよいよ12月1日より、3本立ロードショー公開されることになりました。同時上映となる2本のうち1本目は、日本中の子供たちの絶大な支持を受けて愛と勇気を届けるアパンマンの誕生をミュージカル仕立てで描く新作の短編『アンパンマンが生まれた日』、そしてもう1本は、砂漠で出会ったロボットと小鳥の間に芽生えた友情と旅を描く、短編『ロボくんとことり』がデジタルリマスター版で蘇ります。
自分の家族、目の前にいる人を大切にして元気に生きていくことの大切さ、尊さをうたいあげたこの3本の監督は、NHKの「大人女子のアニメタイム『川面を渡る風』」(2011)、文化庁アニメミライ プロジェクトに選ばれた『ぷかぷかジュジュ』(2012年3月24日公開)などを手掛けてきた川又浩が務めます。
今日は、『ハルのふえ』でタヌキのお母さんを演じた 声優の野沢雅子さんが駆けつけ、舞台挨拶を行いました。
開場は3連休の最初の日ということもあり、小さいお子さんを連れた家族が鑑賞し、「銀河鉄道999」の星野鉄郎、「ゲゲゲの鬼太郎」の鬼太郎の声など、子供から大人まで誰でも聞いたことのある声の持ち主ということで、会場は歓声があがりました。登壇の前には「ハルのふえ」にちなんで音大生によるフルートとピアノの生演奏も披露。華やかなムードの中、温かい拍手で包まれ、終始和やかな雰囲気での試写会となりました。
◆日程 :11月23日(金)
◆登壇者:野沢雅子(76)
◆場所:イイノホール
〈野沢雅子〉
今日は雨にも関わらず、こんなに沢山のお客さんが来てくれて、本当にありがとうございます! 同時上映で「アンパンマンが生まれた日」を上映しますが、実は、私も「アンパンマン」のレギュラーなんですよ。年に一回、“シチューおばさん”という役で出ています。 「ハルのふえ」は、心が本当に温かくなって、泣ける映画なんです。親子の描き方が素晴らしくて、別れのシーンが本当に悲しかったです。やなせたかし先生の作品はたくさんありますが、この作品は今一番大切な事を描いていると思います。母親のハルは、息子のパルに自然の中にある葉っぱで笛を教えるんですよ。お金をかければ良いもんじゃない、という生きていく上での原点を描いていますね。ハルは、私のお母さんにそっくりです。子供にものを教える、というよりは、やりたい事があったら自分で頑張りなさいと言う人でした。 私は、下町出身なのですが、子供の頃はご近所が皆家族みたいな感じでした。自分の家じゃないのに、夕方になると夕飯を一緒に食べて行きなさいって言ってくれるんですよ。そんな下町の温かさみたいなものが、今の子供たちにも伝わっていくと良いですね。
「ハルのふえ」は見終わった後、ほのぼのとなる本当に素晴らしい作品です。是非、親子と言わず、おじいちゃん、おばあちゃんも一緒に観にきて頂きたいです。